記事:共同通信社
提供:共同通信社
【2008年10月10日】
東京女子医大で2001年、心臓手術を受けた群馬県の少女=当時(12)=の死亡事故をめぐり、業務上過失致死罪で1審無罪となった元担当医が、判決を報じたフジテレビの4番組で名誉を傷つけられたとして1500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は9日、同社に100万円の賠償を命じた1審判決を支持、フジテレビの控訴を棄却した。
渡辺等(わたなべ・ひとし)裁判長は1審同様に、4番組のうち1番組での名誉棄損を認定。「テロップで『未熟な医師』と表示し、専門家として力量が不十分だったため事故を予見できなかった、との印象を視聴者に与えたことは否定しがたい。無罪判決の判断とは重要な点で異なり、元担当医の人格的価値を損なった」と判断した。
元担当医は05年11月30日、東京地裁で無罪判決を受けた。検察側は判決を不服として控訴している。
判決によると、フジテレビは同日夕のニュース番組で、判決内容を報道した際、医師が未熟だったとする趣旨の弁護士のコメントを、テロップ付きで紹介した。