現行法では法務大臣は、死刑の判決がでたものに対しては六ヶ月以内に刑の執行をしなければならないことになっているという。しかしそれを個人の良心として拒否する道がないのではない。
それは総理大臣から法務大臣就任の要請を受けた時、それを断るという方法である。それだけが合法的に、自分の思想や立場をはっきり示すやり方だ。
しかし大臣という要職にには就きたい。でも死刑執行に署名だけはしたくない、という甘えた選択だろう。もし人の生死に責任ある形で関与したくないのだったら、世間にたった一つ法務大臣という役職にだけは就かないという道が合法的に残されていたのである。
人生の原則
曾野 綾子 (著)
河出書房新社 (2013/1/9)
P222

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