P226
「太刀づかいに、強い太刀、弱い太刀というような区別があっていいはずがない。
強く、と思って振る太刀は荒っぽい太刀になる。荒いばかりではかてるものではないのだ。
また、強い太刀といったところで、人を斬るとき無理に強く斬ろうとすれば斬れるものではない。試し斬りなどのときでも、強く斬ろうとすればうまくゆかないものである。
敵と斬りあうとき、これは強く斬ってやろうとか、これは弱くなどと思うはずがないではないか。ただ敵を斬り殺そうと思うばかりであって、強くとか弱くとかは考えない。
敵が死ぬようにと、これだけを思うのである」
(他流において強みの太刀ということ)
P232
「力を強く入れた太刀づかいで相手の太刀を打ちこめば、どうしても打ち過ぎてしまい、悪い結果となるだろう。相手の太刀に強くあたった自分の太刀は、動きが遅れてしまうからである。
集団の合戦にしても同じことである。こちらが強い軍勢を用意して、闘いに強く勝とうとすれば、敵も備えを強くするし、強い闘いをしようとするだろう。敵も味方も同じことである」
(他流において強みの太刀ということ)
奈良本 辰也 (著)
宮本武蔵 五輪書入門
学習研究社 (2002/11)

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