2025年12月6日土曜日

屈を以って伸となす

功を拙に蔵し、晦( かい)を用いて而も明に、


清を濁に寓し、屈を以って伸となす。


真( まこと)に世を渉るのを一壷にして、身を蔵するの三屈なり。 


          洪自誠 

               守屋 洋 (著), 守屋淳 (著)

               菜根譚の名言 ベスト100

                PHP研究所 (2007/7/14)

                       P105

 

才能を内に秘めながら無能をよそおい、
明察でありながら知恵をひけらかさず、
濁流に身をおきながら清廉を保ち、
身を屈して将来の飛躍に備える。
 このような状態こそ「中流の一壷」や「狡兎三屈」の教えにかなう処世の秘訣である。

「中流に船を失えば一壷も千金」「鶡冠子(かつかんし)」

菜根譚の名言 ベスト100

菜根譚の名言 ベスト100

  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2007/07/14
  • メディア: 新書

29番国分寺 高知県

希望を持ったまま保留

玄侑 ユングが言っていることですごいなと思うのは、一つのことが起こりますよね。起こったことそれ自体では縁起がいいか悪いかわからない。

たとえばここにお金が落ちてたとしますよね。縁起がいいって思って拾ったら、テーブルの角に頭をぶつけて脳震盪で入院した。
やれやれ、まいったと思ったら、入院した病院の看護婦さんがきれいな人だった。それで、結婚したら、なんだかしりに敷かれちゃって、こんなはずじゃなかった、と(笑)。
二転三転するわけですよね。すると、お金が落ちてること自体が、いいことかどうかなんて、わからないわけですよ。

だから希望を持ったまま判断を保留しなさいとユングは言うわけですね。
最初に起こった出来事を保留にしないで悪い方向に考えると、それが次に起こることに影響する。
この「希望を持ったまま保留」っていうのがすばらしいと思いますね。「希望の原型」って言いますけど。

養老 孟司 (著) 玄侑 宗久 (著)
脳と魂
筑摩書房 (2007/05)
P272

 

脳と魂

脳と魂

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2020/02/18
  • メディア: 単行本


高知県 28番大日寺

決断しないといけない時

 

凡そ大硬事に遇わば、急心もて剖決( ぼうけつ )するを消( もち )いざれ。

須らく姑( しばら )く之を舎( お )くべし。

一夜を宿し、枕上( ちんじょう )に於いて粗( ほぼ )商量( しょうりょう )すること一半にして、

思を齎( もた )して寝( い )ね、翌旦の清明なる時に及んで、続きて思惟すれば、

則ち必ず恍然( こうぜん )として一条路を見、就即( すなわ )ち義理自然に湊泊( そうはく )せん。

然る後に徐( おもむろ )に之を区処せば、大概錯悞( さくご )致さず。

         「 言志後録 」第四五条

          佐藤 一斎 著

          岬龍 一郎 編訳

          現代語抄訳 言志四録

          PHP研究所(2005/5/26)

          P109

 

 大事件に出会ったときは、急に解決しようとしないで、しばらくそのままにしておいたほうがよい。
一夜持ち越して、寝床で半分くらい考えて眠り、翌朝、心が明るくはっきりしてから、続きを考えると、
ぼんやりながらも活路が見えてくる。
そうなれば、この難題の筋道が自然に心の中に集ってくる。
そのあとで、ゆっくり一つ区別して解決してゆけば、たいがい間違うことはない。

>>>恍然(こうぜん)

 

 

[現代語抄訳]言志四録

[現代語抄訳]言志四録

  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2012/10/05
  • メディア: Kindle版
27番神峯寺 高知県

期限を延期してはならない

どのような事態が展開されたとしても、その期限を延期してはならない。一度延期したら、相手のみならず自分も、さらにもう一度くらい延期してもよいだろうと考える。
そうなると癖になって、延期が延々と続くことにもなりかねない。
自分が設定した期限の重要性を絶対化するためには、仮にもう一時間待てばとか、もう一押ししてみてからなどと思ってはいけない。
新幹線の発車時刻と同じに考える。乗り遅れたら、乗るための万策は尽きるのである。

