不整脈を治療する抗不整脈薬には非常に多くの種類があって、お医者さん、場合によっては循環器のお医者さんでも不整脈を専門としない人は苦手とするところです。分かりやすくするために、抗不整脈薬を5つのタイプに分類してみましょう。
~中略~
心臓の興奮で重要となるイオンは3つ、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンです。したがって、心臓の興奮に重要なチャンネルはナトリウムチャンネル、カリウムチャンネル、カルシウムチャンネルの3つになります。
これらを抑制(ブロック)する薬物がそれぞれあります。このような薬をそれぞれ、ナトリウムチャンネルブロッカー、カリウムチャンネルブロッカー、カルシウムチャンネルブロッカーと呼び、抗不整脈薬の5つのタイプのうち3つに相当します。
こう不整脈薬には、もうひとつ重要なタイプがあります。~中略~ 運動したり興奮した時、鼓動が速くなることからも分かるように、交感神経が不整脈と深くかかわっています。
この交感神経の働きを抑制する薬を、「ベータブロッカー」と呼びます。交感神経の受容体にはアルファ受容体とベータ受容体という2種類がありますが、心臓で重要なのがベータ受容体の方なのでこれを抑制(ブロック)する薬をベータブロッカーと呼ぶのです。これが4つめの抗不整脈薬です。
これ以外に、以上の4つには分類されない抗不整脈薬があります。~中略~ 第5のタイプ()住人注;その他の抗不整脈薬)に属する薬で心房細動の治療で使われるのは、「ジギタリス」と呼ばれる薬です。
心房細動のすべて ――脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章
古川 哲史 (著)
新潮社 (2018/12/14)
P95
心房細動のすべて ――脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章 (新潮新書)
- 作者: 古川 哲史
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/12/14
- メディア: 新書
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