2026年5月2日土曜日

あるべき教育の姿

P142
  彼女(住人注;リゴベルタ・メンチューさん、先住民の人権を確立するための闘いによって、ノーベル平和賞受賞)に今日あるべき教育の姿について尋ねた。
「あたらしいカタチの教育体系が必要です。祖父母、両親、兄弟姉妹、共同体から受ける教育は現在の学校教育とは非常に異なっていますが逆に非常に奥が深いものです。
  学校教育を受けるとそれがすべてだと思い込んでしまいます。周囲から受ける教育を信じなくなり、教科書に出ていることだけを信じるようになります。だけど、一つの価値観だけで教育されると、人間は画一化、機械化していくように思えます」

P168
狩猟民や放牧民の村に滞在していると、肉にありつけることが多い。そのときには必ず動物を解体しなければならない。
小さな子供たちも臆することなく、その様子を見学したり手伝ったりしている。この積み重ねによって自分たちが他の生命を食べなければいきていけないということを学習している。

 

 そして彼らは動物の骨や皮、すべてを無駄なく使い、食べられる部分はすべて食べ切り、さらに食べる時にはその生命に感謝をしている。
自分たちの食べ物がどこから来て、自分たちが生き延びるために何をどう食べているのか、食べるとはどういうことなのか、彼らは小さい時から知っているのだ。

関野 吉晴 (著)
グレートジャーニー―地球を這う〈1〉南米~アラスカ篇
筑摩書房 (2003/03)

グレートジャーニー―地球を這う〈1〉南米~アラスカ篇 (ちくま新書)

グレートジャーニー―地球を這う〈1〉南米~アラスカ篇 (ちくま新書)

  • 作者: 関野 吉晴
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2021/08/11
  • メディア: 新書

 

愚直に、地道に、徹底的に

「教育」は、知らないことを教える。
「訓練」は、知っていることを繰り返し練習させ、カラダで覚えさせることをいう。
訓練するためには、教育する人自身が率先垂範することが求められる。でないと、「口先ばかりでなにをやってるんだ」となってしまう。

改善活動を一時的に持ち込む「教育」は容易だが、風土と呼べるところまで定着させるには「訓練」によらなければならない。
あきらめたり投げ出したりせず、「愚直に、地道に、徹底的に」訓練するのは、執念の問題だ。

若松 義人 (著)
貧乏トヨタの改善実行術 カネがないなら知恵を出せ
大和書房 (2007/03)
P271

貧乏トヨタの改善実行術 カネがないなら知恵を出せ (だいわ文庫)

貧乏トヨタの改善実行術 カネがないなら知恵を出せ (だいわ文庫)

  • 作者: 若松 義人
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2021/04/26
  • メディア: 文庫

 

市場金利は利潤を反映する

  貨幣を使用して多くの儲けがあるところではどこでもその使用にたいしてふつう多くのものが与えられ、また貨幣を使用してわずかな儲けしかないところではどこでもその使用にたいしてふつうわずかなものしか与えられないということを、ひとつの原則として定めてもさしつかえないだろう。
それゆえわれわれは、どんな国においても、通常の市場利子率が変動するのをみると、資本の通常利潤ともに変動しているにちがいない、と確信してよい。
すなわち、前者が下がると後者も下がり、前者が上がると後者も上がるにちがいない、と確信してよいのである。
そういうわけで、利子の推移によって、われわれは利潤の推移についてある判断をつくりあげることが可能になるのである。


国富論 (1)
アダム・スミス (著), 大河内 一男 (翻訳)
中央公論新社 (1978/4/10)
P149

国富論 1 (中公文庫 D 20)

国富論 1 (中公文庫 D 20)

  • 作者: アダム スミス
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1978/04/10
  • メディア: 文庫


西ヨーロッパは河川交易で発展した

 水上輸送(1)によって、陸上輸送だけで提供されるよりももっと広汎な市場が、あらゆる種類の産業に解放されるから、海岸で、また航行可能な河川に沿って、あらゆる種類の産業が自然に文化し、発達しはじめる。そしてそのような発達が、その国の内陸地方へと広がってゆくのは、ずっとのちになってからのことである場合が多い。
(1)ヨーロッパ文明の特色の一つは、アルプス以北では河川が最大の交通ネットワークをなしていることである。それらは四季を通じてほぼ同じ水量をたたえ、運河と同じ機能をもっているといっていい。
それゆえ西ヨーロッパに発生した市場経済は、主としてこのような河川交易を媒介に発展し、したがってまず河川の沿岸にそって技術と産業がつくりだされ、それがのちに内陸地方へと広がってゆく。


国富論 (1)
アダム・スミス (著), 大河内 一男 (翻訳)
中央公論新社 (1978/4/10)
P32

国富論 1 (中公文庫 D 20)

国富論 1 (中公文庫 D 20)

  • 作者: アダム・スミス
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1978/04/10
  • メディア: 文庫

 

