2026年2月4日水曜日

一日一生

P11
 今日の自分は草履を脱いだ時におしまい。

それからは明日生まれ変わるために、一生懸命反省すればいい。復習するわけだな。
~中略~
 そしてまた、新しく蘇って出てゆく。
今日の自分は今日でおしまい。
明日はまた新しい自分がうまれてくる。

P35
もちろん、物事には目標もあるしゴールもあるけれど、昨日何かが終わったからといって、突然、次の日に、今までと違う新しい世界が開けるなんて、人生はそういうもんじゃないよね。
 でも何も変わらないようにみえても、自分自身はいつも新しくなっている。毎日毎日生まれ変わっているんだよ。
一日だって同じ日はないしな。

天台宗大阿闍梨 酒井 雄哉 (著)
一日一生
朝日新聞出版 (2008/10/10)

一日一生 (朝日新書)

一日一生 (朝日新書)

  • 作者: 天台宗大阿闍梨 酒井 雄哉
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2008/10/10
  • メディア: 新書

 

 五 至る時にかたく決心せよ、ローマ人として男性として、自分が現在引き受けていることを、几帳面な飾り気のない威厳をもって、独立と正義をもって果たそうと。
また他のあらゆる思念(パンタシアー)から離れて自分に休息を与えようと。その休息を与えるには、一つ一つの行動を一生の最後のごとくおこない、あらゆるでたらめや、理性の命ずることにたいする熱情的な嫌悪などを捨て去り、またすべての偽善や、利己心や自己の分にたいする不満を捨て去ればよい。
見よ、平安な敬虔な生涯を送るために克服する必要のあるものはいかに少ないことか。以上の教えを守るものにたいして神々はそれ以上何一つ要求し給わないであろう。

マルクス・アウレーリウス 自省録
神谷 美恵子 (著)
岩波書店 (2007/2/16)
P26

マルクス・アウレーリウス 自省録 (岩波文庫)

マルクス・アウレーリウス 自省録 (岩波文庫)

  • 作者: 神谷 美恵子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2014/12/18
  • メディア: Kindle版

島根県 島根県立美術館

日々是好日

P77
玄侑 禅には「風流ならざるところもまた風流」という言葉がありますが、どこかにぶつかろうと歯が痛かろうと、全体としては成長に向かっているんだということが信じられれば、もっとひどい災難に遭っても、それは風流なんですね。

鈴木 そうですね。自分の身に起こることは、すべて偶然ではなくて、意味があって起きるっていいますけれど、その考え方がいまの風流かもしれないですね。だから人生に無駄もないし、回り道もないわけですね。

P78
人生で起きるいろいろなバカバカしいことを、それが人生だと達観して、いまが最高なんだといまこの時間を喜び、こうして生かされてある命のありがたさを実感しながら、心安らかに生きて生きたい。
また、それができるのが年を重ねていく特権ではないかと思います。
鈴木秀子

P80
玄侑 だから自分の人生に自分で物語をつけて不自由にすることはないと思うんです。
自分には「既にすべてが与えられている」ということ、そして「すべてのことは自分が何かを学び、深まるために起こる」ということを自覚して、常にどう変わるか分らないいまを尊く生きることが人生の大切なテーマだと思います。

 

~中略~
人生の中ではいろんなことがありますけど、もしいやなことがあった時には、あぁ、これもきっと意味があって起こったんだ、どんな意味があるかいまは分らないけれど、いつかそれが分る時が楽しみだと、そんな聖なる諦めをもつことが大切ですね。
鈴木秀子

玄侑 宗久 (著)
多生の縁―玄侑宗久対談集
文藝春秋 (2007/1/10)

多生の縁 玄侑宗久対談集

多生の縁 玄侑宗久対談集

  • 作者: 玄侑 宗久
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/03/24
  • メディア: 単行本

 

