2010年1月8日金曜日

「中医協議論への政治的圧力、由々しき発言」、日医が足立政務官を批判

2010年1月7日 村山みのり

日本医師会は、1月7日の記者会見において、2009年12月27日に共同通信による「厚生労働省は再診療について、現在710円の診療所を引き下げる一方、600円の病院を引き上げて650円前後で一本化する考えを示した」とする報道、まだ2010年1月6日付メディファクスにおける足立信也・厚労大臣政務官が「『病院の点数を診療所に合わせる判断を中医協がすることはあり得ない』と述べ、現行の診療所の点数は引き下げることになるとの見通しを示した」との記事について、「報道をきっかけに既成事実化しようとしているようであり、極めて遺憾」、「厚労大臣の諮問機関である中医協の議論に対し、政務官の立場から政治的に圧力をかけるものであり、中医協を軽視した由々しき発言」と批判した。
 再診料の見直しについては、昨年12月に中医協で「『一物一価』の観点から病院・診療所で一本化する」との方針が合意されたが、遠藤久夫会長は「今後、具体的な点数設定の議論において意見が分かれる可能性がある」とコメントしていた。実際、診療側は「高い方に低い方を合わせるか、適正評価の観点から現在より高い点数で一本化する」ことを合意の条件としているのに対し、支払側は12月22日に提出した意見書に「診療所を引き下げ、病院を引き上げる形で統一を図るべき」と記載しており、統一の方法や点数の設定については今後議論することとなっていた。なお、足立政務官は12月23日夕方に行われた厚労大臣記者会見においても、「再診料も病院と、診療所を合わせるという中医協の合意もありましたし、再診料が下がるという」と発言している。
 また、足立政務官は、再診料を引き下げて得た財源で、不採算の診療科を「手厚く加算すればよい」と述べたと報じられているが、これについても常任理事・中川俊男氏は「特定の診療科が算定できる加算を設けることを示唆しているが、再診料はすべての診療科に共通の技術料・経営コスト。例えば小児科に加算を付けたとしても、小児科診療所でも再診料は下がるため、意味がない。時間外診療を手厚く評価するとの意見も聞かれるが、時間外・救急をしないと経営ができないのは異常。いかに医療の現場を見ていないかは明らか」と批判した。
 常任理事・中川俊男氏は、「中医協の中ではいまだ議論の途上で、基本診療料についても十分な議論は尽くされていない。また、足立政務官は外来管理加算についても『選択肢の一つはいらないということ』と廃止に言及し、中医協で合意されていない内容にまで踏み込んでいる。今回の発言は中医協の議論に政治的に介入し、圧力をかけたもので、重大な問題。日本医師会は、こうしたやり方を断じて容認することはできない」と問題視。
 また、改定率について「大幅なプラス改定が可能な状況ではなかった」とする発言についても「民主党の公約における『総医療費対GDP比をOECD加盟国平均までの引き上げ』は診療報酬を10%引き上げることに相当する。また足立政務官は診療報酬を『少なくとも3.16%は戻さなくてはいけない』と発言していた。にもかかわらず、この期に及んでこのような発言はいかがなものか。厚生労働省の政務官として、発言の重みを肝に銘じていただきたい」と述べた。
 日医は、再診料引き下げについて「診療所の収入の8.5%は再診料。再診料には、医師の技術料のほか、看護職員やコメディカルの人件費、減価償却費、光熱水費、事務経費などが含まれる。再診料の重みの大きい診療所にとって、引き下げは医業経営上きわめて大きな打撃」として強く反対。また、再診料統一については「病院の再診料を引き上げて診療所の点数に統一していく方針に賛成」との方針を示しつつ、現在の点数は病院・診療所いずれも不十分であり、本来はともに引き上げを行うべきであること、一方で2010年度改定の財源が限られていることから、まず今回は病院の点数を引き上げて診療所の水準に近付け、次回以降の改定でより高水準に統一するなど、段階的に統一を図っていくことを提案した。

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ちなみに歯科の再診料はもっと低く、400円である。
これで、医科同様の経費に加え、器具の消毒、紙コップに加え近年では手袋の装着経費もこの中に含まれ、ほとんど何十年も増加していない。
このことを日本歯科医師会や、行政は語っていないことを国民の皆さんに知っていただきたい。
一つ一つの医療行為のコスト計算を行えば、現状の医療がいかに不採算であるかご理解いただける。