岩村暢子さんの食の崩壊3部作、「変わる家族、変わる食卓」(略)、「<現代家族>の誕生」(略)、「普通の家族がいちばん怖い」(略)を読むと、もうすでに「コンビニ第2世代」が育っていることがわかる。つまりコンビニ弁当で育った世代が、親になって自分たちの子どもを同じように育てる第2ラウンドが始まっているのだ。
~中略~
少し前は同じ釜のメシを家族みんなが同じ食卓で食べた。もう少したったら、同じ釜のメシを、家族がそれぞれ時差出勤でばらばらに食べるようになった。
中食時代には、「同じ釜のメシ」を食べる理由はまったくなくなった。家族を「共食共同体」と呼ぶが、べつべつの食べ物を食べていても、食卓をともにしていればそれでよい、という考え方もある。
柳田国男は、「小鍋立て」を家族崩壊のサインと読んだ。「個食化」もその指標のひとつだ。 小鍋立てとは、小鍋を火鉢などにかけて、少人数あるいはひとりで料理をつくること。柳田が「明治大正史世相篇」でこの現象を論じた1930年代には、すでに個食化が始まっていたのだ。
もはや家族が食文化の担い手である時代は終わったのかもしれない。
男おひとりさま道
上野 千鶴子 (著)
文藝春秋 (2012/12/4)
P183

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