2009年10月20日火曜日

オンライン請求5割超える

オンライン請求5割超える 9月請求分、支払基金2009年10月19日 提供:Japan Medicine(じほう)
 社会保険診療報酬支払基金は、9月請求分のレセプト総件数に占めるオンライン請求の割合が50.6%で5割を超えたと発表した。電子媒体による請求の割合は14.7%、紙レセプトによる請求は34.7%だった。
 また、医科診療所のオンライン請求の割合は16.0%、電子媒体は34.9%で、電子レセプトによる請求の割合は50.9%に達した。400床以上の病院はオンライン請求が98.0%、400床未満の病院は電子レセプトによる請求が88.7%、調剤では電子レセプトによる割合が99.7%だった。
 
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2009年10月9日金曜日

大酒の女性に多い乳がん 閉経後、週7合で1・74倍

2009年10月6日 提供:共同通信社

 酒を多く飲む女性ほど乳がんになりやすい傾向にあることを、愛知県がんセンター研究所疫学・予防部の川瀬孝和(かわせ・たかかず)主任研究員らが6日までに確かめた。閉経後の女性では、1週間に日本酒換算で7合以上飲んでいると、発症率は全く飲まない人の1・74倍だった。
 乳がんは女性で最も多いがんで、最近急増している。研究グループの田中英夫(たなか・ひでお)疫学・予防部長は「酒と乳がんの関連は欧米で指摘されていたが、今回の研究で、閉経後の日本女性でも明白になった。乳がんを予防するには、大酒を控えた方がよい」と話している。
 研究グループは、愛知県がんセンター病院で乳がんと診断された1754人と、乳がんと診断されなかった女性3508人を分析。全般に酒量が増えるにつれて、乳がんの発症率が高くなっていた。この傾向は50歳前後の閉経の後で著しく、閉経前の女性では、はっきりしなかった。
 閉経後の乳がん発症率は、酒を飲まない女性を1とすると、少し飲む女性は1・24倍、時々飲む女性は1・39倍、日本酒換算で週に7合以上飲む女性は1・74倍だった。

2009年10月2日金曜日

「楽しい」は健康のもと 脳卒中リスク低、男性だけ

2009年9月30日 提供:共同通信社

 生活を楽しんでいる意識が高い男性は、脳卒中や心筋梗塞(こうそく)などの循環器疾患の発症、死亡リスクが低いとの調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎(つがね・しょういちろう)国立がんセンター予防研究部長)が30日、発表した。

 40~69歳の男女約8万8千人を約12年間追跡調査。開始時点のアンケートへの回答から、生活を楽しんでいる意識が「高い」「中程度」「低い」の3グループに分け、循環器疾患の発病や死亡との関係を分析した。

 意識の高いグループを基準にすると、中程度グループの発症リスクは1.20倍、低いグループは1.23倍、死亡リスクはそれぞれ1.15倍と1.61倍。女性では関連はなく、男性の方がストレスの影響を受けやすいためではないかという。
 意識の高いグループは、運動習慣のある人が多く喫煙者が少ないなど生活習慣の違いもあった。
 病気の影響で楽しいと感じなくなる場合もあるため、そうした可能性がある人を除外してさらに分析し、心理的要因が発病、死亡に影響を与えると判断した。
 担当した琉球大法文学部の白井(しらい)こころ准教授(社会福祉学)は「ストレスの多い社会だが、生活を楽しもうと意識し、楽しむ方法を自分なりに見つけることが大切だ」と話している。

2009年10月1日木曜日

混合診療訴訟:患者が逆転敗訴 「全額自己負担は妥当」--東京高裁

混合診療禁止は適法 がん患者が逆転敗訴 東京高裁 (1)2009年9月30日 提供:共同通信社

 公的医療保険が適用される診療と、適用外の自由診療を併用する「混合診療」を原則禁止した制度の是非が争われた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は29日、医療費が全額自己負担となったがん患者の男性に一部保険適用を認めた一審東京地裁判決を取り消し、男性の請求を棄却した。
 大谷禎男(おおたに・よしお)裁判長は「財源面の制約や安全性確保の点からやむを得ない」と、制度を適法と判断。「負担が重すぎる」と訴えていた原告側の逆転敗訴となった。原告は上告の方針。
 2007年11月の一審判決は「法的根拠がない」と、混合診療禁止を違法とする初の判断を示し、国が控訴していた。
 原告は、神奈川県藤沢市の団体職員清郷伸人(きよさと・のぶひと)さん(62)。
 大谷裁判長は判決理由で、国が健康保険法上、例外的に混合診療を認めた「保険外併用療養費」制度について「先進医療など診療の内容や実施医療機関などの支給要件を満たす場合だけを保険給付の対象としている」と指摘。
 その上で「制度に定めた以外の診療については本来、保険診療に相当する部分も給付は受けられないと解するべきだ」と結論付けた。
 清郷さんは記者会見し「日本で認められていないというだけの理由で、世界各地で受けられる医療を受けられず命を落とすことがあってはいけない。今回の判決には失望しており、立法などによる解決の道も探りたい」と述べた。
 判決などによると、清郷さんは2000年に腎臓がんが見つかった。神奈川県立がんセンターで医師の勧めを受け、保険適用のインターフェロン治療と、適用対象外の「活性化自己リンパ球移入療法」を受けた結果、インターフェロン治療の分も自由診療として全額を自己負担とされた。
▽混合診療
 公的医療保険が適用される保険診療と、保険がきかない自由診療を併用すること。原則禁止されており、保険適用外の治療を受けると、通常の検査や手術、投薬、入院料など保険診療分も含む全額が自己負担となる。医薬品の治験や先進医療などを対象に、例外的に「保険外併用療養費」として保険適用が認められるケースもある。未承認薬や技術の確立されていない最先端の医療を望む患者、経済界などから、混合診療の全面解禁を求める声がある一方、日本医師会などは国民皆保険制度が維持できず、患者の不利益になるとして反対している。

