2026年4月17日金曜日

理想の人間像

八 子曰わく、君子重からざれば則ち威あらず、学べば則ち固ならず。

忠信に主( した )しみ、己れに如かざる者を友とすること無かれ。

過てば則ち改むるに憚( はばか )ること勿れ。

~中略~

 先生がいわれた。 「 貴族たるものは、まずどっしりとかまえること。そうでないと威厳を失うし、学問をさせてもしっかりしたところができないからだ。
 次は、律義で約束をたがえない人に昵懇( じっこん )をねがって、自分に及ばないものと友だちにならないこと。  最後に、過ちがあれば、すなおに認めてすぐさま訂正することだ。」

学而篇

           論語

           孔子 ( 著 ), 貝塚 茂樹

              中央公論新社 (1973/07)

              P17

 

論語 (中公文庫 D 3)

論語 (中公文庫 D 3)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1973/07/10
  • メディア: 文庫

京都府 伏見稲荷大社

分を越ゆるなかれ

 この二宮金次郎こと尊徳先生が幕臣に取り立てられたのが、天保十三年(一八四二)十月六日。ときに五十六歳。
荒れ地を開拓して豊かな農地にするなど、これまでのすぐれた農政家としてのこの人の手腕に大いに期待がかけられたのである。たしかに、豊富な農業知識に基づく合理主義の生産活動は、時代の先端をいっていた。
それと質素倹約、勤勉第一、天地の恵みに対する報徳思想とその生き方は、多くの人々の心を打った。
~中略~

逝去は安政三年(一八五六)十月二十日。享年七十。最後の言葉がいい。
「葬るに分を越ゆるなかれ。ただ土を盛り、わきに松か杉を一本植えれば足る」

この国のことば
半藤 一利 (著)
平凡社 (2002/04)
P197

この国のことば

この国のことば

  • 作者: 半藤 一利
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2002/04/01
  • メディア: 単行本

 

京都府 伏見稲荷大社

二四 子貢問いて曰わく、一言にして以て身を終( お )うるまでこれを行なうべき者ありや。


子曰わく、それ恕( じょ )か、己の欲せざる所を人に施( ほどこ )すこと勿( な )かれ


衛霊公篇


          論語

        孔子 (著), 貝塚 茂樹

         中央公論新社 (1973/07)

         P446

 

 

論語 (中公文庫 D 3)

論語 (中公文庫 D 3)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1973/07/10
  • メディア: 文庫
 
京都府 伏見稲荷大社

敬と誠

妄念を起さざるは是れ敬にして、


妄念起こらざるは是れ誠なり。

 

             「言志録」第一五四条

 


            佐藤 一斎 著

               岬龍 一郎 編訳

               現代語抄訳 言志四録

               PHP研究所(2005/5/26)

               P68

 

みだらな考えを起こさないのが敬であり、みだらな考えが起きないのが誠である。

敬とは、朱子学で最も重んじられる徳目で、自分に対しては慎み深く、人に対してはうやまうとの意味である。
禅宗ではこれを「主一無敵(しゅいちむてき)」(心を一つにして、他に向かわしめないこと)としている。
 誠は「中庸」で「天の道なり」といわれるように、儒教の最高の境地とされている。
よって、誠の人は最初からみだらな考えなど持たない。

 

[現代語抄訳]言志四録

[現代語抄訳]言志四録

  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2012/10/05
  • メディア: Kindle版

いずれの教えにしろ、人間の根本性について説くところは「愛」であり、「善」である。
「渋沢栄一訓言集」座右銘と家訓

渋澤 健 (著)
巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」
講談社 (2007/4/19)
P222

巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」 (講談社BIZ)

巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」 (講談社BIZ)

  • 作者: 渋澤 健
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/04/19
  • メディア: 単行本
京都府 伏見稲荷大社

理法を愛するひとは栄え、理法を嫌う人は敗れる

九二 (師は答えた)、「栄える人を識別することは易く、破滅を識別することも易い。理法を愛するひとは栄え、理法を嫌う人は敗れる。」

ブッダのことば―スッタニパータ
中村 元 (翻訳)
岩波書店 (1958/01)
P29

ブッダのことば-スッタニパータ (岩波文庫)

ブッダのことば-スッタニパータ (岩波文庫)

