2026年7月3日金曜日

人から興味を持ってもらいたいと思うならば

人から興味を持ってもらいたいと思うならば、まず人に対して興味を抱くこと。
ですから、自分のことを考えるのをやめ、自分のことを語るのをやめ、
大した者だと思われようとしないこと。

デール・カーネギー 著
田中 孝顕 訳
こうすれば必ず人は動く
騎虎書房
P77

こうすれば必ず人は動く

こうすれば必ず人は動く

  • 作者: デール・カーネギー
  • 出版社/メーカー: きこ書房
  • 発売日: 2008/09/30
  • メディア: 単行本

  自分の立場を理解してもらいたいと思ったら、自分側の事情をくどくど説明する前に、相手の立場はどうなのかを知る努力をすべきである。

山崎 武也 (著)
一流の条件―ビジネス・スタイルを固める43章
日本能率協会 (1990/08)
P32

一流の条件―ビジネス・スタイルを固める43章 (PHP文庫)

一流の条件―ビジネス・スタイルを固める43章 (PHP文庫)

  • 作者: 山崎 武也
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 1992/10
  • メディア: 文庫

P78
「他人のことに関心をもたない人は、苦難の人生を歩まねばならず、他人に対しても大きな迷惑をかける。人間のあらゆる失敗は、そういう人たちの間から生まれる」
アルフレッド・アドラー

P91
「われわれは、自分に関心を寄せてくれる人々に関心を寄せる」
パブリアス・シラス

デール・カーネギー (著) 香山晶 (訳)
人を動かす
ハンディーカーネギー・ベスト 
創元社 (1986/11)

ハンディーカーネギー・ベスト (3冊セット)

ハンディーカーネギー・ベスト (3冊セット)

  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 1986/11/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

徳はなくとも、徳あるごとく振舞え

P311
  相手をある点について矯正したいと思えば、その点について彼は既に人よりも長じているといってやることだ。
「徳はなくとも、徳あるごとく振舞え」とはシェークスピアのことばだ。
相手に美点を発揮させたければ、彼がその美点を備えていることにして、公然とそのように扱ってやるがよい。よい評判を立ててやると、その人間はあなたの期待を裏切らないように努めるだろう。

P318
子供や夫や従業員を、馬鹿だとか、能なしだとか、才能がないとかいってののしるのは、向上心の芽を摘み取ってしまうことになる。
その逆を行くのだ。大いに元気づけて、やりさえすれば容易にやれると思い込ませ、そして、相手の能力をこちらは信じているのだと知らせてやるのだ。
そうすれば相手は、自分の優秀さを示そうと懸命に頑張る。

デール・カーネギー (著) 香山晶 (訳)
人を動かす
ハンディーカーネギー・ベスト 
創元社 (1986/11)

ハンディーカーネギー・ベスト (3冊セット)

ハンディーカーネギー・ベスト (3冊セット)

  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 1986/11/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

「1ヶ月で最もミスが多かったのは○○さん」ということ自体は動かしようのない事実であるが、それをマグネットで示すのはモチベーションにおいて、問題がある。
なぜなら、人間は「ラべリング効果」によって大きく影響をうけるからである。人は、その人に貼られた「ラベル」に沿って行動する傾向があり、「良いラべリング」は良い効果があるが、「悪いラべリング」は悪い効果をもたらす。

ビジネスマンのための「行動観察」入門
松波 晴人 (著)
講談社 (2011/10/18)
P216

ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)

ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)

  • 作者: 松波晴人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/09/28
  • メディア: Kindle版

p102
それは、人は、あなたが期待したとおりの人間を演じて、そうなってしまうことです。
 これは「ピグマリオン効果」といって、心理学ではすでによく知られたことです。

小阪裕司 (著)
リーダーが忘れてはならない3つの人間心理
フォレスト出版 (2010/3/10)

リーダーが忘れてはならない3つの人間心理 (Forest2545Shinsyo 10)

リーダーが忘れてはならない3つの人間心理 (Forest2545Shinsyo 10)

  • 作者: 小阪裕司
  • 出版社/メーカー: フォレスト出版
  • 発売日: 2010/03/10
  • メディア: 新書

 

