2010年7月13日火曜日

参議院議員選挙2010

参院選の医師候補ら厳しく、37人中26人が落選
第22回参議院議員選挙の開票結果、医療関係候補者の当落まとめ(2010/7/12、2010/7/13 訂正)
2010年7月12日 星 良孝(m3.com編集部)


第22回参議院議員選挙が7月11日に投開票され、自民党が51議席を獲得し改選第1党となり、民主党を含む与党が過半数割れする結果となった。今回の選挙では、医師や薬剤師などの医療者、元厚労省幹部、患者団体の非営利組織(NPO)役員などを含めると、37人の医療関係者が立候補したが、26人が落選するという厳しい結果に終わった。新人医師候補に限ると、14人中13人が落選した。選挙区で新人医師の当選なし


 まず選挙区を見ると、民主党公認候補のうち当選したのは、宮城県選挙区(定数2)の現職、政策審議会会長で医師の桜井充候補、大分選挙区(定数1)の現職、厚生労働省政務官で医師の足立信也候補の二人に限られた。
 医療関係の新人候補は軒並み落選を強いられた。福島県選挙区(定数2)では、医師の新人、岡部光規候補が次点で落選したほか、鳥取選挙区(定数1)から同じく医師の新人、坂野真理候補が自民候補との事実上の一騎打ちで敗れた。医師以外の候補でも、埼玉選挙区(定数3)において、歯科医師の現職、島田智哉子候補が落選したほか、兵庫県選挙区(定数2)において、元厚労省職員の新人、三橋真記候補が落選し、広島県選挙区(定数2)で、非営利団体の「乳がん患者友の会きらら」世話人代表の中川圭候補が落選した。徳島選挙区(定数1)では薬剤師の吉田益子候補が競り負けた。
 選挙区と比例区を合わせて10議席を獲得したみんなの党は、医療関係者3人を新人候補として擁立していたが、いずれも落選した。選挙区で落選したのは、愛知県選挙区(定数3)の薬師寺道代候補、三重選挙区(定数1)の矢原由佳子候補のほか、熊本選挙区(定数1)の薬剤師、本田顕子候補である。新党改革の医師候補も落選した。千葉選挙区(定数3)の新人、古閑比佐志候補、大阪府選挙区(定数3)の新人、山分ネルソン祥興候補だ。千葉選挙区では、新人で薬剤師の清水哲候補も落選した。
 議席数を大幅に増やした自民党において選挙区の医療関係者は2人で、埼玉県選挙区(定数3)では関口昌一候補がトップ当選し、山形県選挙区(定数1)の現職、元厚労相副大臣の岸宏一候補が激戦を制した。
 共産党では、オピニオンリーダーとしてメディア露出の多かった現職の党幹事長で医師の小池晃候補(東京都選挙区)が接戦の末に敗れたことが大きい。


医療界の声、届ける難しさ
 比例区を見ると、民主党の医療関連候補は、現職の小林正夫候補(厚生委員会理事)、同じく現職の津田弥太郎(厚生委員会理事)、新人の歯科医師西村正美候補は当選したが、ほかの候補は当選がかなわなかった。日本医師連盟の推薦を受けた病院理事長で新人の安藤高夫候補が落選したほか、現職で医師の土田博和候補、現職で元決算委員会委員長、元薬害エイズ被害者原告代表の家西悟候補も落選した。
 自民党でも、医療関係の候補は厳しい結果となった。元日本看護協会で、新人の高階恵美子候補、元参院議員で元厚生政務官の藤井基之候補、新人で医療団体役員の赤石清美候補は当選したが、現職の元政治倫理公職選挙法特別委員会理事で医師の西島英利候補が、日医の支援を受けていたものの落選したほか、衆議院議員からの鞍替え組としては、元厚労相副大臣の木村義雄候補が落選した。
 そのほかの党では、公明党から、新人で医学博士の秋野公造候補が当選したほかは軒並み苦戦。国民新党からは、新人で医療法人理事長の後藤俊秀候補が落選。共産党からは、新人で医療法人役員の森正明候補が落選、みんなの党からは、元衆議院議員で日医の支援を受けた、医師の清水鴻一郎候補が落選した。新党改革では、新人で自衛隊医官の中村幸嗣候補が落選した。
 今回の選挙においては、日医が民主党推薦の方針を打ち出したことのほか、新党の結党の流れもあり、医療関係の候補者が幅広い党から出馬した。だが、いずれも苦戦。医療界が政治の場に自らの要望を届けることの難しさが浮き彫りになった。

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