 英語では普通「Day by day,it's a good day」と訳される。
来る日も来る日も、佳(よ)い日だというわけだが、むろん毎日天気がいいというわけでもないし毎日ラッキーなことが起こりつづけるわけでもない。そんなことなら、べつに悟らなくても思うことだ。
ここで言われるgoodは、決してbadの反対語ではないことに注意しなくてはならない。いわば絶対的なgoodなのである。
 つまり雨の日も、嵐の日も、「佳い雨の日」「佳い雪の日」「佳い嵐の日」なのである。
もっと言えば、大雨で床下浸水したり、大雪で会社に行けなかったり、嵐で電車が停まったりするわけだが、それも「佳い床下浸水の日」であり、「佳い出勤できない日」であり、「佳い電車が停まった日」でなくてはならない。

禅的生活
玄侑 宗久 (著)
筑摩書房 (2003/12/9)
P131

 

禅的生活 (ちくま新書)

禅的生活 (ちくま新書)

  • 作者: 玄侑宗久
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2013/08/02
  • メディア: Kindle版

 

 

P53
 大阪では、ことあるごとに、「生きているだけで丸儲け」と言うそうだ。特に、落ち込みそうになったり、心が折れそうになった時には、声高に「生きているだけで丸儲け」と言う。
 元気で生きていれば、それ以上言うことはない。こうした考えを基本にすれば、老いへの不安も一掃されるだろう。
 医者というのもつらい仕事で、毎日のようにたくさんの死に遭遇する。なかには、まだいといけない子どももいれば、花を咲かせないまましんでいく若い命もある。そうした死を見つめた後は、いきていることだけで心の底から感謝の念が湧いてくる。
 朝、目が覚める。今日も生きていることを、ありがたいと天に感謝する。一日が終われば、無事に今日一日を生きられたことを「丸儲け」とありがたいと感謝する。

P54
 お小水がでることさえも幸せに感じられる。こうして日常のなんでもないことにも幸せを感じられる人は、脳の働きがよくなることが証明されている。
 感謝する。満足する。いい気分になる。幸せだなあと感じると、幸福ホルモンと呼ばれるアナンダマイトというホルモンが盛んに分泌されるのである。
 アナンダマイトは大脳の前頭葉を刺激し、その働きを最高レベルまで高める。前頭葉は脳のコントロールタワーとでもいうべき働きをしている部位だから、ここが活発に働き、指令を出すことによって、大脳皮質がフル稼働を始める。その結果、思考能力が活性化し、創造力も高まるという。
 前向きの精神状態は交感神経を刺激するから、やる気をうながすノルアドレナリンの分泌も盛んになる。よい意味でのノーテンキは、ストレスのない幸せな日々に導くカギになるのである。

精神科医が教える50歳からの人生を楽しむ老後術
保坂 隆 (著)
大和書房 (2011/6/10)

 

精神科医が教える50歳からの人生を楽しむ老後術 (だいわ文庫)

精神科医が教える50歳からの人生を楽しむ老後術 (だいわ文庫)

  • 作者: 保坂 隆
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2011/06/10
  • メディア: 文庫
島根県 島根県立美術館

隋所快活


「隋所快活」という禅語を、心に留めておいてください。
 どんなところにいても、へりくだったり、あるいは、気取ったり緊張したりすることなく、自分らしく自然体で生きる。それが、禅の目指す生き方です。
 どんな時も、ありのままの自分でいればいい。肩書きや立場など関係ない、ありのままの相手を見ればいい。それ以上でも、それ以下でもない。

 そこに気づくことができれば、いつも風通しのいい自分でいられますよ。

怒らない 禅の作法

枡野 俊明 (著)
河出書房新社 (2016/4/6)
P47




怒らない 禅の作法 怒らない禅の作法 (河出文庫)

怒らない 禅の作法 怒らない禅の作法 (河出文庫)

  • 作者: 枡野俊明
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2016/04/22
  • メディア: Kindle版