  社長が服選びをするときに、ちょっと役立つ英語のコトワザがあります。
 「Fake it till you make it (なりたい自分の姿があるのなら、すでになったつもりで行動しなさい)」

 

小さな会社のブランド戦略
村尾 隆介 (著)
PHP研究所 (2008/12/10)
P143

小さな会社のブランド戦略 「生き方」と「働き方」が一致するビジネスモデル

小さな会社のブランド戦略 「生き方」と「働き方」が一致するビジネスモデル

  • 作者: 村尾 隆介
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2014/05/30
  • メディア: Kindle版

P136
 ラべリングとは、その名のとおり、コミュニケーションのなかでさりげなく先手をとり、相手に望ましいレッテルを先に貼りつけてしまうこと。
そうすることで、相手の行動を自分の思う方向へ誘導できるというのが、ラべリング効果です。
 このラベリング効果も、相手の妄想をうまく利用しています。良いレッテルを先に貼ってしまうことで、相手の思考がそのレッテルに影響され、あなたの用意した、都合のいい認知の枠のなかへ、勝手に誘導されてきてくれるのです。

P138
  また、お店や公共施設のトイレに入ったときによく見かける「いつもきれいにご利用くださってありがとうございます」という張り紙も、この効果を無意識に期待したものと言えるでしょう。はじめて使うのに「いつも」きれいにって何だろう?と違和感を覚える人もいるかもしれませんが、張り紙をした人は「あなたはきれいに使ってくれるはずですよね」と、見えない圧力を利用者にかけているのです。
 ただしこの張り紙も、実際にトイレがきれいでないと、まったく効果を発揮しません。

脳はどこまでコントロールできるか?
中野 信子 (著)
ベストセラーズ (2014/8/19)

脳はどこまでコントロールできるか? (ベスト新書)

脳はどこまでコントロールできるか? (ベスト新書)

  • 作者: 中野信子
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2015/07/17
  • メディア: Kindle版

P126
「ピグマリオン効果」というのをご存じでしょうか?「人間は期待された通りに成果を出す」というものです。
一九六四年にアメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールが発表しました。その実験内容は、とある学校の小学生に知能テストを実施し、その中から無作為に数名の生徒を抽出し、「この子供達は成績が伸びる」と偽りの情報を教師に伝えました。
それを信じた教師が、その子供達に期待をこめて指導したところ、本当に成績が伸びていったというのです。
「ピグマリオン」は、ギリシャ神話に登場するキプロス王の名前です。ピグマリオンは、自分で作った彫像の女性を愛してしまい、妻にしたいと強く願いました。その熱心さに打たれた藍と美の女神アフロディテが、人形を本物の女性に変え、王の夢を実現させたというのです。

P128
 逆に、期待されずに「お前はダメだ」などといわれ続けると、その言葉通りに成績や能力が落ちてしまうことを「ゴーレム効果」と呼びます。
 ゴーレムとは、ユダヤの伝説に登場する泥人形の怪物の名前です。ゴーレムは、主人の唱える呪文によって操られるのですが、額の護符の文字を一つ消すとただの粘土に戻ってしまうのです。

ワーキングストレスに向き合う力-スポーツ分野で話題のストレスコントロール手法<コーピング>でビジネスに強くなる-
坂上 隆之 (著)
日刊工業新聞社 (2015/2/25)

ワーキングストレスに向き合う力 (B&Tブックス)

ワーキングストレスに向き合う力 (B&Tブックス)

  • 作者: 坂上隆之
  • 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
  • 発売日: 2015/02/26
  • メディア: 単行本

 

劣等コンプレックス

P54
闘う、攻撃的な子どもたちにはいつも劣等コンプレックス(これについては第3章で取り上げます)とそれを克服したいという欲求を見出すことが出来るが、「あたかも、自分を実際よりも大きく見せるために、爪先で立ち、そして、この簡単な方法で、成功と優越性を得ようとしているかのようである」と(「個人心理学講義」六六頁)。

