2025年8月18日月曜日

害のある創造性もある

 言うまでもないが、創造性は美徳として、また社会の進歩を促す重要な原動力として、何かにつけて称賛される。創造性は、個人だけでなく、企業や社会にとっても、何としてでも手に入れたい特性だ。わたしたちはイノベータ―を称賛し、独創的思考のもち主に羨望や嫉妬の目を向け、既成概念にとらわれた人にはかぶりをふる。
 それにはもっともな理由がある。創造性は、新しい手法や解決策への扉を開くことで、問題解決能力を高めてくれる。人類はこれまで創造性に助けられて、上下水道から太陽光パネルまで、超高層ビルからナノテクノロジーまで、さまざまな発明品を生みだし、世界を(必ずではないにせよ)有益な方法で変えてきた。
~中略~
 だがそれは真実の一端に過ぎない。創造性は、厄介な問題を解決する斬新な方法を生み出す助けになるのと同じように、規則をかいくぐる独創的な方法を生み出し、情報を自分勝手な方法で解釈し直す助けにもなる。創造的思考をはたらかせることで、欲張りな願望をかなえる口実を思いついたり、自分が悪漢ではなくいつも英雄であるような物語を創作することができる。

ずる―嘘とごまかしの行動経済学
ダン アリエリー (著), Dan Ariely (著), 櫻井 祐子 (翻訳)
早川書房 (2012/12/7)
P212

ずる 嘘とごまかしの行動経済学

ずる 嘘とごまかしの行動経済学

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2013/01/25
  • メディア: Kindle版

 

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