毀誉得喪は、真に是れ人生の雲霧なり。
人をして昏迷せしむ。
此の雲霧を一掃すれば、則ち天青く日白し。
「言志耋録」第二一六条
佐藤 一斎 著
岬龍 一郎 編訳
現代語抄訳 言志四録
PHP研究所(2005/5/26)
P237
人から中傷されようが誉められようが、得しようと損しようと、
そんなものは人生の雲や霧のようなものである。
ましてや、このようなもので心を暗くし、道を迷ってはつまらない。
この雲や霧をさらりと払いのければ、よく晴れた青空のように人生は明るいものとなる。
晴れてよし 曇りてよしの 富士の山 もとの姿は 変わらざりけり
山岡鉄舟
他人から批判されたりマイナス評価を受けたりしても、「どうせ自分なんて・・・」と、劣等感を刺激されてうろたえることのないように。
他人から褒められたり賞賛されたりしても、「やっぱり私って能力があるでしょう、やっとわかってくれた?」とばかりに、鼻持ちならぬ優越感を刺激されて傲慢になることのないように。
他者からの評価により生じる快・不快など、脳内で生み出される幻にすぎない。
ゆえに、褒められたいというケチな欲望を取り除き、貶(けな)されるのはいやだという怒りを取り除くこと。
経集928
超訳 ブッダの言葉
小池 龍之介 (著)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2011/2/20)
〇三一
自分への評価を気にするばかりに、聞き耳を立てるのはよくない。
なぜなら、人間というのは間違った評価をされるのが普通のことだからだ。自分が望むように評価してくれることなんかほとんどない。
~中略~
他人がどう思っているかなんてことに関心を向けては絶対にいけない。
そうでないと、本当は嫌われているのに、部長だの社長だの先生だのと呼ばれることに一種の快感や安心を覚えるような人間になってしまう。
「人間的な、あまりに人間的な」
超訳 ニーチェの言葉
白取 春彦 (翻訳)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/1/12)
002
人のほめ・そしりには、道理にちがへる事多し。ことごとく信ずべからず。
おろかなる人は、き(聞)くにまかせて信ず。人のいふ事、わが思ふ事、必(ず)理にたがふ事おほし。
ことに少年の人は、智慧くらし。人のいへる事を、ことごとく信じ、わが見る事をことごとく正しとして、みだりに人をほめ・そしるべからず。
和俗童子訓 巻之二
総論 下
養生訓・和俗童子訓
貝原 益軒 (著), 石川 謙 (編さん)
岩波書店 (1961/1/5)
P235
七〇二 村にあっては、罵られても、敬礼されても、平然とした態度で臨め。(罵られても)心に怒らないように注意し、(敬礼されても)冷静に、高ぶらずにふるまえ。
ブッダのことば―スッタニパータ
中村 元 (翻訳)
岩波書店 (1958/01)
P153
P200
見る人の心々にまかせおきて
高根にすめる秋の世の月
P224
自分の名誉を毀損する人に対し、彼等は人の悪口を言うて、自ら快とし、罵詈讒謗(ばりざんぼう)をもって、飯を食う種子(たね)とするのであるから、気にかける値がない。世の中にあれば歩く間にも塵挨(じんあい)を被(こう)むる、雨にも降られる。善事がなくって人の誉れを受けることもあるからは、悪事がなくって人の謗(そし)りを受くることも浮世の習い、人生はかくのごとくプラス、マイナスでできておる。
したがって、人の非難を受くるは、一向に意に介するに足らぬと、極めて冷淡に無頓着の態度を取るのである。これは豪傑肌の人にもあるが、むしろ君子肌の温和な人に多い。
折々は濁るも水のならひぞと
思ひ流して月は澄むらん
修養
新渡戸 稲造 (著)
たちばな出版 (2002/07)
信用というものは妙なものだ。ただひとりの言うことを聞くと、まちがったり誤解したりしていることがある。 多くの人の言うことを聞いてみても、やはり同じ事情にある。
普通、多ぜいの言うことを聞くと、全く真相を聞き出すことができない。
(「格言と反省」から)
ゲーテ格言集
ゲーテ (著), 高橋 健二 (翻訳)
新潮社; 改版 (1952/6/27)
P32
ここで私が言いたいことは、「ビジネスする相手を、現時点の世間の評価だけで判断するな」ということである。
~中略~
ある会社や、個人が、みんなから悪口を言われて、たいへん厳しい状況にあるとき。そんなときこそ、投資を検討するまたとない機会だ、
なぜならば、人は苦境に苦しんでいるときに応援してくれた人のことを、けっして忘れないものだからだ。
僕は君たちに武器を配りたい
瀧本 哲史 (著)
講談社 (2011/9/22)
P252
四 公益を目的とするのでないかぎり、他人に関する思いで君の余生を消耗してしまうな。
なぜならばそうすることによって君は他の仕事をする機会を失うのだ。
マルクス・アウレーリウス 自省録
神谷 美恵子 (著)
岩波書店 (2007/2/16)
P37
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