P64
アドラーは、まったく無力な状態から脱したいと願うという意味で(生物学的な意味においても、子どもは弱いので大人と比べて自分が劣っている、と考えるという意味)、優れていようとすること(striving for superiority.これを私は「優越性の追求」と訳しました。)は誰にでも見られる普遍的な欲求である、といっています。
 この優越性の追求と対になるのが劣等感で、この劣等感もアドラーは誰にでもあるといっています。優越性の追求も劣等感もこのように病気ではなく、健康で正常な努力と成長への刺激である、といわれています(「個人心理学講義」六八頁)。
 このようなアドラーの考えに問題がないわけではありません。なぜなら主観的に自分が劣っていると感じるという意味での劣等感があるから優れようとする、また劣等感が人間を動かすというのは原因論的といわなければならないからです。そこで、やがて優れていることを目標にするということが最初にあって、その結果として劣等感を持つというふうにアドラーは考えるようになりました。
 問題は、優越性の追求は普遍的な欲求である、とアドラーはいうのですが、優れていたいと願うことは必ずしも人間にとって本質的なことではなく、それ自体病的なことである、と考えることができるということです。
アドラーはこのような意味での優越性の追求、すなわち、ことさらに他の人よりも優れていなければならないと考える優越性の追求を優越コンプレックス、そしてこれの対となるのが劣等コンプレックスで、優越コンプレックスがこれを隠していることがある、と考えます。

P134
アドラーは、劣等コンプレックスという語を強い劣等感という意味で使っている場合もありますが、「Aであるから(あるいは、Aでないから)、Bできない」という論理を日常の コミュニケーションの中で多用するということが劣等コンプレックスの意味です。
~中略~
 劣等コンプレックスは、心の中で起こっている現象ではなくて、このようにむしろ対人関係の中でのコミュニケーションのパターンに他ならず、人生の課題を回避するための口実を持ち出すことです。
持ち出される口実は、まわりものが思わず、しかたがない、そういう理由があるのなら、と思うようなものであることが多いのです。
もちろん、そういうときに他の人のみならず、自分をも欺いているのであり、アドラーは、このような口実を、「人生の嘘」と呼んでいます(「個人心理学講義」六四頁)。 

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために
岸見 一郎 (著)
KKベストセラーズ (1999/09)  

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)

  • 作者: 岸見 一郎
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 1999/09/15
  • メディア: 新書

罰してはいけない

P58
アドラーはまず罰したり叱ったりすることを否定します。また、子どもに恥をかかせたり、面目を失わせたりすることで行動を改善することでは何も得ることはできない、といっています(「個人心理学講義」八一頁)。
~中略~
 よく罰したり辱めることで子どもたちを奮起させることができると考える人がいますが、勇気が子どもたちに残っていなければ、子どもの勇気をくじくだけである、とアドラーはいっています。罰したり叱ったり批判すれば、なによりも関係が悪くなります。
 また罰の効果は一時的であり、罰する人がいなければ不適切な行動をするでしょう。不適切な行動をしないまでも、積極的に適切な行動をしなくなることもあります。

P60
さらに悪いことに子どもが大人と自分とどちらが正しいかはっきりさせてやろうではないかという権力争いを挑んできたときに、もしも大人が子どもたちに勝ってしまうと、もはや面と向かって反抗することはなくなり、表に出てこないで、たとえば非行に走るというような形で大人に対して復讐を始めることがあります。

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために
岸見 一郎 (著)
KKベストセラーズ (1999/09)  

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)

  • 作者: 岸見 一郎
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 1999/09/15
  • メディア: 新書

共同体感覚

P111
赤信号で止まらなければならないのはなぜかという質問をアメリカ人にしたところ七〇パーセントは「警官に見つかるとつかまるから」と答えたという報告があります。 賞罰の育児の結果である、と考えることができます。
 二五パーセントは「私が怪我をするから」と答えました。これは先の答えよりましかもしれませんが自己中心的です。
五パーセントだけが、「私もけがをするけれど、他の人にも被害を及ぼすかもしれないから」と答えました。
 ある状況が自分にとってどういうことかをまず考えるのではなく、皆にとってどういうことなのか、いいことなのか、悪いことなのかを考えられるということ、その中で自分がどう貢献できるかを考えていくことは、健康なパーソナリティ、幸福であることの大きな条件です。

