ゲスト講師がしてくれる話はたいへんに刺激的でかつ実践的だが、少なくとも従来の意味で「学術的」とはとても言えない。
~中略~
しかし、学生たちは文献などに基づいた私ひとりの一応、学術的な授業より、自分の成功談、失敗談が中心となった社会人の話のほうが、「ずっと勉強になる」と思っているのだ。
~中略~
むしろ、「勉強」とか「学術」の意味が変わってきて、いまの学生たちにとっては、わかりにくい論証とか数字の羅列ではなくて、「私はこうやってきました」という経験にしっかり基づいた話こそが「新しい勉強」にほかならないのかもしれない。
~中略~
私より年齢が上の教員は、いまだに「一章 概念、二章 歴史 3章 方法論」などと昔ながらの体系的な教え方をしているようであるし、
三〇代の教員などは完全に「一時間一テーマ」でワークショップをやらせる、などと実戦的な授業を行っている。
ただ、自分を正当化するつもりではにが、私としてはこの「体系的な知と実戦的な知のミックス」というのが、「勉強や学問」のあるべき姿なのではないかと思うのだ。
若者のホンネ 平成生まれは何を考えているのか
香山リカ (著)
朝日新聞出版 (2012/12/13)
P147

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