2026年4月13日月曜日

規則は、環境も人心をも変える

  規則をつくるために、何か不都合なことが起きないために、あるいは危険性を減らすために、効率を良くするために、規則や法律といったものがつくられる。
 すると規則があるがために、新しい状況が生まれる。それは、最初に規則が必要となったときの状況とはまったく別のものだ。
 また、たとえその規則を廃止しても、規則がなかったときと同じ状況に戻るわけではない。規則は、環境も人心をも変えるのだ。
「漂泊者とその影」

超訳 ニーチェの言葉
白取 春彦 (翻訳)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/1/12)
097

超訳ニーチェの言葉

超訳ニーチェの言葉

  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2012/10/18
  • メディア: Kindle版

 

三重県 内宮

事物を疑って取捨を断ずる事

P154
  信の世界に偽詐多く、疑の世界に真理多し。試みに見よ、世間の愚民、人の言を信じ、人の書を信じ、小説を信じ、風聞を信じ、神仏を信じ、卜筮(ぼくせい)を信じ、父母の大病に按摩の説を信じて草根木皮を用い、娘の縁談に家相見の指図を信じて良夫を失い、熱病に医師を招かずして念仏を申すは阿弥陀如来を信ずるがためなり。

~中略~
蓋しこの人民は事物を信ずと雖も、その信は偽を信ずるものなる。故に云く、信の世界に偽詐多しと。
文明の進歩は、天地の間にある有形の物にても無形の人事にても、その働きの趣きを詮索して真実を発明するにあり。
西洋諸国の人民が今日の文明に達したるその源を尋ぬれば、疑の一点より出でざるものなし。ガリレヲが天文の旧説を疑って地動を発明し、
・・・・何れも皆疑いの路に由って真理の奥に達したるものと言うべし。

~中略~
然りと雖も、事物の軽々信ずべからざること果して是ならば、またこれを軽々疑うべからず。
この信疑の際につき必ず取捨の明なかるべからず。
蓋し学問の要は、この明智を明らかにするに在るものならん。

~中略~
西洋の文明は我国の右に出ること必ず数等ならんと雖も、決して文明の十全なるものに非ず。
その欠点を計うれば枚挙に遑(いとま)あらず。
彼の風俗悉(ことごと)く美にして信ずべきに非ず。
我が習慣悉く醜にして疑うべきに非ず。

~中略~
この雑沓混乱の中に居て、よく東西の事物を比較し、信ずべきを信じ、疑うべきを疑い、取るべきを取り、捨つべきを捨て、信疑取捨その宜しきを得んとするはまた難きに非ずや。

~中略~
蓋しこれを思うはこれを学ぶに若かず、幾多の書を読み幾多の事物に接し、虚心平気活眼を開き、もって事実の在るところを求めなば、
信疑忽ち処を異にして、昨日の所信は今日の疑団となり、今日の所疑は明日氷解することもあらん。

学者勉めざるべからざるなり。 

福沢 諭吉 (著)
学問のすすめ
岩波書店; 改版版 (1978/01)
 学問のすゝめ 十五編

学問のすゝめ (岩波文庫)

学問のすゝめ (岩波文庫)

  • 作者: 福沢 諭吉
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1978/01/01
  • メディア: 文庫


疑うことで発想が自由になる。

多くの企業や人が、長年の慣習や常識に流されて、「慣れたやり方=正しいやり方」と錯覚し、見えることが見えない。
「いまやっているやり方が一番よく、効率がいい」と思い込み、できることをやらない。

若松 義人 (著)
貧乏トヨタの改善実行術 カネがないなら知恵を出せ
大和書房 (2007/03)
P100

 

 

貧乏トヨタの改善実行術 カネがないなら知恵を出せ (だいわ文庫)

貧乏トヨタの改善実行術 カネがないなら知恵を出せ (だいわ文庫)

  • 作者: 若松 義人
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 文庫


 