島根県 島根県立美術館

塩入

そこは標高一メートルに満たない土地。しかも地名は「塩入(しおいり)だ。
江戸時代、津波高波の被害を塩入とよんだ。津波被害が繰り返される場所が、塩入もしくは塩入田とよばれているのを何カ所もみた。塩入という地名のついた場所に防災庁舎を建ててはいけなかったのである。

天災から日本史を読みなおす - 先人に学ぶ防災
磯田 道史 (著)
中央公論新社 (2014/11/21)
P185

天災から日本史を読みなおす - 先人に学ぶ防災 (中公新書)

天災から日本史を読みなおす - 先人に学ぶ防災 (中公新書)

  • 作者: 磯田 道史
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/11/21
  • メディア: 新書

 

島根kenn 島根県立美術館 宍道湖

初心を原(たず)ね、末路を観よ

事窮まり勢い蹙( ちぢ )まるの人は、当に初心を原( たず )ぬべし。

功成り行い満つるの時は、その末路を観んことを要す。

 

 


          洪自誠 

        守屋 洋 (著), 守屋淳 (著)

        菜根譚の名言 ベスト100

         PHP研究所 (2007/7/14)

        P195

 

菜根譚の名言 ベスト100

菜根譚の名言 ベスト100

  • 作者: 守屋 洋
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2007/07/14
  • メディア: 新書

思い出は学びし本(もと)の心より
          千里を通う誠忘るな
(森村叙氏の行を送る)
~中略~
まなんだ中味よりも、苦難をおして近江の僻遠(へきえん)の地にやってきた、そのまことの心を決して忘れてはならない、という主意である。

中江藤樹 人生百訓
中江 彰 (著)
致知出版社 (2007/6/1)
P158

中江藤樹人生百訓

中江藤樹人生百訓

  • 作者: 中江 彰
  • 出版社/メーカー: 致知出版社
  • 発売日: 2007/06/01
  • メディア: 単行本
鳥取県 植田正治写真美術館

平素の修養があればこそ

P33
 非常の時に身を処するのは、前述のごとく全く日々の平凡の心がけによる。春風に誘われ、三日見ぬ間に開く桜は、風に会うて狼狽して開くのでなく、前年の冬から、厳寒を凌(しの)いで蕾を養うたからである。
昔の武士が戦場に臨み、命がけの勝負をしたのは、平生、木刀をもって木像(でく)を相手に仕合し、鍛錬した結果である。平素の修養があればこそ、非常の時の覚悟が定まる。
 かかる時さこそ命の惜しからめ
     かねてなき身と思ひ捨てずば
 かねてとは、。すなわち日頃の意。日頃一身を捨てる覚悟があらばこそ、いよいよという時に心が迷わぬ。
世の人は、何か目立ったこと、非凡なこと、人を驚かすような、ドラマチックを喜ぶから、平凡なる日々の修養を軽視する風がある。しかし、これはむしろ未熟の思想であると思う。

P34
 僕がここに修養法を説くに当たっても、我々が平凡なる日々の務めを尽くすに、必要な心がけを述ぶるを目的とするので、一躍して英雄豪傑の振る舞いをなし、むずかしいこと、世の喝采を受けることを目的とせぬ。
功名富貴は修養の目的とすべきものでない。
自ら省みていさぎよしとし、いかに貧乏しても、心のうちには満足し、いかに誹謗を受けても、自ら楽しみ、いかに逆境に陥っても、そのうちに幸福を感じ、感謝の念を持って世を渡ろうとする。それが、僕のここに説かんとする修養法の目的である。
 佐藤一斎翁の言に「およそ活物は養わざれば死す、心はすなわち我にあるの一大活物なり。もっとももって養わざるべからず。これを養うはいかん。理義のほか別方なきのみ」とある。
身を養うの食物は日々に三度要するごとく、理義の栄養物も間断なくこれを用いるの要あることは、少しなりともこのことに経験ある者の、よく知れることである。
日々刻々の修養は、これをなしておる間は、さほどにも思わぬが、それがだんだん集まり積もると、立派な人物を築き上げる。

