2026年1月16日金曜日

オッカムの剃刀

春日 実際にはノイズ、あるいは例外みたいなもののほうが大事だったりするわけで、「すべてに当てはまる」なんていうマニュアル的なものは、現場では役に立たないんですよね。
~中略~
内田(住人注:内田 樹)自然科学や社会理論では、「オッカムの剃刀」という言い方があります。
単純で、できるだけ例外の少ない命題でいろいろなものを説明できるのがいい仮説だという話なんですが、僕にはそれがそんなにいいものには思えない。「この理論はここからここまでなら有効で、後は適用できない」ということのほうが現場の現実でしょう。「オッカムの剃刀」の「剃り残し」があってもいいと思うんですよ。
春日 まったくそのとおりですね。マニュアルはそれこそ「オッカムの剃刀」みたいに、剃り残しなんかまるでないかのように書いてありますが、それってたんに、無視しているだけなんですよね。
 精神科の場合は特にそうだと思いますが、マニュアルをつくるときにそういうノイズを削ぎ落としてしまって、ぜんぜん意味がなくなってしまうということは多いです。一見どうでもいいようなことが、じつは非常に重要だったりするわけだから、そこを削ぎ落とすとミもフタもなくなっちゃうんです。

「治らない」時代の医療者心得帳―カスガ先生の答えのない悩み相談室
春日 武彦 (著)
医学書院 (2007/07))
P173

「治らない」時代の医療者心得帳-カスガ先生の答えのない悩み相

「治らない」時代の医療者心得帳-カスガ先生の答えのない悩み相

  • 作者: 春日 武彦
  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2007/07/01
  • メディア: 単行本


熊本県 山鹿 平山温泉

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