2026年5月24日日曜日

学生に伝えるべきこと

  いかにも教科書的に御託をならべていくことはできる。しかし、おそらく学生の注意と緊張は数分ほどで途切れてしまうことになる。それらは事実の羅列であり、何といっても、読めば教科書にかいてあるのだから。
 学生に伝えるべきこと、わざわざ教室でじかに語りかけるべきことは、むしろ別のことである。
それは、私自身が、知ってうれしかったこと、学んで面白かったことに他ならない。

福岡 伸一 (著)
ルリボシカミキリの青
文藝春秋 (2010/4/23)
P83

ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで (文春文庫)

ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで (文春文庫)

  • 作者: 福岡 伸一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/09/04
  • メディア: 文庫


学問とは「感動」である。
「発見」による「感動」。この「感動」がわれわれの「好奇心」を刺激する。
人間はこの「好奇心」を抑えきれずにさらに「学問」にのめりこむ。
大田 光

NHK「爆笑問題のニッポンの教養」制作班 (著), 主婦と生活社ライフ・プラス編集部 (編集)
名門大学の「教養」 東京大学・慶應義塾大学・京都大学・早稲田大学・東京藝術大学 (NHK爆問学問)
主婦と生活社 (2011/1/7)
P6

名門大学の「教養」 東京大学・慶應義塾大学・京都大学・早稲田大学・東京藝術大学 (NHK爆問学問)

名門大学の「教養」 東京大学・慶應義塾大学・京都大学・早稲田大学・東京藝術大学 (NHK爆問学問)

  • 出版社/メーカー: 主婦と生活社
  • 発売日: 2020/02/04
  • メディア: 単行本

 教師の人間としての感化力は、教育制度なくしてもその力を示すことができるが、教育制度は、教育の感化力なくしてはその機能を果たしえない。
感化力あるところに生命(いのち life)あり、感化力なきところに生命(life)なし。

平静の心―オスラー博士講演集
ウィリアム・オスラー (著), William Osler (著), 日野原 重明 (翻訳), 仁木 久恵 (翻訳)
医学書院; 新訂増補版 (2003/9/1)
P41

 

平静の心―オスラー博士講演集

平静の心―オスラー博士講演集

  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2020/02/04
  • メディア: 単行本


【佐藤一斎】(一七七二~一八五九)―教化―

 学を為すには、人の之れを強うるを俟(ま)たず。必ずや心に感興する所有って之を為す。

~中略~
 だが、人をやる気にさせるのは難しい。どうすればよいか。〈我れ自ら感じて、而(しか)る後に人之に感ず〉。
自分が感動してはじめて他人を感動させることができる。何よりもまず教える側の先生のほうが学問に感動していなければならない。
親や先生が面白くないものを、子供が面白がるはずはないということだろう。

日本人の叡智
磯田 道史 (著)
新潮社 (2011/04)
P84

 

日本人の叡智 (新潮新書)

日本人の叡智 (新潮新書)

  • 作者: 道史, 磯田
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/02/04
  • メディア: 単行本





島根県 荒神谷遺跡

平静の心を養え

第一は、今日の仕事を精一杯やり、明日のことを思い患うな。
第二は、力の及ぶ限り、同僚や自分のケアする患者に、黄金律を実行すること、すなわち、己の欲するところを人に施せという新約聖書の言葉の実践であり、
第三は、たとえ成功しても謙虚な気持ちを持ち、慢心することなく友達の愛情を受けることができ、悲しみの日が訪れたときには人間に相応しい勇気を持って事に当たることができるような、そういう平静の心を培うことが大切である。
(William Osler,1983.[日野原・仁木訳、1983]

医師のためのパフォーマンス学入門 ―患者の信頼を得るコミュニケーションの極意―
佐藤綾子 (著), 日経メディカル (編集)
日経BP社 (2011/12/15)
P58

