2025年11月29日土曜日

顔に出たら負け

P252
  ビジネスでは、相手の手の内を読めるか否かが成功の鍵だ。
 自分の感情や表情を隠すことのできない人は、できる人の手玉に取られる。ほかのすべての条件が対等のときでさえそうなのだから、相手が凄腕の場合など、さらに勝ち目はない。
~中略~

政治家ボーリングブルックル卿も著書のなかで、次のように書いている。
 人を欺くために感情を隠すのは、短剣をふりかざすようなもので、好ましくない行為であるばかりでなく、不法行為でもある。短剣を使用したら最後、いかなる正当化も言い訳も通用しない。
 一方、手の内を読まれないように感情を隠すのは、楯を持つようなもの、機密を保持するのは、甲冑をつけるようなものだ。
~中略~

 心のなかでどんなに感情の嵐が吹きすさんでも、それを顔や言葉に表さないよう、完全に自分の感情を隠せるよう努力しなさい。
大変なことだが、できないことではない。

P267
 実社会は意地悪、憎しみ、恨み、嫉妬などが渦巻いているところだ。努力家よりは数が少ないが、実だけ摘み取ってゆく、ずる賢い人間もいる。
また浮き沈みも激しい。今日浮かんだと思ったら、明日にはもう沈んでいる。こんななかでは、礼儀正しさや物腰の柔らかさなど、実質とはあまり関係ない装備を身につけなければ、生き残ることは難しい。

 

味方だって、いつ敵になるかわからないし、敵だって、いつ味方になるかわからない。
だからこそ、心で憎みながら表面はにこやかに接し、愛しながら、慎重になることが必要なのだ。

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章
フィリップ・チェスターフィールド (著), 竹内 均 (翻訳)
三笠書房 (2011/3/22)

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章 (知的生きかた文庫)

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章 (知的生きかた文庫)

  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2011/03/22
  • メディア: 文庫

 

 どんなふうに笑うか、どんな場合に笑うか、そこには人間性がはからずとも表れている。
~中略~
 さらに、笑い声の響き方に、その人の本性が漏れ出ている。
「漂泊者とその影」

超訳 ニーチェの言葉
白取 春彦 (翻訳)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/1/12)
129

 

超訳ニーチェの言葉

超訳ニーチェの言葉

  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2012/10/18
  • メディア: Kindle版

 

 

大人になるということは、せめて表裏くらい作れるということだ。大人になっても態度に、正当な理由のある裏表もないような人間は、成熟していないのである。
「ぶっ殺してやりたい」と思っても、実行しないのが、まともな大人ということだ。煮えくり返るほどの怒りがあってもそれを抑える。それが態度に裏表を持つすばらしさなのである。
 和という字は、色紙に書かれていたり、和菓子の菓子器のデザインにさえ使われるが、私はこの字が恐ろしくてたまらない。
和を実現するには、生涯にわたる恨みや、はらわたの煮えくり返るような怒りを、抑え浄化し、別のエネルギーに換える高度の心理的操作が必要なのだが、私はたいていの場合うまくいっていないからである。

人生の原則
曾野 綾子 (著)
河出書房新社 (2013/1/9)
P109

人生の原則 (河出文庫 そ 1-5)

人生の原則 (河出文庫 そ 1-5)

  • 作者: 曾野 綾子
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2016/02/08
  • メディア: 文庫

 

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