毎朝、まず熱い湯で目を洗い温める。鼻の中をきれいにする。ぬるま湯で口中をすすいで前日からの汚れを出す。干した塩を使い上下の歯と歯茎を磨き、熱湯を使い十分すすぐ。
~中略~
そのあと、別の塩湯で目と口を洗い直し、口をすすぐ。毎朝、これをしておけば歯は丈夫で老年になっても歯は抜けない。
視力も衰えず、老いても眼病にかからず夜でも細かい文字を読んだり書いたりすることができる。
わたしも毎日これを実行しているので、八十三歳になっても細かい字を読み書きできるし、歯も一本も抜けていない。そして爪楊枝も使うこともない。
養生訓 現代文
貝原 益軒 (著) , 森下 雅之 (翻訳)
原書房 (2002/05)
P141
人に良い印象を与えようと思ったら、清潔であることが殊に大切だ。君は、手や爪をいつもきれいにしているか。
歯は、毎日、毎食後必ず磨いているだろうか。歯は時に大切だ。
いつまでも自分の歯で噛めるためにも、あの耐え難い痛みを経験しないですむためにも、注意を怠ってはならない。
それに歯が悪くなると、嫌な臭いを発するようになるから、、周りの人に対しても失礼だ。
父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章
フィリップ・チェスターフィールド (著), 竹内 均 (翻訳)
三笠書房 (2011/3/22)
PP223
父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章 (知的生きかた文庫)
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2011/03/22
- メディア: 文庫
毎朝一回歯を清め口を清むるは普通の人の為す所であるが、毎食後に歯を清め口を清めたなら、その人は必ず普通の人よりも齲歯その他の口内の疾患との距離を多くし得るに疑いない。
(明治四十四年十一月)
努力論
幸田 露伴 (著)
岩波書店; 改版 (2001/7/16)
P152
十年前から慢性のじんましんに悩まされている五十六歳の男性患者さんがいた。
診療室に入って来た時点からわかるほど、タバコの臭いの混じった強い口臭を持っていて、聞けばヘビースモーカーで、ひどい歯槽膿漏だという。 口の中には、たくさんの義歯。検査をしたら、案の定金属アレルギーもあることがわかった。 しかしこの患者さんに特徴的な点は、歯の金属に一切手をつけなくても、じんましんが治ったことだ。つまり、歯槽膿漏の治療をして、歯みがきをきちんとおこなうことを徹底したのである。
彼が患っていたのは、「病巣感染」というもので、歯の根っこや口の中や喉に住んでいる(その場所では特段何の悪さもしない)菌に対して、アレルギー反応を起こすという病気である。
金に対するアレルギー反応で、じんましんが出る以外にも、体のほかの場所で症状を出すこともある。
原因となる菌は、おもに連鎖球菌、ブドウ球菌などの常在菌である。
~中略~
この病巣感染という状態を起している人は、慢性の難治性皮膚疾患の患者に非常に多いと考えられる。
いろいろな皮膚病の原因として口腔内の衛生環境の悪化が想定されている。特に慢性じんましんや尋常性乾癬、掌蹠膿疱症ではその主たる原因であるという報告も多い。
なぜ皮膚はかゆくなるのか
菊池 新(著)
PHP研究所 (2014/10/16)
P194
0 件のコメント:
コメントを投稿