 

P258
心配のなし溜めは役に立たぬが多い。しかし、災難に逢うたら、かくせんという大体の覚悟は役に立つ。
事に当たりて狼狽せぬようにするには、日ごろの用意がなければならぬ。
しかして、この用意が整うておるのは知力の貯蓄があるからである。
種々のことをたくさん覚えておれとの意にあらずして、活用し得る知力を蓄えよとの意である。

修養
新渡戸 稲造 (著)
たちばな出版 (2002/07)

P28
自己実現者の目標は、自己をみつけることであり、内なる真に従って人生を規定してしまうことにある。自己を定義することにこだわりすぎると、ごくせまい意味に限定した自己―自分で強み、弱み、得手、不得手だと思っていること―を基盤に未来を築いてしまう恐れがある。
中国の思想家なら、これでは自分の可能性のほんの一部しか見ていないことになると言うだろう。私たちは、特定のときと場所であらわれる限られた感情だけをもって自分の特徴だと思い込み、それが死ぬまで変わらないものと考えてしまう。人間性を画一的なものと見なしたとたん、自分の可能性をみずから限定することになる。
~中略~
 中国の思想家は、どの人もみんな複雑で、たえず変化する存在であることに早く気づけと説くに違いない。一人ひとりに、さまざまな、ときに相反する感情の傾向や、願望や、世界への反応の仕方がある。わたしたちの感情は、内にではなく外に目を向けることで引き出される。
世間のしがらみを断って瞑想したり旅に出たりしても養われない。日々の営み、つまり他者とかかわったり行動したりすることで実地に形づくられる。言いかえると、ありのままの自分だけが自分なのではない。いつでも積極的に自分自身をよりよい人間へと成長させることができる。

P95
心を修養しておけば、もっとぐらつきのないはるかに安定した場所に立ってものごとに反応できる。衝動や感情の揺れにかき乱されることなく、大局に注目し、なすべきことを知ることができる。どの反応が自分やまわりの人から最善の部分を引き出すかがわかる
~中略~
 孟子流のやり方で、理性面と感情面を統合するとすれば、自分の感情的な反応に注目し、それを改善するよう努力することだ。理性を使って感情を修養する。日々、なにが自分の感情や反応を誘発するか意識する。きみが世界をとらえるときのパターン化した習癖、つまり深く刻み込まれた物語はなんだろう。~中略~
 一日を通じて、感情の引き金や感情を左右する古い行動パターンをすべて意識するようになれば、いつでも自分の反応を磨きはじめられる。
気をつけてもらいたいのは、感情的な反応に注意を払うといっても、仏教の無念無想や如実知見におおまかにもとづいた「マインドフルネス」と呼ばれる人気の瞑想の概念とは違うということだ。自分の感情を観察し、それを受け入れ、そして解放することである種の内なる平穏を得ようといったたぐいのものではない。というのも、かりにそれで安らかな気分になったとしても、ふたたび世界とかかわりをもちはじめれば、すぐにしぼんでしまうからだ。
また、生きとし生けるものに抽象的な憐れみを感じることでもない。心の修養は外へ向かう行為で、世界から自分を取り除くためではなく、世界に参加するためにおこなう。そのため、あらゆる交流を通じて自分自身もまわりの人も向上させられる。マインドフルネス的な意味ではなく、孔子的な意味で注意を払うということだ。

