社員は3倍働け、重役は十倍働く
これも、私がこの会社にきたとき発した言葉の一つだが、どう誤り伝えられたのか、「社長が重労働を強いるのか」という声があがった。その節私は、肉体労働はやらないが、頭脳の重労働はやると答えたのだった。
日本人は勤勉だという。私も否定はしない。日本がここまで高度成長をとげた要因の一つとして、たしかにこの勤勉が数えられるだろう。
しかしその勤勉は、どちらかといえば、肉体の勤勉だったのではないか。そうだとすれば、これからは頭脳の勤勉が求められることを、声を大にしていいたい。いわゆる労働生産性は、だんだん先進国に迫りつつあるが、もし頭脳の生産性が測れるとしたら、まだまだ見劣りするのではないか。ことにホワイトカラーの生産性は、はるかに低いといわざるをえない。
~後略
経営の行動指針―土光語録
土光 敏夫 (著), 本郷 孝信 (編集)
産能大出版部; 新訂版 (2009/10/15)
P4
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