2026年1月21日水曜日

世界的食料争奪戦

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 農業就業人口が大きく減った大きな要因は、戦後の日本農業を引っ張ってきた昭和一桁生まれの人々が引退したこと、すなわち高齢化だ。農業就業人口の平均年齢は66.4歳となり、65歳以上の占める割合が63.5%になった。1995年の平均年齢は59.1歳だから7.3歳の上昇だ。世代交代が進んでいないのである。

P133
 農地面積は1961年には608万6000ヘクタールを数えたが、2015年は449万6000ヘクタールまで減った。荒廃農地抑制や再生がこのまま進まなければ、2025年の農地面積が420万ヘクタールに落ち込むとの推計を、この資料(住人注;「荒廃農地の現状と対策について」(2016年))が明らかにしている。農業就業者も減り、農地面積も減ったのでは収穫量は当然落ち込む。
 農業は産業の特殊性も考えなければならない。後継者不足による食糧生産量の減少は、国家の安全保障問題とも直結するということだ。というのも、世界は人口爆発の趨勢にあり、それが地球規模での深刻な食糧不足をもたらす。食料の海外依存が大きくなれば、将来的に国際舞台での日本の発言力は著しく低下する。

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 農水省の「2050年における世界の食料需給見通し」(2012年)は、2050年時点での世界人口を養うために要する食料生産量を2000年比で試算している。それによれば、1.5倍に引き上げなければならないという。それはつまり、日本がこれまで通りの食料輸入を続けられるか分からなくなるということだ。
~中略~
 このように、品目別に見れば例外は存在する。だが、国家単位で食糧確保を考えたとき、2050年頃の日本が世界的な食料争奪戦に巻き込まれることは避けられない。

 

 

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること
河合 雅司 (著)
講談社 (2017/6/14)

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