2010年11月29日月曜日

「患者が治療中断」5割 経済的理由背景に 埼玉県保険医協医師アンケート

2010年11月26日 提供:毎日新聞社
県保険医協医師アンケ:「患者が治療中断」5割 経済的理由背景に /埼玉

 ◇未収金も7千万円超
 県保険医協会(青山邦夫理事長)が会員を対象にしたアンケートで、回答した医師の半数がここ半年の間、患者の経済的な理由で診療や治療を中断せざるを得なかったケースがある、と答えていたことが分かった。また未収金があると回答した医師が半年に支払われていない診療費は計7069万4485円に上る。同会は「経済的な格差により医療機関にかかれない患者が相当数いる。国に患者の窓口負担軽減を求めたい」と話している。【西田真季子】

 アンケートは8~10月に、同会が会員の開業医ら3481人を対象に実施した。病床20床以上の「病院」、19床以下の「医科診療所」、歯科診療所の医師758人から回答があった。
 このうち、48%にあたる365人から「(治療を)中断された経験がある」との答えがあった。理由としては「会社をクビになり保険証がなくなってしまうので、検査を待ってほしいと必要な検査を拒否された」「糖尿病は症状が出にくいので治療しなくていいと言われ治療できなかった」など。苦しい経済状況のため患者が医療費を切りつめる実態が分かった。

 治療中断した病名で最も多かったのは糖尿病や高血圧など慢性的疾患で、同会の山崎利彦理事は「初めは軽くても、症状が出た時には治療が大変になる病気」と懸念する。高血圧治療を中断したため脳出血となり、半身マヒの後遺症が残った患者もいたという。
 また、こうした患者の経済状況の悪化で医療機関への未払い金の影響も大きい。
 回答した医師のうち、この半年に患者に支払われていない負担金があるとの回答が36%に上った。中でも「病院」での未収が935件計5257万5630円と高額となっている。

0 件のコメント: