たとえば、外来患者の予約制をとった病院はたいてい、無断でやって来ない患者が多くて困っているとききます。
仕方なく、五人一組にまとめ、そのグループごとに、一定時間内に診察する予約制を工夫した公立病院がありました。
するとこんどは、予約時間を少しでも過ぎると、「なんだ、この病院は約束を守らないのか」と、どなりつける患者がいるというのです。
予約制をとる以上、それだけの診療要員をしばりつけるのですから、コスト(費用)がかかります。それを支払わずに、キャンセル(取り消し)電話もせず、文句だけ並べるというのは、甘えです。身勝手な予約者が多くて、予約料金もとらないとすると、予約制そのものをやめるほかなくなります。一定の料金を支払っても、定時刻に外来診療をうけられるほうが、いまの日本では大きなサービスになると思います。
藤田 真一
患者本位の病院改革
新村 明(著),藤田 真一(著)
朝日新聞社 (1990/06)
P218
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