医師のためのパフォーマンス学入門

医師のためのパフォーマンス学入門

  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2011/12/15
  • メディア: 単行本


P3
まず第一に、内科医・外科医を問わず、医師にとって、沈着な姿勢、これに勝る資質はありえない。
~中略~
 沈着な姿勢とは、状況の如何にかかわらず冷静さと心の落ち着きを失わないことを意味する。嵐の真っただ中での平静さ、重大な危機に直面した際に下す判断の明晰さ、何事にも動じず、感情に左右されないこと、あるいは昔からよく使われる含蓄のある言い方をするならば、「粘液質(phlegm)」を持つことである。時として誤解を受けることもあるが、沈着な姿勢は世間の人々から大いに感謝されるものである。
不幸にもそのような資質を欠いた医師、すなわち優柔不断でいつもくよくよし、それを表面に出す医師、日常生ずる緊急事態に狼狽し、取り乱す医師、こういう医師はたちどころに患者の信頼を失うことであろう。
~中略~
要は、諸君の神経を完全に制御しておくことである。最悪の事態に直面しているからと言って心の動きをそのまま目に見える行動に表わしてしまう者、ごくわずかにせよ心配あるいは恐れの気持といった表情の変化を顔に出す者、そういう内科医や外科医は卵円中心の白質部分の制御ができていず、いつなんどき破局を迎えるかわからない。

P5
ところで、落ち着いて判断を下すとき、あるいは細心の注意を要する手術を行うときには、ある程度感受性の鈍いほうが都合がよいし、それは絶対に必要な資質でもある。確かに感受性の鋭さは、手の震えや心の動揺をもたらさない限り、それだけで優れた美徳であると言えよう。
だが、ごく普通の開業医生活を送っている者は、世の人のために尽くし、さほど重要とは思われないことは無視して仕事を進めてゆく。そのためには感受性の鈍いほうが資質としてはかえって望ましいと言える

P10
  たとえ行く手に悲惨さが待っていようとも、目前に破壊が差し迫っていようとも、顔に笑みを浮かべ敢然と立ち向かうほうが、身を屈(こご)めてひっそりやり過ごすよりもはるかに賢明である。多くの先人たちの例に見られるように、確実に失敗すると思われるときにも、信念や正義のためには諸君の理想を曲げずにいてほしいと思う。

P10
「あなたがたは耐え忍ぶことによって、自分の魂をかち取るであろう」と聖書には書かれている。この忍耐が、諸君に人生の試練を乗り越えさせる平静の心でないとすれば、それはいったい何なのであろうか。
諸君は水のほとりに種を蒔かねばならないが、私が諸君に望むことは、沈着さと確信、この二つの約束された祝福の穂を永遠に刈り取っていただきたいことである。

P429
 私には理想とするものが三つある。一つは、その日の仕事を精一杯やり、明日について思い煩わないことである。 この理想だけでは満足できないと今まで言われてきたが、私にはそうは思われない。この理想で十分事足りる。 臨床に進む学生が持つ理想として、これほど実行を生むものはない。
私はこの理想のお蔭でどれだけ現在の成功を摑んだことであろうか。その日の仕事に徹して、自分の能力を最大限に発揮する努力をし、明日のことは明日に任せるという能力に、私はどれだけ恩恵をこうむってきたことであろうか。
 第二の理想は、力の及ぶ限り、同僚や自分がケアする患者に、(16)黄金律(訳者注:己の欲するところを人に施せ)を実行することである。
第三の理想は、たとえ成功しても謙虚な気持ち、慢心することなく友人たちの愛情を受けることができ、悲しみの日が訪れた時には人間に相応しい勇気を持って事に当たることができるような、そういう平静の心を培うことである。

平静の心―オスラー博士講演集
ウィリアム・オスラー (著), William Osler (著), 日野原 重明 (翻訳), 仁木 久恵 (翻訳)
医学書院; 新訂増補版 (2003/9/1)

 

平静の心―オスラー博士講演集

平静の心―オスラー博士講演集

  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2003/09/01
  • メディア: 単行本
島根県 荒神谷遺跡

