2011年1月25日火曜日

歯失うと認知症高リスクに 高齢者調査、噛む力も重要

歯失うと認知症高リスクに 高齢者調査、噛む力も重要
2011年1月24日 提供:共同通信社

 歯がほとんどなく入れ歯も使っていない高齢者が4年間で認知症になるリスクは、20本の歯がある人の1・9倍になるとの研究結果を、厚生労働省研究班(班長・近藤克則(こんどう・かつのり)日本福祉大教授)が21日発表した。
 あまりかめない人のリスクは、何でもかめる人の1・5倍、かかりつけ歯科医院のない人は、ある人の1・4倍だった。
 担当した神奈川歯科大の山本龍生(やまもと・たつお)准教授は「歯を失う原因の多くは虫歯と歯周病で、知らない間に進行する。定期的に歯科で口の中のチェックを受け、かむ力を保つために入れ歯を入れたほうがよい」と話している。
 山本准教授らは2003年、愛知県に住む65歳以上の健康な人4425人に歯の状態をアンケートした上で、その後4年のうちに認知症を発症したかどうか調べた。4年間で認知症を発症したのは220人だった。

イチゴからイヌの歯周病薬 量産化に成功、年内申請へ 「ぐるり北海道」

イチゴからイヌの歯周病薬 量産化に成功、年内申請へ 「ぐるり北海道」
2011年1月24日 提供:共同通信社

 密閉した植物工場で生産した遺伝子組み換えイチゴから、イヌの歯周病薬を量産する技術開発に、独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)などが成功した。遺伝子組み換え作物の利用でコストが千分の1になる試算もあり、臨床試験を経て、年内にも認可申請する見通しだ。
 産総研の北海道研究センター(札幌市)と北里研究所(東京)、ホクサン(北広島市)による共同開発。産総研によると、2歳以上のイヌの8割が潜在的に歯周病に罹患(りかん)。口臭や歯が抜けるなどの症状だけでなく、寿命にも影響がある。だがコストの問題などから薬は未開発だった。
 研究グループは、種でなく子株で繁殖するため遺伝的に同じ作物が生産できる果物のイチゴに着目。2004年から、細胞に薬効成分のイヌインターフェロンを組み込んだイチゴの開発を始め、06年に完成した。医薬品としての実用化には、同質のイチゴを繰り返し生産する完全な"再現性"も必要で、密閉した植物工場での栽培技術も求められた。
 薬は、イチゴを凍結乾燥した粉末状。常温保存が可能で、1日1回イヌの歯茎に塗る。臨床試験は最終段階に入っているという。
 産総研の松村健(まつむら・たけし)・植物分子工学研究グループリーダーは「人間の薬での実用化には時間がかかるが、商用化への突破口を開くことが何より重要。認可にこぎつければ、この分野への新たな企業の参入も期待できる」と話している。