つまり、男性のほうが女性よりも競争が好きで自信過剰だから、同じ実力であれば男性のほうが昇進競争に参加することが多くなる。 この結果、昇進競争の勝者である管理職の比率も男性のほうが多くなる。
自信過剰であることは、競争への参加率を高めるだけでなく、好ましい側面もある。 ジョン・メイナード・ケインズがその著書「雇用・利子および貨幣の一般理論」で指摘したアニマル・スピリットというのは、いわば根拠のない自信が企業家に投資を行わせるというものである。そういう人の存在が、経済成長を引き起こす原動力になる。
合理的な予想をして、損をしないと確信できるプロジェクトだけに挑戦する人ばかりでは、新しいビジネスは生まれないし、経済成長も引き起こされない。誰も予想しなかった商品やサービスの開発が、人々の消費意欲を刺激するのである。
~中略~
成功する確率さえわからないプロジェクトに挑戦するというのは、自信過剰でないと無理だろう。似たことは、科学者の世界でもあるようだ。 iPs細胞(人工多能性幹細胞)を創り出した京都大学の山中伸弥教授は、そのような細胞を創り出すのに何年かかるかわからなかったという。
理化学研究所の生命科学者で革新的な研究成果をあげている上田泰己氏は、若い研究者へのアドバイスとして、「無根拠な自信」が科学研究には重要であると述べている7。
競争と公平感―市場経済の本当のメリット
大竹 文雄 (著)
中央公論新社 (2010/3/1)
P33
競争と公平感: 市場経済の本当のメリット (中公新書 2045)
- 作者: 大竹 文雄
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/03/25
- メディア: 新書
相手から批判や注意の言葉を受け止めるときに、こちらが卑屈になる必要はない。
「自分が悪いんだ」「責任は自分のほうにある」などとまで思って、自分を落ち着かせたり、相手の言い分を受け止めたりする必要はない。
人生は卑屈になるより、根拠がなくても自信を持つほうがうまくいく。自分をどこまで信じられるかが人生の分かれ目といっても過言ではない。成功者とは、自分の能力を信じて、それを向上すべく努力し続けられる人だと思う。
~中略~
自分を責めたりすることより大事なのは、自分の目的をはっきりさせることである。
頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法
田村耕太郎 (著)
朝日新聞出版 (2014/7/8)
P188

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