P70
「うつとは”人が疲労しきった状態”のことである」
近年増加しているうつについて、私の答えはこのひと言に尽きます。
性格の問題ではありませんし、ましてや気合や根性の問題でもありません。ただひたすら疲労している。
下園壮太
P72
これは私の長い経験から断言できることですが、うつになりやすいのは「心の弱い人」ではありません。
むしろ「心の強い人」こそ、うつになってしまうのです。
心の強い人は、少しくらい苦しいことがあっても休もうとしません。自分お強さを信じて、気合や根性で乗り越えようとします。
~中略~
また、心が強い人は他者に助けを求めるのが苦手です。
~中略~
ところが、そうやって自分で自分を追い込み、蓄積疲労が限界に達すると、緊張の糸がプツッっときれるようにして、うつ状態になってしまいます。
P85
うつは(住人注;「心の風邪」でなく)「心の骨折」であり、再び全力でプレーできるようになるには1シーズン単位でのリハビリが必要になります。骨がくっつかないままグラウンドに出ても、また周囲に迷惑をかけるだけですからね。
下園壮太
40歳の教科書NEXT──自分の人生を見つめなおす ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
モーニング編集部 (編集), 朝日新聞社 (編集)
講談社 (2011/4/22)

40歳の教科書NEXT──自分の人生を見つめなおす ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
- 作者:
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/04/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
メンタル休職者への家族の対応の一例として夏目漱石の場合を紹介したい。
ただし、これは漱石のエピソードから何か教訓めいたものが学べるというわけではない。また「悩む力」(姜尚中 集英社新書)などで描かれた立派な漱石像とも少し異なる。
漱石は近代小説の先駆者であるが、その一方でメンタル休職においても日本の先駆けであった。
夏目漱石が心の病で休職したのは今から約100年前のことである。
~中略~
漱石の妻は、漱石が病気になってもそれまでの生活を変えず、漱石を支え続けたということぐらいである。
しかし、うつ病患者を持つ家族にできることは、それぐらいのことしかないというのが実情だし、それで十分なのではないだろうか。
普通の家族にできることは、衣食住で本人を支え、本人の話を聞くことぐらいである。そうしたことを数ヶ月続けているうちに、うつ病はいつの間にか回復していくことが多い。
うつ病患者に家族はどう接すればよいのかとは非常によく聞かれる質問である。
地味な答えで申し訳ないのだが、家族はあまり心配し過ぎず、かといって冷たくもせず、本人が回復していくのを焦らず待つしかないのではないだろうか。
冨高 辰一郎 (著)
なぜうつ病の人が増えたのか
幻冬舎ルネッサンス (2009/7/10)
P242
がん罹患後の抑うつ(大うつ病・適応障害)の有病率は10~40%3-6)と非常に高く、がん罹患後5年の自殺率は一般人口の2倍,がん告知後3~5ヶ月の間に限ると4.3倍と非常に高いことが報告されている7)。
がん医療におけるコミュニケーション・スキル―悪い知らせをどう伝えるか
内富 庸介 藤森 麻衣子 (編集)
医学書院 (2007/10/1)
P1
![がん医療におけるコミュニケーション・スキル[DVD付]―悪い知らせをどう伝えるか がん医療におけるコミュニケーション・スキル[DVD付]―悪い知らせをどう伝えるか](https://m.media-amazon.com/images/I/417pySJNw8L._SL160_.jpg)
がん医療におけるコミュニケーション・スキル[DVD付]―悪い知らせをどう伝えるか
- 出版社/メーカー: 医学書院
- 発売日: 2007/10/19
- メディア: 単行本
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