外交交渉

一七 正道を踏み国を以て斃(たお)るるの精神無くば、外国交際は全(まつた)かる可からず。
彼の強大に委縮し、円滑を主として、曲げて彼の意に順従する時は、軽蔑を招き、好親却て破れ、終に彼の制を受るに至らん。

西郷隆盛「南洲翁遺訓」―ビキナーズ日本の思想
西郷 隆盛 (著), 猪飼 隆明 (翻訳)
角川学芸出版 (2007/04)
P65

西郷隆盛「南洲翁遺訓」―ビキナーズ日本の思想 (角川ソフィア文庫)

西郷隆盛「南洲翁遺訓」―ビキナーズ日本の思想 (角川ソフィア文庫)

  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2007/04/01
  • メディア: 文庫

 

下関市

ライバルは海外の学生

 最近では、日本の学生ではなく、中国や台湾、韓国、シンガポールなどアジア圏の優秀な学生を採用する日本企業が続々と出てきている。
 パナソニックへと車名を変え、グローバル企業として躍進を図る松下電器産業は、2010年度採用の8割が外国人になったと発表した。
日本を代表する会社のひとつであるパナソニックがグローバル採用に踏み切ったこともあり、多くの企業がそれに追随した。
リクルートをはじめとする人材ビジネス企業も海外の優秀な学生を採用するセミナーを企画するなど、日本の学生はすでに海外のの学生とも職を奪い合う状況となっているのである。

僕は君たちに武器を配りたい
瀧本 哲史 (著)
講談社 (2011/9/22)
P3

僕は君たちに武器を配りたい

僕は君たちに武器を配りたい

  • 作者: 瀧本哲史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/04/19
  • メディア: Kindle版

 

京都市 清水寺

グローバル化

グローバル化による貿易の拡大によって日本人全体は豊かになっているのも事実である。
 中国から衣料品が輸入されるようになるまでは、衣料品や食品の値段はとても高かった。
牛肉が外国から輸入されるようになるまでは、牛肉の値段は非常に高かった。どの国も貿易をしなくなれば、日本も自動車や電気製品を輸出できなくなる。
貿易によってそれぞれの国が一番得意なものに集中することができるので、すべてのものを自分の国で作っていた時よりも豊かになれるのである。
 貿易の拡大によって、日本のなかで以前より貧しくなる人が出てくることは事実だろう。その結果、日本国内の格差が拡大するかもしれないが、豊かな人から貧しい人に所得を移転すれば、貿易をしなかった時よりも日本人は全員豊かになれる。

競争と公平感―市場経済の本当のメリット
大竹 文雄 (著)
中央公論新社 (2010/3/1)
P142

競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)

競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)

  • 作者: 大竹 文雄
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2010/03/01
  • メディア: 新書
京都市

中心と周縁

養老 孟司
アジアでわかるような気がするのは、日本を除けばタイ、カンボジア、ベトナム、ブータン、スリランカ、インドネシアといった地域です。文明的に見ればアジアの中心は、中国とインドであり、いまあげた国々はその周辺領域です。
そして日本も、どちらかと言えば周辺領域に属しているのではないかという気がするのです。
どうしてこんなことを言うかというと、日本がアジアのリーダーシップをとるべきかという議論がありますが、僕はそれはやめたほうがいいのではないかと思っているからです。

 行ってみればすぐにわかります。タイやインドネシアには比較的なじみやすいですが、やはり中国社会は日本人にとってかなり異質なところです。中国に行くことは簡単ですが、そこで中国社会に溶け込んで暮らしていくことは、日本人にはかなり厳しいような気がします。

森 毅 (著), 養老 孟司 (著)
寄り道して考える
PHP研究所 (1996/11)
P197

寄り道して考える

寄り道して考える

  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2020/07/30
  • メディア: 単行本


  近ごろ、中心と周縁ということがよくいわれるが、そのような問題の立て方には二つほどの考え方がみとめられるであろう。
一つは、文化や政治が「中心」の地域で衰え周辺への影響力を失うと、「周縁」の地域に新しい勢力が生まれ、創造的な活力を発揮することがあるという考え方である。
 もう一つは、「中心」の文化は知識や情報が次々と蓄積され、多層的な複合文化を形成しているが、これに対して「周縁」の地域は、過去の時代の伝承や情報を豊富に埋蔵する古層の文化を保存する地帯である、という考え方である。

山折 哲雄 (著)
神と仏
講談社 (1983/7/18)
P66

神と仏 (講談社現代新書)

神と仏 (講談社現代新書)

  • 作者: 山折 哲雄
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1983/07/18
  • メディア: 新書


 由来、日本列島は東アジア圏の辺際に連なる。その東側は茫洋たる太平洋である。
 二千年来、雪山を越え、流沙を渡り、黄塵にまみれて、層々と東漸する文化の波は、すべて日本列島という防波堤に遮られて、波瀾と曲折を繰り返しながらも、結局、この列島の風土に沈静する。謂うなれば、日本列島は、東漸する文化の吹き溜まりである。
そこに、日本文化の顕著な特徴である、様式と実年代のズレが生まれる。
また、受けとめたものを次へバトンを渡すすべもなく、自己の内部に充分に淳化発酵させて、いわば上澄としての日本文化が生まれるのである。
ぼくの古寺巡礼