まず、現在の君の考え方をひとつひとつ点検し、本当に自分でそう考えたのか、人から教えられた通りに考えているのではないか、偏見や思い込みはないか、と考えることから始めてほしい。
 偏見がなくなったら、自分の頭を使って、いろいろな人の意見を聞き、正しいか正しくないか、どかが正しくないかを考え、すべてを総合して、自分の考えを持ってほしい。

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章
フィリップ・チェスターフィールド (著), 竹内 均 (翻訳)
三笠書房 (2011/3/22)
P118

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章 (知的生きかた文庫)

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章 (知的生きかた文庫)

  • 作者: フィリップ・チェスターフィールド
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2011/03/22
  • メディア: 文庫
三重県 内宮

体系的な知と実戦的な知のミックス

 ゲスト講師がしてくれる話はたいへんに刺激的でかつ実践的だが、少なくとも従来の意味で「学術的」とはとても言えない。
~中略~
 しかし、学生たちは文献などに基づいた私ひとりの一応、学術的な授業より、自分の成功談、失敗談が中心となった社会人の話のほうが、「ずっと勉強になる」と思っているのだ。
~中略~
 むしろ、「勉強」とか「学術」の意味が変わってきて、いまの学生たちにとっては、わかりにくい論証とか数字の羅列ではなくて、「私はこうやってきました」という経験にしっかり基づいた話こそが「新しい勉強」にほかならないのかもしれない。
~中略~

 私より年齢が上の教員は、いまだに「一章 概念、二章 歴史 3章 方法論」などと昔ながらの体系的な教え方をしているようであるし、
三〇代の教員などは完全に「一時間一テーマ」でワークショップをやらせる、などと実戦的な授業を行っている。
 ただ、自分を正当化するつもりではにが、私としてはこの「体系的な知と実戦的な知のミックス」というのが、「勉強や学問」のあるべき姿なのではないかと思うのだ。

若者のホンネ 平成生まれは何を考えているのか
香山リカ (著)
朝日新聞出版 (2012/12/13)
P147

若者のホンネ 平成生まれは何を考えているのか (朝日新書)

若者のホンネ 平成生まれは何を考えているのか (朝日新書)

  • 作者: 香山 リカ
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2013/02/27
  • メディア: Kindle版

 

三重県 内宮

共助

  日本の高齢者福祉は、以下の三点セットで成り立っていることを前章で論じました。年金、医療、介護です、それに居住が加わって4点セットになります。それぞれに年金保険、健康保険、介護保険という制度が対応しています。いずれも保険という共済制度です。
これがほんらいの意味の「共助」です。お互いに自分のフトコロからおカネを出し合って、困ったときに困ったひとに配分するという社会連帯の原理です。
病気知らずのひとは健康保険を払いつづけていても一生使わないこともあるでしょうし、介護保険も保険料が年金から天引きされているのに、ぽっくり逝ったらお世話にならずにすむでしょう。その反対に病気がちで払った以上の医療費の給付を受けているひともいるでしょうし、介護保険をめいっぱい使っているひともいるでしょう。トラブルのないひとにとっては、共済制度というものは不公平なものです。ですが、困ったときの助け合い、これが「共助」の原理です。
 アメリカはそうではありません。アメリカは主として「自助」に期待する社会です。だからオバマ大統領が登場するまで、国民健康保険というものが存在しませんでした。

おひとりさまの最期
上野千鶴子 (著)
朝日新聞出版 (2015/11/6)
P63

おひとりさまの最期 (朝日文庫)

おひとりさまの最期 (朝日文庫)

  • 作者: 上野 千鶴子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2019/11/07
  • メディア: 文庫

乗鞍岳

学問は米を搗きながらも出来るものなり。

  生計難しと雖ども、よく一家の世帯を計れば、早く一時に銭を取りこれを費やして小安を買わんより、力を労して倹約を守り大成の時を待つに若かず。
学問に入らば大いに学問すべし。農たらば大農となれ、商たらば大商となれ。
学者小安に安んずるなかれ。
粗衣粗食、寒暑を憚らず、米も搗くべし、薪も割るべし。
学問は米を搗きながらも出来るものなり。
人間の食物は西洋料理に限らず、麦飯を喰い味噌汁を啜り、もって文明の事を学ぶべきなり。