お互い様なんだから

年上の医師は、その近所で始めた年下の医師をライバル視せずに、息子として受け入れるべきである。かつて開業したての若い頃、皆さんが年配の開業医にしたことが起るかもしれない。
つまり、年下の医師は皆さんの患者を多数奪うことになるかもしれないが、皆さんのほうでそれは避けられない、已むを得ない、これが世間の通例なのだと悟るならば、しかも最初に起った微妙な行き違いを好意的な態度で話し合うだけの度量を持ち合わせているならば、障害はなくなり、二度と同じような事態を迎えずにすむことであろう。反面、若い医師のほうも年配の医師の気持を十分に酌み、その判断に敬意を表し、相談に乗ってもらう態度をとるべきである。~中略~
医者の風上にも置けないという悪評を受けている医師や、悪影響を及ぼす者の見本と思われている医師も、本当は善良な人間であり、つまらない嫉妬の犠牲者であって、対立派の攻撃の的にされたにすぎないかもしれない。付き合ってみると、彼は愛妻家で子煩悩であり、さらに彼に心を寄せ尊敬する人たちがいることが判明するかもしれない。
要は心の持ち方次第であり、それが協調を図るための何よりも重要な要素である。

平静の心―オスラー博士講演集
ウィリアム・オスラー (著), William Osler (著), 日野原 重明 (翻訳), 仁木 久恵 (翻訳)
医学書院; 新訂増補版 (2003/9/1)
P413

平静の心―オスラー博士講演集

平静の心―オスラー博士講演集

  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2003/09/01
  • メディア: 単行本

 

 他人から道具や機械を借りたら、借りたときよりもきれいな状態にしてから返す。鎌や鍬は砥石で磨いて返す。トラクターなどは川の水で汚れをきれいに落としてから返す。
これが暗黙の礼儀でした。
 農家の集落はまさに、運命共同体です。家計としては独立していても、同じ場所で生き、同じ川の水を共有して田畑をつくる。自然を相手に仕事をし、時に苦労を共にする同志なのです。
 だからこそ農家の人たちは、「相手の立場に立ち」「全体にとって一番大切なこと」を察知する能力を、太陽に照らされながら鍛えてきたのだと思います。
 借りた農具は借りたときよりもピカピカに磨いて返す。これは単にきれいにするという気くばりで終わっていないのです。
 農村という狭い社会。時として難しさを伴う複雑な人間関係。そのなかにあって、一人ひとりが和を尊ぶ気の働かせ方を身につけていったのだと思うのです。より能動的な、全体最適を見据えた、大きな心の構え方であるともいえましょう。
 でも、それは農村だけで育まれる感性ではありません。
 「お互いさま」という感謝と謙虚さから細やかな気くばりが生まれます。それが組織の中に温かな空気と活力を生み出します。

一流の男は「気働き」で決める
高野 登 (著)
かんき出版 (2014/4/23)
P143

一流の男は「気働き」で決める

一流の男は「気働き」で決める

  • 作者: 高野 登
  • 出版社/メーカー: かんき出版
  • 発売日: 2014/04/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
藍島 北九州市

あらゆる情報を集めよ

 研究テーマが何であれ、十分な知識を得るには自国以外の国々、フランス、イギリス、ドイツ、アメリカ、日本、ロシア、イタリアなどが提供するものを汲み上げねばならない。
学問に忠誠を尽くすものは偏見を持ってはならない。心を広く持ち、受けるに値する物すべてを得ようという断固たる決意のもとに、あらゆる情報源から利用できるものは積極的に利用すべきである。
諸君がいかなる知識の流れに乗って船を進めようとかまわないが、ただ、その河に水を注ぐ個々の小川は多くの国々から流れてきているという点に留意すべきである。 研究成果をあげるためには、他国の学者との交流を持たねばならない。~中略~
他国での研究に無知であったがために、すでに解決積みの問題や解決不可能だと判明している問題に貴重な時間を何年もかけてしまった、という事態が往々にして起る。
 そこで必要なのは、書物や雑誌からの知識だけでなく、直接人間から得られる知識である。
できうることなら、学問を志す者は他国の人々に会うことが望ましい。旅をすることによって視野が広がり、曖昧な推測ではなく確信が持てるようになるばかりか、外国の研究者と個人的な交流を持つことで、自分がやっている研究の欠陥や成果がよりはっきり判明し、自分より能力が劣っていたり機会に恵まれない同僚の仕事にもっと寛大な眼を向けることができるようになる。

 

