2025年12月9日火曜日

満心をとりのぞけ

それ人心(じんしん)の病(やまい)は満(まん)より大なるはなし。
人の浮気躁念(ふきそうねん)、千状万態(ぜんじょうばんたい)、狂(くる)えるが如く酔えるが如く、病(や)めるが如き、悉(ことごと)くこれ満心祟(たた)りを為(な)せり。
是(ここ)を以て心術(しんじゅつ)の要(よう)、満(まん)を除き致(いた)すより先(さき)なるはなし。 (佃子を送る)
~中略~
ふつう、「マンシン」といえば、国語辞典には「慢心」という漢字があてられているが、藤樹は「慢心」を使わずにあえて「満心」をもちいた。
これには理由がある。
五経のひとつ「書経」大禹謨(だいうぼ)の、「満は損を招き、謙は益を受く。これすなわち天の道なり」に依拠している。

中江藤樹 人生百訓
中江 彰 (著)
致知出版社 (2007/6/1)
P222

 

中江藤樹人生百訓

中江藤樹人生百訓

  • 作者: 中江 彰
  • 出版社/メーカー: 致知出版社
  • 発売日: 2007/06/01
  • メディア: 単行本

42番佛木寺 愛媛県

善い御縁を結んでおけ

 平生から、およそ善い物・善い人・真理・善い教え・善い書物、何でも善いもの・勝れているもの・尊いものには、できるだけ縁を結んでおくことです。これを「勝因」といい、「善縁」といいます。

安岡正篤
   運命を開く―人間学講話
  プレジデント社 (1986/11)
   P207

人間学講話第2集 運命を開く (安岡正篤人間学講話)

人間学講話第2集 運命を開く (安岡正篤人間学講話)

  • 作者: 安岡 正篤
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 1986/12/02
  • メディア: 単行本

 

愛媛県 41番龍光寺

器を大きくしろ

 われわれがカウンセリングをするということは、自分の個性というものが問われているということです。自分がどれだけその場で腰を落ちつけて生きているか。
それができてくると、よほど変わった人の生き方でも、その人の個性に根づいているかぎり、「どうぞ、そんなふうにやってください」と言えるんじゃないかと思います。
~中略~
「自分は、いったいどのくらいの個性で、どのくらい生きているのかしら」ということがいつも自分に返ってくる。
また、だからこそ僕はこれをやっているといえるところがあります。「まあ、僕もだいぶカウンセリングができるようになったな」と思うと、また必ずものすごいクライエントの人がやって来まして、こちらが鍛えられると言いますか、そういう感じがします。 「まだまだ、だめだなあ」ということを思い知らされるような人が、必ず現れてきます。

河合隼雄のカウンセリング講座
河合 隼雄 (著)
創元社 (2000/06)
P55

河合隼雄のカウンセリング講座

河合隼雄のカウンセリング講座

  • 作者: 河合隼雄
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2015/03/26
  • メディア: Kindle版

 

愛媛県 40番観自在寺

敵の情を知らざる者は、不仁の至りなり

 孫子曰く、凡そ師を興すこと十万、師を出だすこと千里なれば、百姓の費、公事の奉、日に千金を費し、内外騒動して事を操(と)るを得ざる者、七十万家。
相守ること数年にして、以て一日の勝を争う。
而るに爵禄・百金を愛(お)しんで敵の情を知らざる者は、不仁の至りなり。人の将に非ざるなり。主の佐に非ざるなり。勝の主に非ざるなり。
 故に明主賢将の動きて人に勝ち、成功の衆に出ずる所以(ゆえん)の者は、先知なり。
先知なる者は鬼神に取るべからず、事に象(かたど)るべからず、度に験すべからず。必ず人に取りて敵の情を知る者なり。

新訂 孫子
金谷 治 (翻訳)
岩波書店; 新訂版 (2000/4/14)
P175

新訂 孫子 (岩波文庫)

新訂 孫子 (岩波文庫)

  • 作者: 金谷 治
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2014/12/18
  • メディア: Kindle版

 