 このように常に自分のことだけではなく、他者のことも考えられる、他者は私を支え、私も他者とのつながりの中で他者に貢献できていると感じられること、私と他者とは相互依存的であるということ、しかし、同時にそのことは決して自己犠牲的な生き方を善しとする考えでもなく、自分も他者に貢献ができていると思えること・・・・このような意味のことをアドラーは、 アドラー派の中でも議論の多い「共同体感覚」という言葉で表そうとしているのだ、と私は考えています。

P112
人が基本的に理想として持っているのは「所属」しているということ、共同体に受け入れられているということである、とアドラー心理学では考えています。しかしこのことは何もしないでただ受動的に受け入れられるというのではなく、積極的に受け入れてもらうということです。
その方法はさまざまで、先に見た優秀であることで認めてもらおうとしたり、まわりの人の注目を引くような行動をすることによって受け入れてもらおうという考えは健康的な考えではない、と考えるわけです。

  ここでいう「共同体」というのはさしあたって自分が属する家族、学校、職場、社会、国家、人類・・・・という集団のすべて、過去・現在・未来のすべての人類、さらには生きているものも生きていないものも含めたこの宇宙の全体を指している、と考えていいのですが、アドラーはこれを「到達できない理想」である、といい(Individualpsychologie in der Schule,S.20)、どこにも既存の社会であるとはいっていません。

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために
岸見 一郎 (著)
KKベストセラーズ (1999/09)  

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)

  • 作者: 岸見 一郎
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 1999/09/15
  • メディア: 新書

2026年7月1日水曜日

怖畏ある時には空観せよ

怖畏ある時には空観せよ。
秘蔵記

あなたの心が恐怖につつまれたときには、
「あらゆるものはことごとく 因縁によって生じたものであって、 永遠不変のものはない」
ということを、一つひとつ丁寧に瞑想しなさい。

空海 人生の言葉
川辺 秀美 (著)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/12/11)
心について一一

空海 人生の言葉 (偉人の名言集) (ディスカヴァー携書)

空海 人生の言葉 (偉人の名言集) (ディスカヴァー携書)

  • 作者: 川辺秀美
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2014/10/16
  • メディア: 新書





P17
 もし何かを恐れているなら、他の人々もあなたと同様、何かに対して恐怖心をもったことを思い出して頂きたい。
多分この本を読んでいる瞬間にも、あなたは恐怖心のとりこになっているだろう。 何が起こったかちゃんと分かっているし、思ったほど大したことでもなかったから。しかし、未来は一寸先も分からない!未来の恐怖とたたかう方法は簡単である。
「なぜ恐ろしいのか」という理由を一つ一つ考えてみれば、こわさも薄れてくる。最悪の事態がどのていどのものか分かれば、こわがることもなくなる。
あなたはつぶやくだろう。「なんだ、あれくらいの事など!」
P21
 恐怖心を克服する缺唇をしさえすれば、たいていの恐怖は克服できる。
恐怖は人の心の中にしか存在しないからだ。
デール・カーネギー

カーネギー名言集 ハンディーカーネギー・ベスト (3)
ドロシー カーネギー (著)
創元社 (1986/11)

 

ハンディーカーネギー・ベスト (3冊セット)

ハンディーカーネギー・ベスト (3冊セット)

  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 1986/11/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


大分県 九重連山

自己決定理論

P109
 デジとライアンは共同で、「自己決定理論(STD)」を構築した。
~中略~
STDはこれ(住人注;行動理論の多く)とは対照的に、普遍的な人間の願望を起点とする。人間には生来、(能力を発揮したいという)有能感、(自分でやりたいという)自律性、(人々と関連を持ちたいという)関係性という三つの心理的要求が備わっている。この要求が満たされているとく、わたしたちは動機づけられ、生産的になり、幸福に感じる。
~中略~

すなわち、人間は本来「自律性を発揮し、自己決定し、お互いにつながりたいという欲求」を備えている。その欲求が解き放たれたとき、人は多くを達成し、いっそう豊かな人生を送ることができる、というものだ。

P154
自律性
 過去100年を振り返り、その間に活躍した有名な芸術家とその仕事ぶりに思いをめぐらせてもらいたい―たとえば、パブロ・ピカソ、ジョージア・オキーフ、ジャクソン・ポロックなど。一般の人とは異なり、<モチベーション2.0>は彼らのOSではなかった。

