2009年9月29日 提供:毎日新聞社
肺がん:治療法紹介サイトの3~4割、内容に問題 東大病院の医員ら調査
インターネットで肺がん治療情報を紹介する日本の主なサイトのうち、効果が立証されていない治療法を紹介するものが3-4割を占め、米国に比べて信頼性が低いことが、東京大病院呼吸器内科で肺がん治療に携わる後藤悌(やすし)医員らの調査で分かった。後藤さんは「患者が信頼性を見分けるのは難しいが、国立がんセンターのサイト(http://ganjoho.jp/public/index.html)などの利用を勧めたい」と注意を呼びかけている。
後藤さんは、ネットで見つけた怪しい治療法を実践した患者が不幸になった例を多く体験した。そこでネットの信頼性を調べ、3月まで勤めていた国立がんセンター中央病院の医師らと国際肺がん学会の機関誌に発表した。
07年5月末、「肺がん」などをキーワードに、日本の検索サイト「ヤフー」と「グーグル」で検索。上位各50サイトを調べると、ヤフーで27サイト、グーグルで17サイトが、進行した肺がんの治療法に触れていた。
このうちヤフーで20サイト(74%)、グーグルで10サイト(59%)を、学会の肺がん治療ガイドラインなど、世界的に妥当と認められた治療を紹介していたとして「納得できる」と評価した。しかし、残る各7サイト(ヤフー26%、グーグル41%)は、「認め難い」と位置づけた。
一方、米国のグーグルで同様の分析をすると、29サイト中28サイト(97%)が「納得できる」と評価できた。グーグル社の日本法人は「検索結果の決め方は日米で同じ」と説明している。【高木昭午】