  • 作者: 中村 元
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2017/01/26
  • メディア: Kindle版

 

天地間如何なる大功業も、時に遭ひ運に遭ひ、自然の道義より出づれば、出来ざることなし。
(「孟子養気章講義」)

山田方谷のことば―素読用
山田方谷に学ぶ会 (編集)
登龍館 (2007/07)
P41

山田方谷のことば (サムライスピリット 3)

山田方谷のことば (サムライスピリット 3)

  • 出版社/メーカー: 登龍館
  • 発売日: 2007/07/09
  • メディア: 単行本

 

京都府 伏見稲荷大社

稚心(ちしん)を去る

 稚心とは、おさな心、すなわち子供じみた心のことである。
果物や野菜が、まだ熟していないものを稚というように、物が熟して美味になる前、まだどこか水くさい味がする状態をいうのである。
どんなものでも、稚といわれる間は完成に至ることができない。
 人間でいえば、竹馬・凧・まりけりをはじめ、石投げや虫取りなどの遊びばかりに熱中し、菓子や果物など甘くておいしい食物ばかりをむさぼり、毎日なまけて安楽なことばかり追いかけ、親の目をぬすんで勉強や稽古ごとをおろそかにし、いつでも父や母によりかかって自分ではなにもせず、あるいはまた、父や兄に叱られるのを嫌って、常に母のかげに隠れ甘えるなどといったことは、すべて子供じみた水っぽい心、つまりは「稚心」から生ずるのである。
それも、幼い子供の内は強いて責めるほどのこともないが、十三四歳に成長しみずから学問に志す年齢になって、この心がほんの少しでも残っていたら、何をしても決して上達せず、将来天下第一等の大人物となることはできない。
~中略~
 更にまた、稚心を取除かぬ間は、武士としての気概も起らず、いつまでも、腰抜け士(さむらい)でいなければならない。そのため、わたくしはりっぱな武士の仲間入りをするために、第一番に稚心をさらねばならぬと考える。  

啓発録
  橋本 左内 (著)
  講談社 (1982/7/7)
   P22

啓発録: 付 書簡・意見書・漢詩 (講談社学術文庫 568)

啓発録: 付 書簡・意見書・漢詩 (講談社学術文庫 568)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1982/07/07
  • メディア: 文庫

 

大人には大人としての自覚をもって使うべき言葉があり、とるべき行動があるということです。
 たとえば、五〇代、六〇代の女性が「カワイイ」を連発する場面を見たことがあります。
「この電話カバー、カワイイ!」「このお花、カワイイ!」「このデザート、カワイイ!」というように、なんでもカワイイで済ませてしまう感性は、どうしたものでしょうか。
 子どもは、親の鏡といますが、確実に親の言うことを真似し、親の行動をなぞろうとします。
 つまり、親が豊かな言葉と表現力を持っていたならば、それを身近で聞いて育つ子供の感性も、現状とはかなり違うものになるのではないかと思うのです。

一流の男は「気働き」で決める
高野 登 (著)
かんき出版 (2014/4/23)
P172

一流の男は「気働き」で決める

一流の男は「気働き」で決める

  • 作者: 高野 登
  • 出版社/メーカー: かんき出版
  • 発売日: 2014/04/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

京都府 伏見稲荷大社

十三徳

P157
第一   節制 飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ。
第二   沈黙 自他に益なきことを語るなかれ。駄弁を弄するなかれ。
第三   規律 物はすべて所を定めて置くべし。仕事はすべて時を定めてなすべし。
第四   決断 なすべきことをなさんと決心すべし。決心したることは必ず実行すべし。
第五   節約 自他に益なきことに金銭を費やすなかれ。すなわち、浪費するなかれ。
第六   勤勉 時間を空費するなかれ。つねに何か益あることに従うべし。無用の行いはすべて断つべし。
第七   誠実 偽りを用いて人を害するなかれ。心事は無邪気に功正に保つべし。
第八  中庸 極端を避くべし。たとえ不法を受け、憤りに値すと思うとも、激怒を慎むべし。
第十   清潔 身体、衣服、住居に不潔を黙認すべからず。
第十一 平静 小事、日常茶飯事、または避けがたき出来事に平静を失うなかれ。
第十二 純潔 性交はもっぱら健康ないし子孫のためのみに行い、これに耽りて頭脳を鈍らせ、身体を弱め、または自他の平安ないし信用を傷つけるがごときことあるべからず。
第十三 謙譲 イエスおよびソクラテスに見習うべし。