平静の心―オスラー博士講演集
ウィリアム・オスラー (著), William Osler (著), 日野原 重明 (翻訳), 仁木 久恵 (翻訳)
医学書院; 新訂増補版 (2003/9/1)
P355

平静の心―オスラー博士講演集

平静の心―オスラー博士講演集

  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2003/09/01
  • メディア: 単行本

 

「たとえそれまでの事実と矛盾していても、新たな事実をできるだけ早く入手することが最善(ベスト)である」
パウエル自伝「マイ・アメリカン・ジャーニ」P282

パウエル―リーダーシップの法則
オーレン ハラーリ (著), Oren Harari (原著), 前田 和男 (翻訳)
ベストセラーズ (2002/05)
P113

 

パウエル―リーダーシップの法則

パウエル―リーダーシップの法則

  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2002/05/01
  • メディア: 単行本

卒後五年で人生が決まる

 教師の手を離れて自立の道を歩み始めたあと、少なくとも五年にわたる試練の歳月が卒後の医師を待ちかまえている。その歳月の過ごし方いかんで将来が決まり、その後の運勢を占うことができる。

平静の心―オスラー博士講演集
ウィリアム・オスラー (著), William Osler (著), 日野原 重明 (翻訳), 仁木 久恵 (翻訳)
医学書院; 新訂増補版 (2003/9/1)
P365

平静の心―オスラー博士講演集

平静の心―オスラー博士講演集

  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2003/09/01
  • メディア: 単行本


 

超然の術を身につけよ

 まず第一に、「超然の術」(art of detachment)を早い時期に身につけていただきたい。それは、若さにつきものの娯楽や快楽から自らを隔離する能力を意味する。
人間は生来、怠惰の権化である。他のエデン的な性質は残骸として残っているに過ぎないが、怠惰という性質だけは原始時代そのままの強烈さを保っている。快楽を求める代わりに労苦のほうを選ぶ人もたまにはいるが、大多数の者は人間の弱点を持つアダムと真剣に格闘しなければならない。そして、快楽を軽蔑し労苦多い歳月を過ごすのは容易ではないと悟る。~中略~
 諸君に向かって、勉学ばかり身を入れすぎてはいけないと警告する必要はないと思う。若い医学生で血気盛んな時代が在学中に無味乾燥なものになってしまった、という人はいまだお目にかかったことがないからである。

平静の心―オスラー博士講演集
ウィリアム・オスラー (著), William Osler (著), 日野原 重明 (翻訳), 仁木 久恵 (翻訳)
医学書院; 新訂増補版 (2003/9/1)
P51
平静の心―オスラー博士講演集

平静の心―オスラー博士講演集

  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2003/09/01
  • メディア: 単行本

情熱が世界を支配する

P147
 いつの時代にも、この世の理性は荒々しい力に弄(もてあそ)ばれてきた。これまで法の支配は一時的に効力を持つにすぎなかったし、人間が人間である限り、それは今後も同じことであろう。個人の知性ならびに国家や民族全体の知性は両方とも人類の生存競争にいったん滅びはしたが、必ずや甦える。
だが、その時には、再び剣を突きつけられることになろう。五千年前あるいは五百年前の全世界を詳細に検討してみていただきたい。至るところで情熱が思考を、信念が理性を一掃していた。情熱が世界を支配し、世界に君臨する。しかも情熱は頭や手からではなく、心から生まれる。愛、憎悪、野心、怒り、貪欲などは、いずれも知性を奴隷に従えて自らの衝動に侍らせるか、あるいは、反駁の余地のない言葉という暴力で無力な相手を打ちのめし、冷酷な手で相手を引き裂く。

P159
(82)クロフォード(Francis Marion Crawford,1854‐1909):米国の小説家。多彩なテーマで数多くの作品を書いた。引用は不詳。

平静の心―オスラー博士講演集
ウィリアム・オスラー (著), William Osler (著), 日野原 重明 (翻訳), 仁木 久恵 (翻訳)
医学書院; 新訂増補版 (2003/9/1)

平静の心―オスラー博士講演集

平静の心―オスラー博士講演集

  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2003/09/01
  • メディア: 単行本

 