土門拳 古寺を訪ねて―斑鳩から奈良へ
土門 拳
小学館 (2001/07)
P191 

土門 拳 古寺を訪ねて 斑鳩から奈良へ (小学館文庫)

土門 拳 古寺を訪ねて 斑鳩から奈良へ (小学館文庫)

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2001/07/06
  • メディア: 文庫


 沖縄には室町以前の古い日本語がカンヅメのように残されているだけでなく、日本人の古代信仰の原型が、まだいきいきと生きている。
たとえば、三輪山のように山そのものが神体であることが普通だし、神事は夫人がつかさどり、男どもはその夫人を通じてしか神に接することができない。

街道をゆく (1)
司馬 遼太郎 (著)
朝日新聞社 (1978/10)
P74


街道をゆく 1 湖西のみち、甲州街道、長州路ほか (朝日文庫)

街道をゆく 1 湖西のみち、甲州街道、長州路ほか (朝日文庫)

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2008/08/07
  • メディア: 文庫
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山口県 下関市

働く人の割合の多い国は栄える

P235
 2025年頃にインドが中国の人口を抜きます。これは中国の一人っ子政策のためでしょう。これを見ると、インドの存在感は徐々に増してきそうです。

P238
 一般には、労働力が増えなくても、人口ボーナス 期に資本が蓄積されるので、蓄積された資本がある間は、ある程度の経済成長が維持できるからです。
 中国とインドの内情については、また話が別ですが、人口ボーナスの観点からは、中国の発展は長くは続かず、21世紀前半の間には中国とインドのバランスが逆転するという構図になっているようです。

不透明な時代を見抜く「統計思考力」
神永 正博 (著)
日本経済新聞出版社; 改訂版 (2013/11/2)

不透明な時代を見抜く「統計思考力」

不透明な時代を見抜く「統計思考力」

  • 作者: 神永 正博
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2009/04/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

 

  日本の高度経済成長期の主役は労働者であって、同時に消費者である国内の人たちである。
労働者としては、大学までは出ていなくても安い賃金でまじめによく働く人たちであった。
消費者としては、こつこつお金を貯めて、「三種の神器」を家庭に備えることを目指していた。
 安い賃金で働く優れた労働力と、消費者としての力とを兼ね備えた人たちが、高度経済成長期の主役だったわけである。
特に、これから子供を育てようとする20代の人口が多く、彼らを中心とする消費活動が経済を支えていた。彼らが世帯を持つことにより、「三種の神器」が売れた。
 世帯数が増えるということは、核家族化を助長する。つまり、この時代に核家族化が始まった。
 この時の、日本の貿易収支(輸出と輸入の差)はだいたい赤字である。大きな赤字ではないが、日本は輸出に頼らないで、自国の消費によって経済を拡大していた。

世の中の罠を見抜く数学
柳谷晃 (著)
セブン&アイ出版 (2013/3/1)
P155

 

世の中の罠を見抜く数学

世の中の罠を見抜く数学

  • 作者: 柳谷晃
  • 出版社/メーカー: セブン&アイ出版
  • 発売日: 2018/10/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

 

 では、出生数の減少はどのような影響を及ぼすのだろうか?
 たとえば、人材の育成・確保を困難にする。子供の絶対数が激減するのだから、今までのように、各分野に人材を輩出できない。これまで人手不足といえば景況に大きく左右されるものであったが、今後は絶対的な後継者不足に陥る。人材争奪戦の結果、特定分野に偏れば社会が機能しなくなることだってあり得るだろう。
 それえだけではない。一般的に、人数が多ければ多いほど人々は互いに切磋琢磨し全体のレベルも向上するから、若い世代の絶対数が減ればイノベーションは起こりにくくなる。
 農業や建設業といった力仕事のみならず、若きリーダーを求める職業は多い。音楽やファッション、新たな文化の発信もその担い手の多くは若者世代だ。出生数が激減する社会はあらゆる分野において活力を失う社会となる。

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること
河合 雅司 (著)
講談社 (2017/6/14)
P19

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

  • 作者: 河合雅司
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/06/14
  • メディア: Kindle版

 

馬島 小倉北区;

以心伝心は通用しない

残念ながらこの(住人注;目立つのはエレガントではない)美意識は、日本人同士では通用するが、外国人には通用しない。
以心伝心はヨーロッパでは通用しないことが多いのだ。ヨーロッパの人々の多くは、すべて言葉にしないとわからないほど鈍感と言ってもよい。
そのうえ彼らは、日本に好奇心はあっても関心はないというひとがほとんどなのだから。

一度も植民地になったことがない日本
デュラン れい子 (著)
講談社 (2007/7/20)
P108

一度も植民地になったことがない日本 (講談社+α新書)

一度も植民地になったことがない日本 (講談社+α新書)

  • 作者: デュラン れい子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/07/20
  • メディア: 新書