超説得力
山崎 武也 (著)
講談社 (2003/11)
P140

超説得力 (講談社ニューハードカバー D 41-2)

超説得力 (講談社ニューハードカバー D 41-2)

  • 作者: 山崎 武也
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/11/01
  • メディア: 単行本

 

高知県 26番金剛頂寺

嫉妬社会

嫉妬社会・日本では、能力ある本来なら出世してほしい人が、多くのアホに結託され、途中で足を引っ張られ、引きずり降ろされてしまいがちだ。
アホは権力にすり寄ってきた場合が多いので、その分彼らは権力の中枢に発信力を持っている。そういう人間を敵にして、怒らせては組織のためにならないのだ。
 他者を組織全体のために誘導するというのは相当な高等戦術であり、本当にそれができたら素晴らしいが、できないにしても、立ち向かって怒らせて制御不能にしてはならない。

頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法
田村耕太郎 (著)
朝日新聞出版 (2014/7/8)
P25

頭に来てもアホとは戦うな!

頭に来てもアホとは戦うな!

  • 作者: 田村耕太郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: Kindle版

25番津照寺 高知県

悪人は強い。善人は弱い

 そもそも、悪は善より感じが深刻です。善というものは生命の発展に従うものですから、従順な感じです。刺激がない。素直です。
悪というものは生命の本流に抗するもの、逆行するもですから、どうしても感じが強く、身にこたえます。 薬でも本当の良薬は生命を助長して副作用がない。効果も遅い。病の局所攻撃をする速効薬というものは、刺激が強く、副作用もひどい。まして毒薬ではたまりません。
 およそ、人々は善に対してかあまり感じません。悪に対して非常に強く感じます。人間も、概して悪人は強い。善人は弱い。
 だから世の善人と悪人とを比べてごらんなさい。善人はたいてい引き込み思案、消極的で、傍観的であり、団結しない。
自然の草木と同じように自ら生きる。他に俟(ま)たないものです。

安岡正篤
   運命を開く―人間学講話
  プレジデント社 (1986/11)
   P214

 

人間学講話第2集 運命を開く (安岡正篤人間学講話)

人間学講話第2集 運命を開く (安岡正篤人間学講話)

  • 作者: 安岡 正篤
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 1986/12/02
  • メディア: 単行本

 

権力にすり寄る努力

P18
 今冷静に考えれば、権力にすり寄る彼らの努力は、洋の東西を問わず、さらに上に近づく最も大事な準備作業であり、彼ら自身不本意ながらも、清濁併せ呑む覚悟でそれを積み重ねていたのかもしれない。
むしろ、その先輩や同僚を非難するより、賞賛すべきだったのかもしれない。(つまり、あなたがアホと思っている人は、実は誰より賢い可能性があることを忘れてはならない。ただ、本当のアホもいるので注意が必要だ)。
 権力にすり寄る行為に嫌悪を感じて、そういうことをする人たちと戦おうとしていた自分はとてつもなく青臭く、今思えば情けない。

P148
 結局、本当にやりたいことを実現するためには組織を動かすことが必要で、そのためには権力を手に入れないとできないということを実感したからだ。個人でもすごい才能を発揮する天才はいるし、その人たちが発揮するインパクトも決して小さくはない。しかし、大抵の場合、個人の力でできることは知れている。

P150
 この世は不条理であり、正義や義理は大事だが、それを純真無垢なまま鵜呑みにして行動していては、たった一度の奇跡のような人生を満足する形で使いきることはできない。
現実は汚く見えるものだが、そんなものに嫌悪を示すより、自分の目的に集中して、そこで結果を出すことに専念いたほうがいい。結果を出すために権力に接近することが必要ならば、その力を活かすことも視野に入れて準備しておくことだ。 

頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法
田村耕太郎 (著)
朝日新聞出版 (2014/7/8)

頭に来てもアホとは戦うな!

頭に来てもアホとは戦うな!

  • 作者: 田村耕太郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: Kindle版

徳島県 23番薬王寺