2025年12月5日金曜日

やっぱり顔よ


説経の講師は顔よき
         枕草子 第三十段

 何も説明はいらないほどである。説経の講師は顔のいいのがいい、というのだから。
「説経」とは、経文の講説である。こればかりは千年前も今も変わらない真理だというのであろうか。仕方ないと思いつつ次に進むと、こうなる。「講師の顔をつとまもらへたるこそ、その説くことの尊きもおぼゆれ」。
すてきな講師の顔をじっと見つめてこそ、教えも尊く思われます。
そこまで言われると・・・・・と何だか気持ちが挫けるようなことばであるが、この一節を詠む多くの女性は、「やっぱりそうよねぇ」と満腔の賛意を表するにちがいない。
高田 祐彦


からだ (人生をひもとく 日本の古典 第一巻)
久保田 淳 (著),佐伯 真一 (著), 鈴木 健一 (著),高田 祐彦 (著),鉄野 昌弘 (著),山中 玲子 (著)
岩波書店 (2013/6/19)
P2

からだ (人生をひもとく 日本の古典 第一巻)

からだ (人生をひもとく 日本の古典 第一巻)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2013/06/19
  • メディア: 単行本

 

徳島県 18番恩山寺

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