2026年5月8日金曜日

中国2000年の環境破壊

 2000年(平成12年)春、砂塵が北京を襲った。その北京市郊外を視察した朱首相は、かつての草原地帯が砂漠に変貌しているのを目の当たりにした。その光景に衝撃を受け、つい口から北京からの遷都という言葉が出てしまった。それほど中国の砂漠化は深刻な事態となっている。
 朱首相が驚愕したのは2000年であり、それ以降もさらに激しく黄砂は発生し続けている。被害は日本、韓国でも顕在化してきた。もう黄砂は春の風物詩などと言ってられなくなった。
 現在砂漠となっている黄河流域は、かつて森林の宝庫であった。その証拠が残されている。
1万2000㎞の万里の長城と8000体の人形が埋蔵されている兵馬俑坑である。
 紀元前、秦の始皇帝が建設した万里の長城のレンガと、皇帝陵の陶製の人形を焼いた木材量は膨大なものであった。あまりの膨大さに圧倒され、試算する気にもならない。この二つの世界遺産が制作されたという事実が、黄河流域は大変豊かな森林地帯であったことの証拠である。
 燃料のための森林伐採による砂漠化は少なくとも2000年以上の年季が入っている。
さらに近代になってからそれが一気に加速された。 

日本史の謎は「地形」で解ける
竹村 公太郎 (著)
PHP研究所 (2013/10/3)
P377

日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)

日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)

  • 作者: 竹村 公太郎
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2014/02/07
  • メディア: Kindle版

 

九重連山 大分県

エリートを育てろ

P193
 日本の実用英語教育の現状はきわめて中途半端です。今の日本では小学生から英語を広く教えているので、外国へ観光旅行に行った時でもお店で注文は出来ます。
その程度でいいと思っている人が日本の文権を握っているのだとしたら、困ったものです。
十九世紀の英国の植民地のような会話教育です。広く薄く英語教育を行うことも必要でしょうが、少数優秀というインテンシヴな教育はさらに必要です。

P201
「文化の三点測量」のできるエリートの形成が、世界的にますます必要とされると私は信じます。
三点測量の強みを外国語習得との関連でいうとこうなります。
点と点を結ぶと線になりますが、外国語と母語を結ぶと知識がばらばらの点でなく線となります。そこに第二外国語が加わると知識は面となり、さらに第三外国語が加わると見方が立体的になります。竹山道雄が昭和十五年、三国同盟が結ばれる直前にナチスの非人道性「思想」誌上ではっきりと批判できたのは、ベルリンだけでなくバリにも留学し、ドイツ一辺倒とならなかったからでしょう。
 日本人の中には中国語を学んで中国に親しみ親中派となる人がいますが(中国を嫌い嫌中派になる人もいますが)、バランス感覚を維持するためには英語にも通じ西洋の中国研究も心得ることが大切です。

P247
しかし優れた語学教育の器械利用や外国人教師の導入も必要だが、選ばれた者としての気概を持たせることの方が大切なこともあるのです。選ばれた者としての覚悟こそが、長い目で見て、教育効果をあげるものと私は感じます。
 職に命を賭する人間を養成できないようでは、日本の最高学府は真の尊敬に値しないのではないでしょうか。
ちなみに第一次大戦時のフランスでのエリート校出身者の戦死者の比率は、士官学校出身者よりも高いものでした。平時の日本といえども、いつ何が起こるかわからない昨今です。文武両道に秀でる偉才が出ることを祈って止みません。


日本人に生まれて、まあよかった
平川 祐弘 (著)
新潮社 (2014/5/16)

日本人に生まれて、まあよかった (新潮新書)

日本人に生まれて、まあよかった (新潮新書)

  • 作者: 平川 祐弘
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/05/16
  • メディア: 新書

 

 

P250
佐藤 「ヘーゲルは歴史は繰り返すと言ったが、そのとき一言付け加えるのを忘れていた。一回目は悲劇として、二回目は喜劇として」。
~中略~
 佐藤 「今後第三次世界大戦が起こりうるのか?起こるとしたらどんな形の戦争が考えられるのか?」という問いかけも出てくるでしょうが、それに対しては、「そういうことはあってはならない」という立場で、私は全力を尽くしたい。
 そして実戦的な課題としては、軍事エリートと政治エリートのトップから馬鹿を排除すること。馬鹿な兵隊、馬鹿な政治家がいても、彼らが自滅して終わりになるのはいい。しかし、トップにいた場合は、部隊もしくは国家が全滅することになりますから。