P100
非常に難しい対人関係の問題に対応する場合、こうした磨かれた反応は、わたしたちがいつも最初にとる反応ではない。
ほとんどの人は、その場の感情や速やかな解決を望む気持ちに翻弄されるものだ。いつもと違うこのやり方は、たしかに手っ取り早い解決策ではない。一朝一夕に事態を改善してくれるものは一つもない。しかし、物事を大局的にとらえ、長期的にどうなるか考える経験を積み重ねることになる。できるだけ広い視野で、どうすれば結末を変えられるか理解したうえで状況に対応できるように鍛練することを心がければ、たえず自分の善の素質をつちかっていける。
感情を退けるというのではない。そんあことをすれば、状況の背景ぜんたいを感じとる能力をなくしかねない。そうではなく、感情に磨きをかけ、よりよい反応が直観的に前面に出てくるようにするということだ。  これが心を修養するということだ。
きみはもっと敏感に世界に反応できるようになり、よい面はもとのまま保たれ、見通す力は損なわれずに残る。

ハーバードの人生が変わる東洋哲学──悩めるエリートを熱狂させた超人気講義
マイケル・ピュエット (著), クリスティーン・グロス=ロー (著), 熊谷淳子 (翻訳)
早川書房 (2016/4/22)

ハーバードの人生が変わる東洋哲学 悩めるエリートを熱狂させた超人気講義 (早川書房)

ハーバードの人生が変わる東洋哲学 悩めるエリートを熱狂させた超人気講義 (早川書房)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2016/04/28
  • メディア: Kindle版
鳥取県 植田正治写真美術館

選択せずに、なんとなく生きてる

P97
 実は、私たちの生活の中で、選択をしなければならない局面はたくさんある。思い返してみてほしい。
私たちは1日を「選ぶ」ということをせずに、終えることがでえきるであろうか?「生きる」ということは「選ぶ」ことである。とはいえ、私たちのすべての行為が能動的な「選択」をもって行われているわけではない。
もし、すべての行為をあらかじめ「選択」して行わねばならないとしたら、こんなに窮屈なことはない。「真剣に考えず、なんとなくそうしている」ことがたくさんあることに気がつくだろう。そして、その瞬間、瞬間で、実際に行った行為以外の、別の行為を行うことはできなかったか?と考えてみる。これを「他行為可能性」と呼ぶ。
 私たちは、常に「他行為可能性」をはらみつつも、実際には一つの行為を行っている。しかし、そこで明らかな「選択」はしていない(24)。人間の行為の多くには「習慣」というものがあり、他にも習慣以外の「なんとなく」している行為も多くある(25)。
実は、日常生活の中には、なんとなくそうしているというヒューリスティックス(第2章参照)による選択があふれていて、おかげで私たちは、些末なことにはとらわれずに生活できているのである。

P107
 内閣府が行った「がん対策に関する世論調査」(2017年度)によれば、がん検診を受けない理由には「受ける時間がないから」「健康状態に自信があり、必要性を感じないから」「心配なときはいつでも医療機関を受診できるから」などが多く、がん検診のを受けない「強い理由」は見当たらない。 ほとんどの人はがんになることを怖いと感じ、がん検診は受けた方がよいことをわかってはいるが、がんになる可能性は未来に起きうる不利益である一方、がん検診をいま受けに行くことは目の前で生じる不利益(面倒くささ)であるため、将来の不利益を割り引いて感じるので、がん検診に足が向かないという状況が生じている。
しかしながら、実際にがんでなくなるとなると、「なぜもっと早く見つけなかったのか」と悔やむけーすが多い。
いかにして「自覚症状もなく、毎日の生活に忙しくしている一見健康な人」にがん検診を定期的に受診してもらうように行動を促すことができるかというのは、社会全体が高齢化しがんの好発年齢である60~70代の国民が増えた近年、非常に重要な課題である。

医療現場の行動経済学: すれ違う医者と患者
大竹 文雄 (著), 平井 啓 (著)
東洋経済新報社 (2018/7/27)

医療現場の行動経済学: すれ違う医者と患者

医療現場の行動経済学: すれ違う医者と患者

  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2018/07/27
  • メディア: 単行本

島根kenn 一畑薬師

無事

藤樹は、生涯にわたって大州の曽渓院(そうけいいん)の天梁(てんりょう)和尚から、臨済禅の教義をふかくまなんだ。
「岡山先生示教禄」に、先師(藤樹)はかって、こう言われた。
「万欲をうち忘れ、無事なる位にいたってこそ真楽がある、ということを知ってからは、サムライの望みも知行の望みも消えうせた」と。
この「無事」もまた、重要な禅語のひとつだ。

