四摂法(ししょうぼう)を行えということは、仏教で最初から説くことですが、四摂法というのは、人々を救うために人々を摂(おさ)めて守る四つの仕方、四つの包容の態度ともいえます。
第一は布施。その場合には、物質的なものでもいいし、あるいは精神的な雰囲気を人に与えることになります。
第二は愛護。だれにたいしても優しく、愛情のこもったことばをかけること。
第三に利行。人々のためになることを行なうこと。
第四に同事。ことを同じくすることです。人々はお互いに人々と連関のなかで生きているわけですから、お互いに協力することが必要です。
布施・愛護・利行・同事、この四つは人々とつきあっていくためにはぜひ必要なことですが、自分の利益のためにそういうことをするのではない。そうではなくて、一切の生きとし生けるもののために、「無愛染心」愛着の心もなく、「無厭足心」嫌になって飽きてしまうというような心もなく、「無罣礙心」さわり、とどこおりのあるような心もなく、広々とした気持ちで、生きとし生けるものを受け入れましょう。
つまり、自分が何かになりたいとかいうようなつもりで人々を助けるのではない、広々とした気持ちで人々を救いましょうというのです。
『維摩経』『勝鬘経』 (現代語訳大乗仏典)
中村 元
(著)
東京書籍 (2003/06)
P102
『維摩経』『勝鬘経』 (現代語訳大乗仏典) (現代語訳大乗仏典 3)
- 作者: 中村 元
- 出版社/メーカー: 東京書籍
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: 単行本
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