この芸術家たちに対して、誰もこんなことは言わなかったはずだ。
このような種類の絵を描かなくてはいけない。午前八時半きっかりに絵を描きはじめなくてはいけない。わたしたちが選んだ人と一緒に絵を制作する必要がある。こんな感じの絵を描くべきだ。
まったくばかばかしい話だ。

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
ダニエル・ピンク (著), 大前 研一 (翻訳)
講談社 (2010/7/7)

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/07/07
  • メディア: 単行本

アドラーと一時期一緒に仕事をしていたヴィクトール・フランクルは次のようにいっています(「宿命を越えて、自己を越えて」春秋社)。 環境や教育、また素質ではなく自分が自分を決める。
人間であるということは、このあり方しかできない、他のあり方ができない(住人注;環境や素質、運命にある)ということでは決してなく、
人間であるということは、いつでも、他のあり方ができる(住人注;可能性と、選択権がある)ということなのである、と。これはまさにアドラーがいっていることです。

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために
岸見 一郎 (著)
KKベストセラーズ (1999/09)
P137 

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)

  • 作者: 岸見 一郎
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 1999/09/15
  • メディア: 新書
大分県 九重連山

あきらめないのが美徳と思っている日本人

小野寺(住人注; 小野寺時夫) 前略~ がんは発生したときから運命が決まっているといってよく、手術してもダメなものはダメ、手術をしなくてものんびりタイプは長生きするといくことです。
~中略~
近藤(住人注; 近藤誠) 医師としてやれるだけのことをやろう、という使命感は、なかなかやっかいですね。
小野寺 そうなんです。「がんが進行しているけど、最善を尽くす」という医者の言動が、外科手術でも化学療法でも、得てして最悪の結果を生んでいます。
~中略~
小野寺 私がいるホスピスに送られてくる患者には、化学療法で心身ともボロボロになり、余命わずかの状態という人が多数います。
「患者をこんなに苦しませるだけの無益な治療をした医師は、よほど非常識で、人格的に問題があるのではないか」と思うことがあります。 ところが、当の医師にたまたま会う機会があると、誠実そうで、「熱心な努力家」として評判だったりするんです。
~中略~
小野寺 医者は「あきらめないでなんでもやることが最善」だと思いこみ、患者側も「最後まであきらめず、なにかしてくれる医者がいい」ってカン違いして医者に頼るわけです。
近藤 万にひとつも治る可能性はなく、「固形がんは放置するに限る。それがいちばん苦しまずに長生きできる」という証拠をどれだけ見せられても、日本人はなかなか「治療しない」ことに耐えられない。 「治療はやるもの」と思いこんでいるから。

別冊宝島2000号「がん治療」のウソ
別冊宝島編集部 (編集)
宝島社 (2013/4/22)
P34

別冊宝島2000号「がん治療」のウソ (別冊宝島 2000)

別冊宝島2000号「がん治療」のウソ (別冊宝島 2000)

  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2013/04/22
  • メディア: 大型本

 幸福への道はただ一つしかない。それは意志の力でどうにもならない物事は悩んだりしないことである。
エピクテートス

カーネギー名言集 ハンディーカーネギー・ベスト (3)
ドロシー カーネギー (著)
創元社 (1986/11)
P72

 積極的な治療法がない旨を伝えるのはきわめて難しい。もちろんこちらの伝え方もよしあしはあろう。しかしながら、一定の割合で「聞く耳もたない」人はいる。
患者本人はくたびれていても、周囲が無責任に叱咤激励して無理やり引っ張り出すことも極めて多い。
この新聞に、あの週刊誌に書いてあったじゃないか。余命三ヶ月と言われても、奇跡的に良くなった人もいる、諦めないことが肝腎だと。
今の医者はそんなことは非現実的だなどとほざくが、そんなことはない、どこかにあるはずだ、あるに違いない。希望を挫くようなことを言うな。そんなこと言う奴は信用できないに決まっている。
 そうだそうだと言う連中も世の中にはいる、というよりうじゃうじゃいる。この治療法で、薬で、免疫で、温熱で、ただしこれこれの金がかかる・・・・。

偽善の医療
里見 清一(著)
新潮社 (2009/03)
P166

偽善の医療 (新潮新書 306)

偽善の医療 (新潮新書 306)