新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方
池上 彰(著), 佐藤 優(著)
文藝春秋 (2014/11/20)
P1

新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方 (文春新書)

新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方 (文春新書)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/11/20
  • メディア: 単行本

中退というのは資格

五木 ちょっと話はずれますけど、僕は抹籍なんですよ。よく除籍とまちがえる人がいるけど、除籍は処分でしょう。
抹籍は申し出て籍を抜く事務的な手続きなんです。それで、もう二十年ぐらいたって、総長から校友会のメンバーになってくれと言われた。
それで「いや、僕は抹籍ですから、校友会なんか入る資格はありません」と言ったんです。
「どうしてですか」と聞くから、「いや、三年間の授業料の未納で、抹籍というかたちになっています」と言ったら、
「いまだったら払えるでしょう」って。
「そりゃ、払おうと思ったら払えますけど」「払ってください」ということで、請求書がきたから十何万か払った。そうしたら正式に中退にしてくれた(笑)。
 みんな間違っているけれど、中退というのは資格なんです。

親鸞と道元
五木寛之(著),立松和平(著)
祥伝社 (2010/10/26)
P131

親鸞と道元 (祥伝社新書)

親鸞と道元 (祥伝社新書)

  • 作者: 五木寛之 立松和平
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2018/11/01
  • メディア: 新書

 

九重連山 大分県

質を問わない?

 以前からふしぎでならないことがあります。待機児童何万人といわれ、待機児童をなくせというかけ声は大きいのに、株式会社の参入を許してどんどん保育所の数を増やそう、という動きには慎重になる傾向があります。
株式会社とは営利法人、つまりカネもうけが目的の組織です。子育て支援をカネもうけのためにやってもよい、とは多くのひとびとは思っていないようです。保育所に入れないと嘆く親たちも、どんな施設でもよいとは思っていません。

おひとりさまの最期
上野千鶴子 (著)
朝日新聞出版 (2015/11/6)
P117

おひとりさまの最期 (朝日文庫)

おひとりさまの最期 (朝日文庫)

  • 作者: 上野 千鶴子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2019/11/07
  • メディア: 文庫

九重連山 大分県

教育の経済学

 教育の経済学という経済学の分野がある。経済学の手法を用いて、高等教育を受けた時の所得上昇効果を分析したり、少人数学級の教育効果を分析したりする分野である。
ところが、教育の専門家のなかには、経済学の視点で教育をとらえることに拒否反応を示す人が多い。
それは、教育の分野では、「より所得を稼げるようになること」ではなく、「豊かな人生を送ることができるようになること」を目的にしていて、豊かさとはお金以外の価値にあるということを教えようとしているからだろう。
だから、お金で教育の価値を測るような経済学のアプローチは許しがたいのではないかと思う。
 もっともな感情だと思うが、誤解もある。経済学者は。お金にしか価値を見出さないわけではない。もちろん、お金がなくても幸福な人生を送ることは可能だ。しかし、最低限のお金がないと、幸福な人生を送ることが難しくなるのも事実だ。実際、さまざまな幸福感に関する統計をみても、ある程度の年収までは、所得が高くなるほど平均的な幸福感も高くなっている。

競争と公平感―市場経済の本当のメリット
大竹 文雄 (著)
中央公論新社 (2010/3/1)
P220

競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)

競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)

  • 作者: 大竹 文雄
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2010/03/01
  • メディア: 新書