P172
人間の本性だけを考えてみても、
「もろもろの悪行は禁じられているから有害なのではなく、有害だから禁じられている」のであり、従って来世の幸福を望むものはもとより、現世の幸福を望むもの者にとっても、徳を積むことは有利なのだ、
という教えであった。
また私は次のような事情から、つまり世には仕事を正直にやってくれるような人間を求めている裕福な商人、貴族、国家、あるいは諸侯などがいつもいるものだが、そんな正直者は甚だまれであるという事情から、正直と誠実とは、貧しい者が立身出世するのにもっとも役だつ徳である
~中略~

 

私がつくった徳目の表は最初は十二項目しかなかった。
ところが、クエーカー教徒の友人が親切に言ってくれたのだが、私は一般に高慢だと思われていて、その高慢なところが談話のさいにもたびたび出て来る。
何か議論するとなると、自分のほうが正しいというだけでは気がすまないで、おっかぶせるような、むしろ不遜と言ってもいい態度があるとのことで、その実例をいくつもあげたので、わたしもなるほどと思った。
そこで私は他の悪徳や愚考と同時に、できることならこれを直したいものだと考え、謙譲の徳を表に加え、その語に広い意味をもたせたのである。

>>> ベンジャミン・フランクリン

フランクリン (著), 松本 慎一 (翻訳), 西川 正身 (翻訳)
フランクリン自伝
岩波書店 (1957/1/7)

フランクリン自伝 (岩波文庫)

フランクリン自伝 (岩波文庫)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2014/12/18
  • メディア: Kindle版

 

京都府 伏見稲荷大社

明徳

P58
人間の万苦は明徳のくらきよりおこり、天下の兵乱(ひょうらん)も又明徳のくらきよりおこれり。これ天下の大不幸にあらずや。聖人是(これ)をあわれみたまい、明徳を明(あきら)かにする教(おしえ)を立て。人の形(かたち)あるほどのものには学問をすすめたまえり。四書五経にのする所もみな是(これ)なり。(下 丁亥の春)

P64
倩(つらつら)世間の福(さいわい)を思いくらべるに、身やすく心たのしみ、子孫のさかえるを上(かみ)とす。
命(いのち)のながきを次とす。位(くらい)たかく富(と)めるを下(しも)とす。此(この)福(さいわい)の種は明徳仏性なり。此(この)種をまきて此(この)福を造(つく)る田地(でんち)は、人倫日用(じんりんにちよう)の交(まじわり)(住人注;日常生活の営みのなかにある)なり。(序)

中江藤樹 人生百訓
中江 彰 (著)
致知出版社 (2007/6/1)

中江藤樹人生百訓

中江藤樹人生百訓

  • 作者: 中江 彰
  • 出版社/メーカー: 致知出版社
  • 発売日: 2007/06/01
  • メディア: 単行本
伏見稲荷大社 京都府

愛するとは

 愛するとは、自分とはまったく正反対に生きている者を、その状態のままに喜ぶことだ。自分とは逆の感性を持っている人をも、その感性のままに喜ぶことだ。
 愛を使って二人の違いを埋めたり、どちらかを引っ込めさせるのではなく、両者のちがいのままに喜ぶのが愛することなのだ。
「漂泊者とその影」

超訳 ニーチェの言葉
白取 春彦 (翻訳)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/1/12)
151

超訳 ニーチェの言葉 (ディスカヴァークラシックシリーズ)

超訳 ニーチェの言葉 (ディスカヴァークラシックシリーズ)

  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2010/01/12
  • メディア: 単行本

 

P22
スイスにマクス・ピカートという哲学者がいました。この人は医師でもあって、一九六五(昭和四〇)年、七七歳で亡くなりましたが、ピカートが「愛とは、立ち止まることだ。ある一人の前に、しばし立ち止まることなく、時間を使うことなしに、愛をかわすことはできない」といっています(注)。
P24
(注)マクス・ピカート「愛情のある人間は、他の人々や、もろもろの事物のまえに、立ち止まる。そして、それらの人びとや事物に、時間を与える。それが、とりもなおさず愛なのだ。くりかえしていうが、時間と愛とは、相い依って一体をなすのだ」=佐野利勝訳「騒音とアトム化の世界」(一九七一年・みすず書房発行)より。

