2009年10月2日金曜日

「楽しい」は健康のもと 脳卒中リスク低、男性だけ

2009年9月30日 提供:共同通信社

 生活を楽しんでいる意識が高い男性は、脳卒中や心筋梗塞(こうそく)などの循環器疾患の発症、死亡リスクが低いとの調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎(つがね・しょういちろう)国立がんセンター予防研究部長)が30日、発表した。

 40~69歳の男女約8万8千人を約12年間追跡調査。開始時点のアンケートへの回答から、生活を楽しんでいる意識が「高い」「中程度」「低い」の3グループに分け、循環器疾患の発病や死亡との関係を分析した。

 意識の高いグループを基準にすると、中程度グループの発症リスクは1.20倍、低いグループは1.23倍、死亡リスクはそれぞれ1.15倍と1.61倍。女性では関連はなく、男性の方がストレスの影響を受けやすいためではないかという。
 意識の高いグループは、運動習慣のある人が多く喫煙者が少ないなど生活習慣の違いもあった。
 病気の影響で楽しいと感じなくなる場合もあるため、そうした可能性がある人を除外してさらに分析し、心理的要因が発病、死亡に影響を与えると判断した。
 担当した琉球大法文学部の白井(しらい)こころ准教授(社会福祉学)は「ストレスの多い社会だが、生活を楽しもうと意識し、楽しむ方法を自分なりに見つけることが大切だ」と話している。