 先日、品川区が通いたい小学校を子どもたちが自由に選べるシステムにしました。すると、生徒が集まりすぎる学校と、全然来ない学校に二極化した。そして、生徒の獲得に成功した学校の校長の談話が出ていました。校長曰く、「うちの学校では、教育コンテンツは商品である」「保護者たちはお客様だと教師に言い聞かせております」。
僕はそれを読んで、ほんとうに目の前が真っ黒になりました。「教育は商取引ではない」という根本的なことがこの人にはわかっていない。
 これから教育を受けようという側の子どもたちは、自分が受ける教育の内容をまだ理解していないわけです。これから自分が受けるはずの教育の意味や有用性が理解できないという事実それ自体が、彼らが「教育を受けなければならない理由」なわけです。
 でも商品の場合、そういうことはあり得ない。目の前の商品に関して、その有用性も意味もわからずに買うという消費者はいない。~中略~
 学校を「店舗」、子どもたちや保護者を「顧客」、教育活動を「商品」というふうに見立てると、どうなるか。消費者であるところの[お子様たち」や「保護者さま」の前にさまざまな教育コンテンツを差し出して、その中で、一番費用対効果のいいものを「お客様」にお選びいただく、と。
そんなことをしたら、その後子どもたちがまじめに勉強するはずがないという単純な理屈がどうしてわからないのか、僕はそれが不思議です。

最終講義 生き延びるための七講
内田 樹 (著)
文藝春秋 (2015/6/10)
P228

最終講義 生き延びるための七講 (文春文庫)

最終講義 生き延びるための七講 (文春文庫)

  • 作者: 内田 樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/06/10
  • メディア: 文庫

九重連山 大分県

理想的な教育環境

「反面教師としての親」が意外な教育効果をもつこともあるのであろうが、もちろんその逆もあり、むしろそれが普通であろう。そう考えると、太宗の息子たちは、余り理想的な教育環境に置かれたことが、いわばいまの例と全く逆であったことが、逆効果となったのかも知れない。
不世出の英主と稀代の賢婦人を両親にもち、魏徴の学習書があって賢臣に取りまかれているなどということは、子にとって、案外、苦しいことかも知れない。

帝王学―「貞観政要」の読み方
山本 七平 (著)
日本経済新聞社 (2001/3/1)
P184

帝王学 「貞観政要」の読み方 (日経ビジネス人文庫)

帝王学 「貞観政要」の読み方 (日経ビジネス人文庫)

  • 作者: 山本 七平
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版
  • 発売日: 2001/03/01
  • メディア: 文庫

九重連山 大分県

自制心を育てろ

 目の前の満足にとらわれず、長い目で見た成功に注意を集中させられる能力は、大きな目標や野心の達成には欠かせないものだ。
たとえば研究によると、小学生時代に示された自制心の度合いで、知能テストの結果以上に学者としての将来性が占えるという。
そのほかの例を挙げると、よだれのでそうなケーキの誘惑にさからえる人はダイエットに成功する、辛抱強く復習ができる学生は試験の成績が上がる、何時間も練習できるスポーツ選手は獲得するメダルの数が多くなる。
ミシェル(住人注;ウォルター・ミシェル)の研究は、この能力が幼いころに形成され、大人になっても変わらないことを教えている。そして彼の研究には、しばらく待つことができず、マシュマロにすぐ飛びつく子どもが非常に多いことも示されている。
そんな子供たちは、大人になっても自分のほしいものをがむしゃらに手に入れようとするのだ。

その科学が成功を決める
リチャード ワイズマン (著), Richard Wiseman (原著), 木村 博江 (翻訳)
文藝春秋 (2012/9/4)
P286

その科学が成功を決める (文春文庫 S 10-1)

その科学が成功を決める (文春文庫 S 10-1)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/09/04
  • メディア: 文庫

 

九重連山 大分県

教えるタイミングと方法

聖人の藥を投ぐること機の深浅に随い、賢者の説黙は時を待ち人を待つ。
般若心経鍵

聖人はその人にあったやりかたで導く方法を考え、 賢者は時が満ちるまで黙して語らないものです。

空海 人生の言葉
川辺 秀美 (著)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/12/11)
道について一〇一

空海 人生の言葉

空海 人生の言葉

  • 作者: 川辺秀美
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2013/02/04
  • メディア: Kindle版

 

九重連山 大分県

2026年5月7日木曜日

料理の初歩

私をも含めてそのころ教えられた料理の初歩には、要点が二つしかない。
一つはまっとうな味を知ること、つまりいかに正しく料(りょう)るか、も一つは厳しく腐敗のもの、毒のものを知ること、つまりいやなものを排除すること、
この二つであった。
~中略~

