普段は誰かのために自己犠牲をいとわず真面目に働く、という人が、いったん不公平な仕打ちを受けると、一気に義憤に駆られて行動してしまうのです。 自らの損失を顧みず、どんな手段を使ってでも、相手に目にもの見せてくれようと燃え立ってしまうというわけです。 そして実は、日本人の脳にあるセロトニントランスポーターの量は、世界でもいちばん少ない部類に入ります(~略~)。 ようするに、世界でも、最も実直で真面目で自己犠牲をいとわない人々ではありますが、いったん怒らせると何をするかわからなくなるということです。 この性質が、第二次世界大戦で恐れられた「カミカゼ」を支えた心理の裏にはあったと考えられ、その遺伝子は脈々と私たちの中に受け継がれていると言えます。
空気を読む脳
中野 信子 (著)
講談社 (2020/2/20)
P20
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