2026年3月3日火曜日

意識の中にないものは存在しない

養老 ごくごくやさしく言うと、昔は英米人には肩こりはないって思われていた。
「肩こり」っていう言葉がないから、肩はこらない。だけど、概念を導入した途端に彼らも肩こるわけですよ。で、マッサージが流行ったりして(笑)。

それはもうしょうがない。つまり、意識の中にないものは存在しないって思い込んでいるんです。
でも、人間そういうもんだっていう理解があるかないかで、僕は社会が随分違ってくると思うんですね。

玄侑 今は彼らも「スティッフ・ショルダー(stiff shoulder)って言いますもんね。そうか、あれは実は新しい言葉なんですね。知らなきゃよかったのにっていう言葉って、そういう意味じゃたくさんありますよね。

養老 孟司 (著) 玄侑 宗久 (著)
脳と魂
筑摩書房 (2007/05)
P143

脳と魂

脳と魂

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/01/01
  • メディア: 単行本

P72
眠りについていようと目覚めていようと、走っていようと歩いていようと、走っていようと、望遠鏡や顕微鏡、あるいは自分の目で見ていようとも、人は自分自身以外、何も見いださず、何も超えることもなく、何も残すことはできない。
―「ハリソン・ブレイクへの手紙」一八六〇年五月二〇日

P75
僕らは「ある」ように見えるものを、本当に「ある」と思い込んでいる
―「森の生活」


ソロー語録

ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(著), 岩政 伸治 (翻訳)
文遊社 (2009/10)

ソロー語録

ソロー語録

  • 出版社/メーカー: 文遊社
  • 発売日: 2009/10/01
  • メディア: 単行本

P96
 意識は脳の部分的なはたらきに過ぎない。少なくとも人生の三分の一は意識がないからである。私が教えていた学生には、授業時間中に一時間半にわたって、まったく意識ない場合もあった。
しかし面白いことに、覚醒しているヒトの脳と、寝ているヒトの脳とでは、消費するエネルギーがほとんど違わない。呼吸や循環もそうだが、脳は死ぬまでひたすら休みなくはたらいている。
意識がある時だけはたらき、その時にだけ特別にエネルギーを使う、というわけではない。
 じゃあ、寝ている間、脳はなにをしているのか。

P98
意識は間違いなく脳から発生する。それなら脳で秩序活動が起こっている分、無秩序が脳内に発生するはずである。それなら脳はその無秩序を片付けなければならない。乱暴にいえば、だから寝るのだ、ということになる。 寝ている間は意識という秩序活動がない。その間に脳はエネルギーを消費して無秩序を解消する。そのエネルギーは、秩序活動を生み出すのに使われたエネルギーとほぼ同じになるはずなのである。

遺言。
養老 孟司 (著)
新潮社 (2017/11/16)

 

遺言。(新潮新書) 「壁」シリーズ

遺言。(新潮新書) 「壁」シリーズ

  • 作者: 養老孟司
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/11/24
  • メディア: Kindle版

戸上神社 北九州市門司区

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