  • 作者: 里見 清一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/03/01
  • メディア: 新書

由布岳 大分県

嫉妬することすら諦めた若者

 もしいまの若者たちがきたやまし氏(住人注;きたやまおさむ)の推測(住人注;「実際はイチローとか何かに嫉妬している」のに「嫉妬しているのをどこかで感じたくないという意識が働いて、「イチローなんか別に羨ましくないよ」と言っている」) とは違って、「本当に嫉妬しない人たち」だとしたら、彼らは昔に比べてより心が広くなったと考えて、その素直さを手放しで肯定してよいのだろうか。
 きたやま氏も先の本(住人注;「帰れないヨッパライたちへ―生きるための深層心理学 (NHK出版新書 384) 」 )の中で、「嫉妬」はいろいろなトラブルの原因になると同時に、時として自分の成長を妨げることもある、とそのデメリットを指摘している。しかし、一方で、嫉妬は「私たちの閉塞感を生み出す原因になっていると同時に、それを打ち破り、創造的なものを生み出すエネルギーの源にもなる」とも言っているのだ。 自分と同世代で活躍している作家、スポーツ選手などに「わー、すごい!」「マジでリスペクトします」と嫉妬することもなく、拍手を惜しまない若者たちは、ドロドロ、イライラもないかわりに、その閉塞感を打ち破る必要性も感じないのではないだろうか。
あるいは逆に最初から活躍している人、才能に恵まれている人と自分のあいだに「壁」をもうけることで、自分たちが置かれているあまりに不安いっぱいの状況を見ずにすませようとしているのかもしれない。

P69
 では、彼らは自分のコンプレックスとどうやってつき合おうとするのだろうか。
 学生たちに聞くと、いちばん多いのは「そういう自分を”これでいいんだ”と受け入れる」「自分なりの良さを認める」という声だ。
 つまり、無理せずに欠点があるままの自分をそっと認め、「何としても自分をよく見せよう」などとは考えない。まして、「他人を利用し、他人を自分の”信者”にしたてあげることで、自信を回復させたい」などとは思わない。
 しかし、コンプレックスがあるがままの自分を受け入れる、というのは言うほど簡単なことではない。

若者のホンネ 平成生まれは何を考えているのか
香山リカ (著)
朝日新聞出版 (2012/12/13)
P63

若者のホンネ 平成生まれは何を考えているのか (朝日新書)

若者のホンネ 平成生まれは何を考えているのか (朝日新書)

  • 作者: 香山 リカ
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2013/02/27
  • メディア: Kindle版

 

禅定寺 京都府

精神科治療

P8
  脳科学とは、脳が様々な物質からなる臓器の一つにすぎないという事実に注目し、まず解剖学的構造を知り、さらに生化学的・生理学的に機能を捉えるなら脳というものが分かるとする、人間機械論的な見方に立脚した学問である。
脳科学でいう構造とは、具体的にシナプス(神経細胞同士の接合部)や神経化学物質のレセプター(受容体)といったものを指していると考えられる。
向精神薬の薬理作用についての説明は、もっぱらこれに終始する。たとえば、ドーパミンが増えすぎるから精神分裂病(統合失調症)にあるとか、セロトニンが不足するからうつ病になるといった仮説がそうである。
この説明は一見因果関係が明瞭なだけに、大きな説得力を持つ。
 しかし実際に臨床に携わる私を含めた一定数の精神科医たちは、この明晰なはずの薬理学的説明にしばしば違和感ととまどいを覚えている。
それは精神科臨床(のみならず他科でも実はそうであろう)では、患者に生じる現象(すなわち精神症状)と薬物によってもたらされるはずの効果が、非常に複雑で、精神科医にとっても予想がかなり困難なことが多いからである。

P10
 精神病理学で構造という場合、脳科学で説明される構造とは質的に異なるもので、治療者や患者の間主観性を基盤とした、物質としては捉えられないものを指す。これは精神構造と呼ばれるものである。これを、心の構造と言いかえてもいいだろう。
~中略~
たとえば同一の人間の存在の仕方について、脳科学的構造と精神構造というそれぞれまったく別の様式の構造で説明をつけることができる。すなわち双方の構造説明は、同一人物の中で同時に成立しうるものだといえる。
ただ、一人の人間に起こる一現症を双方の構造で説明しようとする時、それぞれの説明を具体的に照らし合わせることは困難であり、時には不可能ですらある。
~中略~
それらはいずれも<構造>そのものではなく、<構造>があある方向によって映し出された「像」である。