 このごろは中毒事件が多い。毒になるものをたべさせるほうの業者たちはもとより心臓が麻痺していると見るが、食べるほうの子供たちはいったい腐敗について教えられたことがないのだろうかと訝(いぶか)しいのである。
もし毎日三度たべるたべもので、腐敗の味や臭いや感覚を教えられていない結果がこうした中毒になるのだとすれば、中毒の一半の責任は親たちにもあると思う。
いいおいしいたべものもいいが、子どものときから腐敗のもの、毒になるものについて厳しく教えるのは必要だとおもう。
(一九五四年 五十歳)

幸田文 台所帖
幸田 文 (著) , 青木 玉 (編集)
平凡社 (2009/3/5)P26

 

幸田文 台所帖

幸田文 台所帖

  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2009/03/05
  • メディア: 単行本
旅亭 田乃倉 湯布院町 

成功体験を見せてもらおう

 普通レベルの生活を長い間営んできた私たちが、海外の成功者と同じような「発想」を手に入れるためのいちばんの方法は、成功している人たちと知り合いになって、その生活を実際に体感させてもらうことです。

「東の大富豪」の教え ユダヤを超える「成功の本質」
ナタリー・ユエン (著)
経済界 (2012/6/23)
P200

「東の大富豪」の教え ユダヤを超える「成功の本質」

「東の大富豪」の教え ユダヤを超える「成功の本質」

  • 作者: ナタリー・ユエン
  • 出版社/メーカー: 経済界
  • 発売日: 2012/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

人間の脳には「ミラーニューロン」という神経細胞があると言われています。これは、モノマネ脳、共感脳と言ってもいいのですが、たとえば美しい女優さんが温泉につかっているポスターを見ると、自分が温泉に入っているわけでもないのに、なんとなくリラックスして良い気分になったりしませんか?
 もうちょっとわかりやすい例では、「もらい泣き」なんていうのがそうですね。自分に悲しいことが起こったわけではないのに、思わず悲しい気分になって、泣いてしまう。
あとは、テレビのバラエティ番組でよく使われる、笑い声。これもできるだけ自然なものがいいと言われていて、スタジオに来ている人が笑っている声をなるべく使い、最近ではあまりつくった声を挿入しなくなっていると言います。
~中略~
ミラーニューロンが発見されたのは、1996年。人間でなく、サルの脳でみつかりました。
実験者が、飲み物を飲むしぐさをしたときに、サルの脳のなかで、サルがジュースを飲むときに信号を出す神経細胞が活動していることがわかったのです。
多くの実験が繰り返されるなかで、サルの下前頭皮質と、下頭頂皮質のほぼ1割にあたる神経細胞に、こうした、他者の能力を写しとる能力があることが明らかになりました。
 これは、人間でも同じことが起こると考えられています。
 つまり、成功者の考え方や生き方を目の当たりにすると、それが勝手に脳にコピーされる。そうすると、成功者の自己イメージが、自分の自己イメージと重なって、自然に行動や結果に反映されていくのです。
 成功者のやっていることや考えていることを積極的に真似したり吸収したりしていくということは、脳科学から見ても、とても意味があるのです。

脳はどこまでコントロールできるか?
中野 信子 (著)
ベストセラーズ (2014/8/19)
P42

 

脳はどこまでコントロールできるか? (ベスト新書)

脳はどこまでコントロールできるか? (ベスト新書)

  • 作者: 中野 信子
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2014/08/19
  • メディア: 新書

 

 

P73
スポーツにかぎらず、ビジネスや教育の分野でも、「成功体験」の重要性が強調されています。
 けれども、その成功体験をいつまでも引きずってしまうのはよいことではない。むしろ成長を妨げかねません。
 なぜなら、それは「過去のもの」であるからです。

P79
 成功体験を、自分の中でどこかに自信として持っておくのはいい。
「あれができたのだから、絶対がんばれる!」
 そうやってエネルギーにするのはすごくいいことだと思います。
ですが、そこにすがりついてしまうと、
 「あんなにできたのに・・・・・」「こんなはずじゃない・・・・・」
 と考えてしまう。そうなると、自分が苦しくなって、自信やモチベーションを失ってしまう。
 成功体験は甘美であるがゆえに、ときには毒になるのです。

ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」
荒木 香織 (著)
講談社 (2016/2/19)

 

ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」 (講談社+α新書)

ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」 (講談社+α新書)

  • 作者: 荒木 香織
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/02/19
  • メディア: 新書
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