福沢 諭吉 (著)
学問のすすめ
岩波書店; 改版版 (1978/01)
P112

学問のすゝめ (岩波文庫)

学問のすゝめ (岩波文庫)

  • 作者: 福沢 諭吉
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1978/01/17
  • メディア: 文庫

 

日本人は学問といえば、学校で先生が切り口上か何かで講和するのを、固い冷たい椅子の上で聞くものとばかり思い、その他の場合に聞いたことは有益なことでも、活きた実際問題でも、ただ聞き流して、ただ聞き流して、学問とは思わぬらしい。
しかし、慈母の温和な談話も、厳父が冗談交じりに語ることにも、有益な学問となることがたくさんある。

修養
新渡戸 稲造 (著)
たちばな出版 (2002/07)
P278

修養 (タチバナ教養文庫)

修養 (タチバナ教養文庫)

  • 作者: 新渡戸 稲造
  • 出版社/メーカー: たちばな出版
  • 発売日: 2002/07/01
  • メディア: 新書
奈良県 飛鳥大仏

聖人の声にも覚めず

P148
 いかんせん聖(ひじり)の高く呼(よび)さます
                 声にも覚(さ)めぬ世の中のゆめ
(翻歌)
P149
今から二千五百年前に生まれた孔子は、当時の人たちに、人間すべからく「君子」たるべきことを説かれた。
そして、私意の病気におかされているのが小人であり、君子は明徳を明らかにしているゆえに、万欲の根を切り払い、つねにこころ平かで広々としている。
孔子などの聖人は、小人の凡夫のために経書をあらわしたが、一向まなぼうとはしない。

中江藤樹 人生百訓
中江 彰 (著)
致知出版社 (2007/6/1)

中江藤樹人生百訓

中江藤樹人生百訓

  • 作者: 中江 彰
  • 出版社/メーカー: 致知出版社
  • 発売日: 2007/06/01
  • メディア: 単行本

京都府 法然院

哲学者はいなくなった

 ソロー(住人注;ヘンリー・ディヴィッド・ソロー)は、哲学者を、哲学教授から区別して、つぎのようにいった。

 近頃は哲学教授はざらにいるが、哲学者はいなくなった。
たにんの哲学を教えることも称賛すべきことだ。かつてその人々がその哲学を生きたことをあかしするのは称賛に価するからだ。
哲学者であるということは、単に玄妙な思想を持つということではない。
学派を創立するということでさえもないのだ。それは、知恵を愛し、知恵を命ずるところによって生きることである。
それは、簡素と、独立と、寛容と、信頼の生活を送ることである。
それは、理論的にだけでなく、実践的に、いくばくかの生活の問題を解くことである。

南方熊楠 地球志向の比較学
鶴見 和子 (著)
講談社 (1981/1/7)
P233

南方熊楠 地球志向の比較学 (講談社学術文庫 528)

南方熊楠 地球志向の比較学 (講談社学術文庫 528)

  • 作者: 鶴見 和子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1981/01/07
  • メディア: 文庫

 

京都府 銀閣寺

「ごまかす気持ち」は感染する

P231
 以上の結果を考え合わせると、ごまかしがごくあたりまえに行われること、そしてごまかしには感染性があり、周りの人の問題行動を目撃することで量が増える場合がることがわかる。
具体的言うと、わたしたちをとり巻く社会的な力は、二つの方法で作用するように思われる。ごまかしをする人が自分と同じ社会集団に属しているとき、わたしたちはその人を自分と重ね合わせ、ごまかしが社会的により受け入れられやすくなったと感じる。
だがごまかしをする人がよそ者だと、自分の不品行を正当化しにくくなり、その不道徳な人物や、その人が属するほかの(ずっと道徳性の低い)外集団から距離を置きたいという願望から、かえって倫理性を高めるのだ。
 より一般的には、わたしたちが自分の行動(ごまかしをふくむ)の許容範囲をきめるうえで、他人の存在がとても重要だということを、これらの結果は示している。
わたしたちは自分と同じ社会集団のだれかが、許容範囲を逸脱した行動をとるのを見ると、それに合わせて自分の道徳的指針を微調整し、彼らの行動を規範としてとり入れるのだろう。その内集団のだれかが、権威のある人物―親や上司、教師、その他尊敬する人―であれば、引きずられる可能性はさらに高くなる。

