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不安とは恐れの感情であり,動悸や発汗といった生理的変化や,落ち着きのなさや,繰り返し保証を求めるなどの行動の変化,心配や集中力の低下といった認知の変化を伴うものである1,2)。
類似した感情である恐怖は対象が明確で急性的に出現して消失することが多いのに対して,不安は対象が恐怖ほど明確とは限らず,症状がより慢性的なことが多いという特徴がある2)。
表10-11 不安な患者への対応のポイント
聴くスキルを用いて患者の話を聴く
不安の背景要因を探索する
患者に共感を示す
必要に応じて情報提供,誤解や悲観的な予測の訂正をする
不安が持続する場合,薬剤の副作用,身体症状,他の精神疾患の可能性について評価・対応する
薬物療法,支持的精神療法,リラクゼーションを開始するもしくは専門家へ紹介する
表10-12 聴くスキルの例(文献5より引用)
アイコンタクトを保つ
相手側に身体を少し傾ける
話すスピードや声の調子・大きさに気を配る
医療者が話題を飛躍させたり妨げたりしない
オープン・クエステョンを使用する
合間にうなずく
合間に「はい」と合づちを入れる
患者がある程度話した時点で,その内容の本質を言い換えて返す
患者が長時間話したら,その内容を要約して返す
がん医療におけるコミュニケーション・スキル―悪い知らせをどう伝えるか
内富 庸介 藤森 麻衣子 (編集)
医学書院 (2007/10/1)
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