患者本位の病院改革
新村 明(著),藤田 真一(著)
朝日新聞社 (1990/06)

 

患者本位の病院改革

患者本位の病院改革

  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2021/10/28
  • メディア: 単行本

無明

恐怖は常に無知から生ずる エマーソン

大山 くまお (著)
名言力 人生を変えるためのすごい言葉 
ソフトバンククリエイティブ (2009/6/16)
P50

名言力 人生を変えるためのすごい言葉 (SB新書)

名言力 人生を変えるためのすごい言葉 (SB新書)

  • 作者: 大山 くまお
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2009/06/16
  • メディア: 新書

心病衆(おおし)といえどもその本は唯一つのみ、いわゆる無明これなり。
秘密曼荼羅十往心論 巻第一
心に関する悩みは多いといっても、その根源はただ一つしかありません。
無明です。つまり私たちは、何の明かりも燈さずに道を歩いている、無知な存在なのです。

空海 人生の言葉
川辺 秀美 (著)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/12/11)
心について三

空海 人生の言葉 (偉人の名言集) (ディスカヴァー携書)

空海 人生の言葉 (偉人の名言集) (ディスカヴァー携書)

  • 作者: 川辺秀美
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2014/10/16
  • メディア: 新書

 


玄侑 彼ら(住人注;6年生)なりに分らないことを分ろうとした時に、ある種の妖怪を思いつく。妖怪を極めている京極(住人注;京極夏彦)さんの前でお恥ずかしいですが、妖怪の発生形態は、意外と自己救済と結びついているんじゃないかと思ったんです。

京極 それは勿論そうです。不可解な事象を不可解なままで置いておくと不安だから、とりあえず名前をつけておけばいいやと。それが妖怪の始まりなんでしょう。

玄侑 宗久 (著)
多生の縁―玄侑宗久対談集
文藝春秋 (2007/1/10)
P19

多生の縁 玄侑宗久対談集

多生の縁 玄侑宗久対談集

  • 作者: 玄侑 宗久
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/03/24
  • メディア: 単行本

 

「知らない」ということは何とも致し方ないことである。
マリ・アントアネットが「貧乏人はパンを食べられないというが、パンがなければお菓子を食べれば良いのに」といったと言う。

日本人とユダヤ人
イザヤ・ベンダサン (著), Isaiah Ben-Dasan (著) (著)
角川書店 (1971/09)
P64

日本人とユダヤ人 (角川文庫ソフィア)

日本人とユダヤ人 (角川文庫ソフィア)

  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1971/09/30
  • メディア: 文庫

P46
~前略~
一九九 またその頭(頭蓋骨)は空洞であり、脳髄にみちている。しかるに愚かな者は無明に誘われて、身体を清らかのものだと思いなす。
~中略~
二〇六 このような身体をもちながら、自分を偉いものだと思い、また他人を軽蔑するならばかれは<見る視力がない>という以外の何だろう。

P217
一〇三三 師(ブッダ)が答えた、
    「アジタよ。世間は無明によって覆われている。世間は貪りと怠惰のゆえに輝かない。欲心が世間の汚れである。苦悩が世間の大きな恐怖である、とわたしは説く。」

ブッダのことば―スッタニパータ
中村 元 (翻訳)
岩波書店 (1958/01)

ブッダのことば―スッタニパータ (ワイド版 岩波文庫)

ブッダのことば―スッタニパータ (ワイド版 岩波文庫)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1991/01/24
  • メディア: 単行本

  無明(無理解)の状態において、心は反応する。刺激に触れたとき、心は反応して、感情が、欲求が、妄想が結生(けつしょう)する。結生した思いに執着することで、ひとつの心の状態が生まれる。その心の状態が生まれる。その心の状態が新たな反応を作り出す。その反応の結果、さまざまな苦悩が生まれる。
        菩提樹下の縁起順観 ウダーナ

反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」
草薙龍瞬 (著)
KADOKAWA/中経出版 (2015/7/31)
P138

反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」

反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」

  • 作者: 草薙龍瞬
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2015/07/29
  • メディア: Kindle版

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