2011年2月12日土曜日

国立病院に是正勧告71件 7年間で、残業代未払いも

国立病院に是正勧告71件 7年間で、残業代未払いも
2011年2月10日 提供:共同通信社

 医師や看護師の時間外労働に対する割増賃金の未払いや過重労働があったとして、国立病院機構が運営する全国の病院が2004~10年度に、71件の是正勧告を各地の労働基準監督署から受けていたことが9日、分かった。
 東京都に住む男性(30)が昨年12月、機構に情報開示請求し、是正勧告書などが開示された。未払い額などは不明。
 それによると、医師らに対する割増賃金の未払いや、労使協定で定める制限を超えて時間外労働や休日労働を行わせた過重労働などが労働基準法違反とされた。1人の医師に約110万円の割増賃金を支払っていなかった事例もあった。
 ある病院では、放射線業務に従事する職員に定期健康診断を受けさせず、労働安全衛生法に違反すると指摘された。
 国立病院機構の担当者は「現時点ではコメントは出せない」としている。機構は全国で144の病院を運営。約5万人の職員が勤務している。
 病院に対する同様の是正勧告は各地で相次いでいる。過労死弁護団全国連絡会議の松丸正(まつまる・ただし)弁護士は「これまで医療現場では労働基準法が守られておらず、医師らの『患者のために』という聖職意識に甘えてきた」と話している。

2011年2月5日土曜日

最も影響力があるメディアは?

m3.com意識調査2011年02月04日
 患者さんが持つ医療情報は、量的には格段に増えたものの、質的な充実はやや遅れを取る。最も影響力があるメディアは、テレビ。医療者の8-9割は、治療法や健康食品に関することなど、患者さんの誤った情報への対応で困った経験があり、正しい情報を伝えるためには情報をレビューする組織が必要……。

 m3.com意識調査「氾濫する医療情報、患者の理解は?」の調査結果を要約すると、このようになります。回答は、医師会員と医師以外の会員に分けて集計していますが、両者の傾向に大差は見られませんでした。
 患者さんの持つ医療情報の「量」は、「非常に向上した」「ある程度向上した」を合わせると、医師会員では74%、医師以外の会員では87%と高率。
しかし、医療情報の「質」が「非常に向上した」「ある程度向上した」との回答は、医師会員39%、医師以外の会員57%と、「量」が向上したとの回答よりも下回ります。
また、年齢や疾患により、患者さんが持つ情報には相違があるという結果です。
 全体の約7割が、患者さんに最も影響力があるのはテレビと回答。2位はインターネットで2割強で、この二つで9割。これに対して、マスメディアであっても新聞は低く、約3%にとどまりました。
 「患者さんが持つ医療情報が誤っていたために、診療上、困った経験があるか」への回答では、医師会員では、「よく経験する」(26%)、「時々経験する」(62%)を合わせると9割近くに。
その内容は、「治療(薬に関するもの)」が最多で72%、「健康食品(食事を含む)」(53%)、「治療(薬以外に関するもの)」(52%)など。
 では、患者さんがより正しい情報を得るためには、どうすればいいでしょうか。
医師会員の場合、1位「医療情報をレビューする組織」(47%)、2位「医療情報提供に関するルールの作成」(45%)、3位「患者の相談窓口・機能」(34%)の順。これに対して、医師以外の会員では、1位「患者の相談窓口・機能」(53%)、2位「医療情報提供に関するルールの作成」(49%)、3位「医療情報をレビューする組織」(45%)で、この質問については両者の回答にやや差が見られました。