2010年11月29日月曜日

自覚症状ないまま進行 歯周病

2010年11月22日 提供:毎日新聞社
あなたの処方せん:/34 歯周病/1 自覚症状ないまま進行

 国民の半数以上がかかっているとも言われる歯周病。自覚症状がないまま進行し、最終的に歯が抜けてしまう病気だ。だが日々の手入れで進行を遅らせることは可能。できるだけ長く歯を保つための知恵を紹介する。

 歯周病の原因となるのは、歯周病菌と呼ばれる細菌だが、誰もが口の中に持っており、それだけでは病気にはならない。だが、口の中に食べかすなどが残っていると、そこに細菌が集まって塊となり、「プラーク(歯垢(しこう))」になる。プラークは、きちんと歯磨きをすれば取り除くことができるが、歯と歯茎の間など、磨き残しの部分があると、徐々に蓄積されていく。
 プラークは黄色がかった白色で、歯の色と区別がつきにくい。だが指で触るとぬるっとしている。大阪大医学部付属病院の歯科衛生士、森川友貴さん(30)は「食べ残しと思う人も多いが、8割方は細菌に置き換わっている。食べ物がだんだん腐って生ゴミになるようなもので、口臭のもとにもなる」。

 プラークがたまると歯茎が炎症反応を起こして腫れるため、歯と歯茎のすき間に「歯周ポケット」が形成されていく。これが歯周病への第一歩だ。歯茎の内部で細菌から体を守ろうと白血球が集まってくる。歯磨きの時に歯茎から血が出やすくなるのはこのためだ。
 この状態が長く続くと、プラークがさらにたまってカルシウムやリンなどを蓄えて歯石になり、炎症反応によって歯を支えている歯根膜や歯槽骨などの歯周組織が破壊され始める。さらに進むと、歯周組織の破壊とともに歯周ポケットはさらに深くなり、歯を支えることができなくなる。こうなると末期症状で、最終的に歯が奪われてしまう。(野田武、林田七恵が担当します)=つづく

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