2025年11月18日火曜日

儲からないとやる気もでない

  豊かな労働の報酬が増殖を刺激するように、同じく庶民の勤勉をも増進させる。
労働の賃金は勤勉の刺激剤であって、勤勉というものは、他の人間のすべての資質と同じように、それが受ける刺激に比例して向上するものである。
生活資料が豊富であると労働者の体力は増進する。また自分の境遇を改善し、自分の晩年が安楽と豊富のうちに過ごせるだっろうという楽しい希望があれば、それは労働者を活気づけて、その力を最大限に発揮させるようになる。
そういうわけで、賃金が高いところは低いところよりも、たとえば、イングランドはスコットランドよりも、大都市の周辺は遠隔の農村地方よりも、職人がいっそう活動的で、勤勉で、しかもきびきびしているのを、われわれはつねに見出すであろう。


国富論 (1)
アダム・スミス (著), 大河内 一男 (翻訳)
中央公論新社 (1978/4/10)
P138

国富論 1 (中公文庫 D 20)

国富論 1 (中公文庫 D 20)

  • 作者: アダム スミス
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1978/04/10
  • メディア: 文庫

 

第16番 清水寺本坊庭園  福岡県

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