2026年7月1日水曜日

自己愛性パーソナリティ障害

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自己愛を満たそうとすること自体は、少しも不健康な状態ではありません。
問題は、大人になっても「未熟な自己愛」を抱えている人です。
 そういう人は、他人を愛することの大切さを知らないので、他人も自分の自己愛をなかなか満たしてくれません。すると自己愛が傷つくので、自分を相手にしてくれない他人を恨んだりすることもあるでしょう。
 それが病的なレベルにまで達したのが、「自己愛性パーソナリティ障害」にほかなりません。この患者は、あまりにも自己愛が傷つきやすいため、まともな人間関係を築きにくくなります。

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では、自己愛性パーソナリティ障害には、どんな治療が有効なのでしょう。
 フロイトの自我心理学では治療対象になっていませんが、もし、その「外科医モデル」で対応するとしたら、分析家が患者の心のあり方を「解釈」してやることになるでしょう。
「あなたは自我が未熟だから、自己愛が子供のように傷つきやすいのです」
 というわけです。
これでは、「あなたは大人になりきれていない」と批判されるようなものですから、自己愛性パーソナリティ障害の患者は分析によって自己愛が傷つき、その場で症状が出てしまうかもしれません。
分析家が悪意を持って自分を攻撃していると感じ、はげしく反発する可能性があるのです。~中略~
 そうなると、治療を継続することもできません。「だから自我を鍛え直しなさい」などといわれても、ますます自己愛が傷ついて反発するばかりです。

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 傷ついた自己愛を癒やすのに必要なのも、まずは共感でしょう。自分が「すごい」「すばらしい」と思っていることを他人にも認めてもらえたときに、自己愛は満たされます。
成長過程の子供が自信を身につけることができるのも、親に「あなたはすごい」「間違っていない」と褒められたり勇気づけられたりするからでするからです。
 逆に、幼少期にそのような経験が少ないと、大人になってからも自己愛が成熟しません。それが自己愛性パーソナリティー障害を生むひとつの要因だろうとコフートは考えました。
 ならば、分析家の役割は「親」の代わりに患者の心を育て直すことです。
患者に共感を示し、褒めたり勇気づけたりすることで、まずは傷ついた自己愛を満たしてやる。

自分が「自分」でいられる コフート心理学入門
和田 秀樹 (著)
青春出版社 (2015/4/16)

京都府 神護寺

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