識者談話 (2)2009年9月30日 提供:共同通信社

▽患者の立場、理解せず
鈴木亘(すずき・わたる)・学習院大教授(社会保障論)の話 患者の立場を理解していない判決だ。混合診療の原則禁止は法律に明文規定がなく、健康保険法上で解釈可能かどうかという点が重要だったのに、判決はその点に全く触れず、国の言い分を認めただけだ。既に一部に保険が適用されるようになったとはいえ、支給対象を増やす作業も全く進んでいない。重い病気などになり、一刻も早く高度な医療をより軽い負担で受けたいと思う患者の立場に立てば、このような結論にならないと思う。
▽一定の制限、やむを得ない
 医事評論家水野肇(みずの・はじめ)さんの話 保険や医療の実態を考えれば、妥当な判決だと思う。判決では直接触れられていないが、治療法の確立していない分野に関してはいかがわしい療法も多く、それらの一部にも保険が適用されるようなことがあれば、財源がどれだけあっても足りず、保険制度そのものが成り立たなくなる。現在の健康保険制度で給付の対象に一定の制限があるのはやむを得ないだろう。ただ、国も新しい技術についてはできるだけ早く安全性などを精査し、保険適用の医療に加えるための努力をする必要があると思う。

患者が逆転敗訴 「全額自己負担は妥当」 東京高裁 混合診療訴訟2009年9月30日 提供:毎日新聞社

 保険診療と保険外診療(自由診療)を併用する「混合診療」を受けると、本来は健康保険が適用される診療も含めて治療費全額が自己負担となる厚生労働省の運用の妥当性が争われた訴訟の控訴審で、東京高裁(大谷禎男(よしお)裁判長)は29日、「運用は妥当」と判断した。その上で、原告に保険給付を受ける権利を認めた1審判決を取り消し、請求を棄却する逆転敗訴を言い渡した。原告側は上告する方針。
 国は混合診療を原則禁止している。1審は「運用に法的根拠はなく違法」と判断したが、2審は国の政策を追認した。
 訴えていたのは、神奈川県藤沢市の団体職員、清郷伸人(きよさとのぶひと)さん(62)。腎臓がんを患い、01年2月から保険適用のインターフェロン療法を受け、その後、保険適用外の療法を併用した。このため、治療費全額を自己負担すべきだとされ、06年3月、国を相手に保険適用の確認を求めて提訴。
 控訴審では、84年の健康保険法改正で混合診療を一部認める例外規定が盛り込まれたことを巡る法解釈が最大の争点だった。判決は「認められたもの以外の混合診療は禁止されていると解釈すべきだ」と指摘し、国の運用を妥当と認めた。清郷さんは「患者が希望する治療を選択する権利を奪い、憲法が保障する生存権などを侵害している」とも主張したが、「医療の安全性確保などから、合理性を欠くとは言えない」と退けた。
 1審・東京地裁は07年11月、「保険診療と自由診療を一体として判断すべき法的根拠は見いだせない。保険が適用されるかどうかは個別の診療行為ごとに判断すべきだ」として、厚労省の法解釈は誤りと指摘していた。【伊藤一郎】
 ◇「命の限り闘う」
 清郷さんは判決後、記者会見し「控訴審は1審と違い、厳しい雰囲気だった。失望した」と悔しさをにじませた。闘病生活は9年目。「がんや難病の患者の命を危機にさらし、治る可能性は遠のく。命がある限り闘い続ける」と声を振り絞った。
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 ■解説
 ◇議論尽くす時が来た
 混合診療について国は「安全性が確保できず、患者の資力で医療格差が生じる。国民皆保険の根幹を揺るがす」との姿勢を崩さない。一方、「患者の選択権に基づく医療制度を推進すべきだ」と解禁を求める医師もいる。1、2審で判断が分かれた今回の訴訟は、改めて医療の在り方をめぐり議論を巻き起こした。
 法改正で84年から、一部の高度先進医療などは例外的に混合診療が認められた。05年に実施可能な医療機関を承認制から届け出制に簡素化し、06年には制度改定で適用範囲が拡大された。今月1日現在で認められている先進医療は130種類。1審判決時から増えたのは7種類。
 ただし、抗がん剤治療などは安全性や有効性に問題があるとして外されるものもある。患者にとって安定した制度とは言い難いが、保険局は「保険適用までの『つなぎ』の位置付け。限定はやむを得ない」と語る。
 1審判決を追い風に、政府の規制改革会議(当時)は07年、混合診療の全面解禁を提言したが、厚労省や日本医師会の反対で実現していない。原告の清郷さんは「原則解禁して、安全性を確保できないようなケースを禁じるべきだ」と訴える。
 日本難病・疾病団体協議会の伊藤たてお代表は「難しい問題。解禁した場合に医療が企業の利益の対象にならないか懸念される」と話す。司法判断とは別に、幅広く議論を尽くすべき時が来ている。【伊藤一郎、清水健二】

新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスの特性を解明-90歳以上の高齢者が高レベルの抗体を保有-

http://www.jst.go.jp/pr/info/info652/index.html

科学技術振興機構報 第652号平成21年7月13日
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