病気などしている暇はない

 さらにプラトンは言葉を続けて次のように言う。アスクレピオスはその子孫に病を気にやむ人を癒すための医術を教えなかったが、それは、秩序ある国家で仕事を持つ人々は病気などしている暇がないことを知っていたからである。
大工が病気に罹ると、医者に頼んで、手荒だったが手っ取り早い治療をしてもらう。吐剤または下剤をかける、あるいは焼いたり切断をしてもらう、というのがその治療法である。万一医者が食事療法をとらせたり頭に包帯を巻くなどの治療を命ずるならば、その大工は「病気のことに注意を向けて、課さられた仕事をなおざりにしながら生きていても何の甲斐もない」という。
そしてその後は、「そのような医者には別れを告げて、いつもの生活へと立ちかえり、健康を回復して、自分の仕事を果しながら生きて行く。またもし彼の身体がそれに堪えるだけの力がなければ、死んで面倒から解放されるのだ。

平静の心―オスラー博士講演集
ウィリアム・オスラー (著), William Osler (著), 日野原 重明 (翻訳), 仁木 久恵 (翻訳)
医学書院; 新訂増補版 (2003/9/1)
P91

平静の心―オスラー博士講演集

平静の心―オスラー博士講演集

  • 作者: ウィリアム・オスラー
  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2003/09/01
  • メディア: 単行本


 

涸沢 長野県

科学と臨床

P54
われわれは、ダーウィンに匹敵する粘り強さと慎重さを持って、気まぐれな思いつきや考えに捉われず、偏見を持たずに、注意深く事実を集めねばならない。事実、例証、実権を積み重ねてゆく。
そして相互関係が把握できる傑出した人物の手によって、集められた事実は統合され、一般原理として確立される。  ところで臨床医学においては、われわれの強みであるはずの点が、かえって弱みになってしまう。
われわれが扱うのは、事故に遭い、病気に罹った人間である。

P59
病めるとき健やかなるときを問わず、われわれ人間に関することで絶対的な真理を得るのは困難であるという事実を悟らねばならない。さらに、最上の訓練を受けた能力の持ち主でも観察のミスは避けられないこと、さまざまな憶測で事を行なうような医術(アート)の場合には、判断の誤りがどうしても起こりうること、この点をはっきり心得ておくべきである。

平静の心―オスラー博士講演集
ウィリアム・オスラー (著), William Osler (著), 日野原 重明 (翻訳), 仁木 久恵 (翻訳)
医学書院; 新訂増補版 (2003/9/1)
平静の心―オスラー博士講演集

平静の心―オスラー博士講演集

  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2003/09/01
  • メディア: 単行本
奈良県 橘寺

英知を得るには時間がかかる

P6
(16)知識は容易に得られる。だが、英知を得るには時間がかかる」

P15
(16)Knowledge comes, but wisdom lingers:英国の桂冠詩人テニソン(Alfred Tennyson,1809-1892)のロックスリー・ホール("Locksley Hall,lines 141,143)。

P370
知識と叡智は一体どころか、
たいていは無関係。知識が宿るのは、
他人の考えが詰まった頭。
叡智が宿るのは、自分自身で考える心。
知識は、こんなに沢山学んだ、と言って自慢し、
叡智は、これしか知らない、といって謙遜する(54)
P390
(54) クーパー(Wiliam Cowper,1731-1800)の「冬の午後の散歩」
(The Winter Walk at Noon,"The Task,book 6,lines 89-97)。

平静の心―オスラー博士講演集
ウィリアム・オスラー (著), William Osler (著), 日野原 重明 (翻訳), 仁木 久恵 (翻訳)
医学書院; 新訂増補版 (2003/9/1)

平静の心―オスラー博士講演集

平静の心―オスラー博士講演集

  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2003/09/01
  • メディア: 単行本

 

意志力・実行力、感情の美しさ、豊かさ、これと結びついた知能でないと本当の知でなくなる。これと遊離した知なんてものは実に危ない。

知命と立命―人間学講話
安岡 正篤 (著)
プレジデント社 (1991/05))
P271

人間学講話第6集 知命と立命 (安岡正篤人間学講話)

人間学講話第6集 知命と立命 (安岡正篤人間学講話)

  • 作者: 安岡 正篤
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 1991/05/27
  • メディア: 単行本