2010年1月6日 提供:共同通信社
異常な免疫反応に伴う炎症を抑えるリンパ球の働きを、徳島大の林良夫(はやし・よしお)教授のチームがマウス実験で解明し、米科学誌プロスワンに5日発表した。このリンパ球は「制御性T細胞」と呼ばれ、リンパ節から各臓器に広がって炎症を抑える"パトロール活動"をしていた。
この働きにはCCR7というタンパク質が必要なことも発見。林教授は「この仕組みを制御できれば、免疫機構が誤って自分自身の体を攻撃する自己免疫疾患の治療に役立つかもしれない」と話している。
チームは、CCR7をつくれないように遺伝子操作したマウスで実験。通常のマウスは制御性T細胞が血流に乗って体内に広がっていくが、遺伝子操作マウスはほとんどがリンパ節にとどまったままになり、目の炎症などの自己免疫疾患が起きるのを確かめた。