2026年4月24日金曜日

「人」は「機械」ではない

生きたものを認識し記述しようとするものは、
まず、執拗に生きものから魂を取り除く。
次に、手に入れた各部分を分類する。
しかし、気の毒なことに、精神的なつながりは欠けている。
科学ではそれを「自然の働き」と呼ぶ。
それがどれほど、みずからをあざけり侮辱するものであろうとも。
ゲーテ「ファウスト」第一部

小阪裕司 (著)
リーダーが忘れてはならない3つの人間心理
フォレスト出版 (2010/3/10)
P109

リーダーが忘れてはならない3つの人間心理 (Forest2545Shinsyo 10)

リーダーが忘れてはならない3つの人間心理 (Forest2545Shinsyo 10)

  • 作者: 小阪裕司
  • 出版社/メーカー: フォレスト出版
  • 発売日: 2010/03/10
  • メディア: 新書

「アインシュタインの理論的思考能力と、ガンジーの忍耐力と、電子計算機の計算能力を持ち、すべて合理的に判断して行動するホモエコノミクス」ととらえれば、このようなソリューション(住人注;休憩場所に自然物(緑、魚など)を置く、座ってタバコを吸える環境を提供する、騒音を減らす)を実施することはナンセンスであろう。
 しかし、ほとんどすべての人間はホモエコノミクスではない。合理性とは別のセオリーに基づいて行動しているので、右のようなソリューションは有効である。
ホーソン効果という言葉を聞いたことがある人も多いかもしれない。これは、働く人たちの作業効果は、労働時間と賃金ではなく、周り関心と上司の注目に最も大きな影響を受けるという理論である。
~中略~
「労働環境に配慮するほど、会社は私たちのことを考えてくれている」というメッセージが伝わることが、モチベーションの面で非常に重要である。

ビジネスマンのための「行動観察」入門
松波 晴人 (著)
講談社 (2011/10/18)
P225

 

ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)

ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)

  • 作者: 松波晴人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/09/28
  • メディア: Kindle版

 

 

山折 ~前略~ だけどね、DNAの存在を自分の中に本当に実感した人はそんなにいないのではないか。理屈ではその実在を信じているけれども、実感はしていない。
ところがそれとは反対に、たとえば映画を観て感動するとか、スポーツをしていて身体の高揚を感じるとか、そんな時人間は得体の知れないエネルギーを身内に実感する。霊的なパワーといってもいいかな。
これは実感はできても、おそらく客観的にその存在を証明することはできないでしょう。

客観的に実在が証明されたDNAは実感できないのに、実在を証明できないものの方が実感できる。
人間の持つこのような矛盾が、そもそも生命の実体ではないかと私は思うんです。
やはり曖昧ですよね
山折 哲雄

玄侑 矛盾を肯定的に認めるのは、思想を先鋭化させない一つの手段じゃないでしょうか。矛盾とか曖昧さを肯定できれば、戦争も起きないかもしれませんね。

玄侑 宗久 (著)
多生の縁―玄侑宗久対談集
文藝春秋 (2007/1/10)
P46

多生の縁 玄侑宗久対談集

多生の縁 玄侑宗久対談集

  • 作者: 玄侑 宗久
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/03/24
  • メディア: 単行本
 

P69
 もし食物を飲み損ねて胸でずるずるいっているときは、目をつぶって待っているか、気を紛らわすために、テレビの前で待つ。もちろん何をやっているかは問題でない。
運がよければついには咳とともに大量の痰がでてケロリと楽になる。でも運が悪いと苦しみは二、三時間は続く。その間は、祈るような気持ちでひたすら待たなければならない。食うということがこんなに大変なことかを思い知った。
 解剖の本を開いて、飲み込むために必要な筋肉と神経を調べたが、複雑すぎてわからない。私たちはこんなに複雑な機構を駆使して、ものを食べていたのだ。摂食というあまりにありふれた行動が、これほど複雑な神経支配と沢山の筋肉の共同作業で行われていることの発見は、生命の神秘にさえ見えた。
 同時に、こんなところまで壊れてしまったとは、機械としての人間がもう用をなさなくなったと絶望した。
同じことは発音、発声、構音にもいえる。私は原音は作れるが、それを加工して言葉にすることができない。
いままで当然のこととして会話していたのが、やはり多くの筋肉が、異なった神経によって動かされ、しかも感情の赴くままに声になっていたのだ。
生命活動はこうして統合されて一つの行動になる。大変なことだ。

P130
身体についても新しい発見がある。たとえば頬の痒みを掻くと麻痺した手が不随意に動く。あくびと同時に、麻痺した腕の筋肉が緊張する。猫のあくびと同じだ。
いわゆる錐体外路の神経が活動するからだろうか。麻痺で不随意になっても、人間の運動系は一体になって動いていることが実感としてわかる。

こんなことも健康なときは気づかないで、何でも細分化すれば理解できると思っていた。
医学を学んだ身として愚かなことだった。  

寡黙なる巨人
多田 富雄 (著), 養老 孟司 (著)
集英社 (2010/7/16)

寡黙なる巨人 (集英社文庫)

寡黙なる巨人 (集英社文庫)

  • 作者: 多田富雄
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/10/03
  • メディア: Kindle版

 人間のあやまちこそ人間をほんとうに愛すべきものにする。
   (「格言と反省」から)

ゲーテ格言集
ゲーテ (著), 高橋 健二 (翻訳)
新潮社; 改版 (1952/6/27)
P7

ゲーテ格言集(新潮文庫)

ゲーテ格言集(新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/04/22
  • メディア: Kindle版

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