P275
だれもがごまかしをする能力をもっている。またごまかしをする自分がなぜ不正直でも不道徳でもないのか、その理由を説明する物語を自分に語るのがとてもうまい。
さらに始末の悪いことに、わたしたちは他人のごまかし菌に「感染」しやすく、またいったん不正なことをし始めると、同じ方法で不品行を続ける可能性が高い。

ずる―嘘とごまかしの行動経済学
ダン アリエリー (著), Dan Ariely (著), 櫻井 祐子 (翻訳)
早川書房 (2012/12/7)

ずる 嘘とごまかしの行動経済学

ずる 嘘とごまかしの行動経済学

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2013/01/25
  • メディア: Kindle版

 

村の鍛冶屋

私の知識では鍛冶屋というのは大正時代ぐらいまでどの村にもあって、村人のために鎌や包丁などを打っていた。江戸時代は刀鍛冶に対して野鍛冶と言い、ともかくも職業としての伝統は医師と同様に古いのである。
ところがそれらの生産と販売は次第にメーカーの仕事になり、戦後は井関農機といったような大メーカーが農村をつつみこんでしまって、一郷一村にかならず存在した鍛冶屋というものが滅びてしまった。

街道をゆく (3)
司馬 遼太郎(著)
朝日新聞社 (1978/11)
P123

街道をゆく〈3〉陸奥のみちほか (1978年)

街道をゆく〈3〉陸奥のみちほか (1978年)

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2021/03/01
  • メディア: -

 

 刀鍛冶や野鍛冶は、鋼(はがね)のもとになる玉鋼を買って来なければならない。玉鋼は、砂鉄を採掘してそれを熔かしてつくる。そういう製鉄業者(たたらもの)が吉井川の上流(たとえば作州の加茂盆地付近)に居て、供給する。
刀鍛冶・野鍛冶は、上古は製鉄現場の山のそばに寄り添うようにして住んでいたろうが、鎌倉期あたりから商品経済や運輸業がさかんになるにつれ、玉鋼の流通はかれらにまかせ、鍛冶たちは製品の販売の容易な下流あたり(山陽道ぞい)の平野に住むようになったのであろうか。

街道をゆく (7)
司馬 遼太郎(著)
朝日新聞社 (1979/01)
P279

街道をゆく〈7〉大和・壷坂みちほか (1979年)

街道をゆく〈7〉大和・壷坂みちほか (1979年)

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2021/03/01
  • メディア: -

 

奈良県 橘寺

「エコ」じゃなく「エシカル」かどうか

 地デジのせいで、列島の何台のテレビが捨てられただろうか。
 政府は「地球温暖化防止」という旗を振りつつ、こんな地球に優しくない愚策も同時に進めている。首をかしげる。  自動車業界も、「エコ替え」などと言って、買い替えブームを演出しようと懸命である。  しかし、ハイブリッド車を「これで二酸化炭素削減!」と宣伝するのはやりすぎだ。
~中略~
 これからは「エコ」じゃなく「エシカル(論理的)」かどうかで企業を選ぶことをお勧めする。
かわいこちゃんが出てきていいことばかり言うコマーシャルだけ見てても、それはわからない。企業のウェブサイトや商品サイトを、目を皿のようにしてチェックして、都合の悪い情報も公開しているか見るべきだ。

気になる科学 (調べて、悩んで、考える)
元村有希子 (著)
毎日新聞社 (2012/12/21)
P82

気になる科学 (調べて、悩んで、考える)

気になる科学 (調べて、悩んで、考える)

  • 作者: 元村有希子
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2012/12/20
  • メディア: 単行本

 

京都府 大原