39番延光寺 高知県

心は、賢い上にも賢いように

  [第一段]
前略~
人間は何といっても、容貌・風采のすぐれて結構なことが、願わしいに違いない。
しゃべり具合なども、聞きにくくなく、愛嬌があって、口数が多くないといったような人とは、何時までも対(むか)い合っていたいと思う。
立派だと思っていた人が、意外にも、がっかりするような地金を表したとしたら、それこそ残念でしかたがなかろう。
身分・家柄や容貌などこそ、生まれつきであろうが、心は、賢い上にも賢いように、移そうと思えば、必ず移せるものだ。
容貌やきだてのよい人も、学問が無いということになると、氏素性が劣った、 顔のげびた 連中と同列になって、もろくも、けおされてしまうのは、何とも遺憾なことだ。
~後略

徒然草―現代語訳
吉田 兼好 (著), 川瀬 一馬
講談社 (1971/12)
P190

徒然草: 現代語訳 (講談社文庫 古 3-1)

徒然草: 現代語訳 (講談社文庫 古 3-1)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1971/12/01
  • メディア: 文庫

 

すべての階級を通じて、一段と気高い人はだれか。
どんな長所を持っていても、常に心の平衡を失わぬ人。
(「四季」秋の部から)

ゲーテ格言集
ゲーテ (著), 高橋 健二 (翻訳)
新潮社; 改版 (1952/6/27)
P30

 

ゲーテ格言集(新潮文庫)

ゲーテ格言集(新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/04/22
  • メディア: Kindle版
38番金剛福寺 高知県

信用は信念から生まれる

P40
  信用は信念から生まれる。信用は暖簾や概観の設備だけで、収め得られるものではなく、確乎たる信念から生ずるものである。
「渋沢栄一訓言集」座右銘と家訓

P174
信用は実に資本であって
商売繁盛の根底である。
「渋沢栄一訓言集」実業と経済

渋澤 健 (著)
巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」
講談社 (2007/4/19)

巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」 (講談社BIZ)

巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」 (講談社BIZ)

  • 作者: 渋澤 健
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/04/19
  • メディア: 単行本

 

37番岩本時 高知県

2025年12月8日月曜日

凡事徹底

何事も実感しなければ自分のものにならない。
それもとことんやってこそ・・・・
途中でさじを投げるのは、何もしなかったことと同じである。

橋本 保雄 (著)
感動を与えるサービスの神髄―ホテルオークラを築いた人間(おとこ)の経営学
大和出版 (1999/09)
P81

感動を与えるサービスの神髄―ホテルオークラを築いた人間(おとこ)の経営学

感動を与えるサービスの神髄―ホテルオークラを築いた人間(おとこ)の経営学

  • 作者: 橋本 保雄
  • 出版社/メーカー: 大和出版
  • 発売日: 1999/09
  • メディア: 単行本

 


真に大志有る者は、克( よ )く小物を勤め、


真に遠慮有る者は、細事を忽( ゆるがせ )せにせず。

                       「言志録」第二七条


                       佐藤 一斎 著

                       岬龍 一郎 編訳

                       現代語抄訳 言志四録

                       PHP研究所(2005/5/26)

                       P25


[現代語抄訳]言志四録

[現代語抄訳]言志四録

  • 作者: 佐藤 一斎
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2005/05/26
  • メディア: 単行本



 

詰まらんことなどは何様(どう)でもよいと、詰まらぬ事も出来ないくせに威張って居るのは凡愚の常で、詰まらぬ事まで能く出来て、而して謙遜して居らるるのは聖賢の態である。
~中略~
全気全念を以て事に従うのは、儒教においては「」 というのが即ちそれで、全気全念を保たんとするのが道家の「錬炁(れんき)」 の第一着なのである。
であるから、訳も造作もない日常の瑣事がチャンと出来るまでには少し修行がいるというのである。
しかし一度手に入れば忘れようとしても忘れられぬことは、丁度一度水に浮ぶ事を覚えると、水にさえ入ればおのずから浮くようなもので、掃除なら掃除に一度徹底してしまうところまで行けば、もう煩わしい事もなくおのずから善く出来るのであるから、案外面倒な事ではないのである。
静光動光(明治四十一年三月)

努力論
幸田 露伴 (著)
岩波書店; 改版 (2001/7/16)
P188

努力論 (岩波文庫)

努力論 (岩波文庫)

  • 作者: 幸田 露伴
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/07/16
  • メディア: 文庫




36番青龍寺 高知県