P12
先に私は、位相が異なる異なるはずの二つの治療法(薬物療法と精神療法)が、一人の患者に混合して施行され、ハーモニーを形成していることに衝撃を受けたと述べた。そしておそらく他の多くの治療者も、同じ感じにとらわれたことがあるはずである。
しかし大抵の場合、この衝撃は不問に付せられたまま、各々の治療者のキャリアが積み重ねられてゆくことになる。
 実はこの衝撃は、臨床の初心者の潜在意識にある影響をもたらしている。たとえば、患者がよくなりさえすれば、どんな方法論を援用することも是とする考え方がそうである。現に先にあげた薬物療法・精神療法のみならず、集団療法、家族療法といった多数者を介したものや芸術療法、その他さまざまな位相の異なったものが、同時並行的に実施されることはまれではない。
これだけ多くのパラメーター(媒介変数)が存在すると、後にもたらされる結果が何にもとづくものなのか検証するのが容易ではない。つまり治療状況をコントロールするのに多大な困難が伴うはずである。しかしこれらを行うに際し、現在の治療者にそれほどの覚悟があるようでもない。
 もとはといえば、精神科で歴史的に形作られてきた治療観が、これらの事態の基底にあるように思われる。精神科では長らく不治と見なされ、悲観的に予後が語られる患者が多くいた。~中略~
精神科薬物療法に多剤併用傾向が見られるのも、同じ流れからきていると思われる。
~中略~
これまでの精神科臨床はEBMは水と油であった。しかし精神科臨床の現場は、またしても位相の全く異なるEBMの取り込みを行なおうとしている。EBMが取り込まれていった後の精神科臨床はどのようになってゆくのだろうか。

P80
第二章で書いたように、「物語」こそが精神科治療が実現する根拠となるものであり、精神科治療者の専門性のおおもとは、「物語」作成のすべてにあるといってもよいであろう。すなわち、「物語」作成の能力こそが、精神科治療者のアイデンティティだと言うこともできる。それに対し身体科では、臨床検査を主とするさまざまな他覚所見(治療者などの第三者が行なう、患者の身体についての見立て)の読み方が診療根拠である。 身体科治療者にとって、アイデンティティはそこにある。

精神科医になる―患者を“わかる”ということ
熊木 徹夫 (著)
中央公論新社 (2004/05)

精神科医になる 患者を〈わかる〉ということ (中公新書)

精神科医になる 患者を〈わかる〉ということ (中公新書)

  • 作者: 熊木徹夫
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2020/03/13
  • メディア: Kindle版

 精神分析的な心の治療を受けたことのある人は、日本ではまだ少ないでしょう。心の病を治すサイコセラピー(精神科医は精神療法と呼び、臨床心理士は心理療法と呼びます)にはさまざまな種類がありますが、通常のカウンセリングを行う臨床心理士などと比べると、日本では精神分析家そのものの数があまり多くありません。
 その要因の一つは、大学医学部の意識の低さです。
 文系中心の臨床心理士と違って、精神分析家の多くは基本的に医学部出身の医師。しかし、日本の精神医学は薬物治療を中心とする生物学的精神医学が優勢で、精神療法のひとつである精神分析には熱心ではありません。
 その証拠に、医学部の精神科の主任教授は、およそ九割が生物学的精神医学の専門家。
そのため大学の講義では、統合失調症やうつ病などを引き起こす脳のメカニズムや、それに対する薬物治療の話が大半を占めることになり、医学生がまともに精神分析を学ぶ時間がほとんどないのです。

自分が「自分」でいられる コフート心理学入門
和田 秀樹 (著)
青春出版社 (2015/4/16)
P16

自分が「自分」でいられる コフート心理学入門 (青春新書インテリジェンス)

自分が「自分」でいられる コフート心理学入門 (青春新書インテリジェンス)

  • 作者: 和田 秀樹
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2015/04/16
  • メディア: 新書
京都府 浄瑠璃寺