また、思春期になると、性欲を中心としたC(住人注;幼児的な自我状態)の本能的な部分が急速に発達してくる。しかし、A(住人注;大人の自我状態)の発達はこれに伴わず、現実を吟味する力はまだ弱い。さらにこの時期になると、社会生活の拡大とあいまって、観念的なレベルでのP(住人注;親的な自我状態)もにわかに発達し、大人の世界の歪や矛盾が見えてくる。
青くさい理想主義の発展である。青年たちが声を大にして、人間のあるべき姿を世に訴えたり、宗教やイデオロギーの追求に熱中したりするのも、このためである。
このように、未だ現実に即した思考や判断の力をもたぬ未熟なAの状態で、いわば地獄ともいうべき本能的なCと、天上的ともいえる高遠な理想主義のPとの間で振り回される時期こそ、思春期なのである。
思春期では、このように P、A、Cの間に大きなアンバランスがあることが、むしろ自然な姿なのである。
セルフコントロール―交流分析の実際
池見 酉次郎 (著), 杉田 峰康
(著)
創元社; 新版 (1998/11)
P49

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