「不請」とは、請い求められない、ということであって、「不請の友」とは、他人から請い求められるのを待っているのではなく、他人のために、みずから進んでつくす友という意味ですが、この「不請の友」を聖徳太子は、次のように説明しています。
「「友」は、是れ相救ふことを義と為す。然れども請うて後に救ふは、即ち真の「友」に非ず、故に「作不請之友」と云う。
菩薩の、物(衆生)を化するは、慈母の嬰児に就くが如し。故に「為世法母」と云ふ」。(前掲「勝鬘経義疏」五〇ページ)
つまり、この不請の友のことを、慈母が児のためにそそぐ愛情のような心をもった友のことであると述べているのです。
『維摩経』『勝鬘経』 (現代語訳大乗仏典)
中村 元(著)
東京書籍 (2003/06)
P110

『維摩経』『勝鬘経』 (現代語訳大乗仏典) (現代語訳大乗仏典 3)
- 作者: 中村 元
- 出版社/メーカー: 東京書籍
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: 単行本
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