私の好きな学説に、「治療の根本は、自然治癒力を助長し、強化することにある」ということにある」という「治療の四原則」があります。
一、自然治癒の過程を妨げぬこと
二、自然治癒を妨げているものを除くこと
三、自然治癒力が衰えている時は、それを賦活すること
四、自然治癒力が過剰である時には、それを適度に弱めること
大往生したけりゃ医療とかかわるな
中村 仁一 (著)
幻冬舎 (2012/1/28)
P40
そもそも、センナやダイオウは、漢方の古典でも、長期に使わないように釘を刺されている生薬なのである。
二一世紀のわれわれが、大腸運動を実測してわかったこれらの副作用に、早くも古人が気づいて警鐘をならしていたのは驚くべきことだ。
短期的には良くとも、長期的にみると問題が生じる治療を漫然と続けるべきではない。
東北大学医学部の学生には、次のように教育している。
深く考えもせず、「咳が出たら咳どめ、熱が出たら熱さまし、便秘になったら下痢、下痢になったら下痢止め」、というのは最低の治療である。必ず「この人はなぜ、その症状を示すのか」をしっかり考えてから、患者の病態生理に沿った治療をせよ、と。
内臓感覚―脳と腸の不思議な関係
福土 審(著)
日本放送出版協会 (2007/09)
P147
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