中江藤樹 人生百訓
中江 彰 (著)
致知出版社 (2007/6/1)
P151

中江藤樹人生百訓

中江藤樹人生百訓

  • 作者: 中江 彰
  • 出版社/メーカー: 致知出版社
  • 発売日: 2007/06/01
  • メディア: 単行本

 

島根県 一畑薬師

自然

「自然」という言葉には古くから、「しぜん」と「じねん」の二通りの読み方がありました。
これも文書を読む場合に注意が必要とされる言葉の一つです。「しぜん」と読む場合を挙げると、~中略~ 「もしも、万が一」の意味で用いられており、「万一、上野佐渡守が勝手なことを言ったとしても」と訳すべきなのです。そして、中世の文書の中ではこの意味でつかわれているケースが圧倒的に多いと思います(前掲、佐藤氏「〔新版〕古文書学入門」)。
~中略~
 ところが「じねん」と読む場合には、「おのずからそうであること」という意味に近い語として用いられています。
ですから、いずれの意味で用いられているかを古文書の文脈の中で判定することは、実はなかなかむずかしいのですが、中世文書の場合、「自然」は「もしも、万が一」と訳した方が間違いは少ないと思います。

歴史を考えるヒント
網野 善彦(著)
新潮社 (2001/01)
P181

歴史を考えるヒント (新潮文庫)

歴史を考えるヒント (新潮文庫)

  • 作者: 網野 善彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/08/27
  • メディア: 文庫

 

P95
自然と精神のあいだには、自然が下で精神が上、という明確な序列がある。人間の手の加わらないものを「自然」、人間の活動によって作りあげられた有形無形の産物を「精神」と呼ぶとき、「精神」のほうが「自然」よりもすぐれている、とするのが、ヘーゲルの終生かわらぬ価値観であった。

P100
 ヘーゲルの自然の学ないし自然哲学は、そうした近代産業と、その上になりたつ近代文明にたいして、それを肯定し、それを根拠づけるような自然の像を提供するものだった。
自然が、人間世界の発展のための手段として利用されることを、人間世界にとって歓迎すべきことだとするだけでなく、自然そのものにとっても歓迎すべきことだとするのが、ヘーゲルの基本的な自然像だった。

 

新しいヘーゲル
長谷川 宏(著)
講談社 (1997/5/20)

新しいヘーゲル (講談社現代新書)

新しいヘーゲル (講談社現代新書)

  • 作者: 長谷川 宏
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1997/05/20
  • メディア: 新書

 

鑽火殿(さんかでん)島根県 熊野大社


 若者は夢と未来に向かって前進する。
 老人の前進は死に向う。
 同い年の友達との無駄話の中で、我々の夢は何だろうということになった。
「私の夢はね、ポックリ死ぬこと」
と友人はいった。
ポックリ死が夢?
なるほどね、といってから、けれど、と私はいった。
「あんたは高血圧の薬とか血をサラサラにする薬とかコレステロールを下げる薬とか、いっぱい飲んでいるけど、それとポックリ死とは矛盾するんじゃないの?」
 すると憤然として彼女はいった。
「あんた、悪い癖よ。いつもそうやってわたしの夢を潰す・・・・・・」
 彼女にとってポックリ死はあくまで「夢」なのだった。
~中略~ 現実には摑(つか)めないことをわかっていての「夢」である。

九十歳。何がめでたい
佐藤 愛子 (著)
小学館 (2016/8/1)
P27

九十歳。何がめでたい

九十歳。何がめでたい

  • 作者: 佐藤愛子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/08/01
  • メディア: 単行本

 

島根県 熊野大社