2024年11月29日金曜日

中高一貫校の問題点

P78
 そして、ここが重要なのですが、難関中学受験はひとえに「親の受験」であり、極言するなら、「母親の力が9割」だということを知っておくべきでしょう。
~中略~

さらに、中高一貫校に入って大学まで推薦で進むようだと、受験という社会からの厳しいジャッジを自分一人で経験しないまま、社会に放り出されることになります。
そして中学受験当時の親子関係から抜け出せないまま、心理学で言う「共依存」という状態に陥って、親離れ・子離れが難しくなってしまうことも考えられるのです。
 本人の自立を促したければ、親がべったりとサポートしながら中高一貫校に入れるよりも、普通に高校・大学受験させたほうがよいでしょう。

~中略~
 僕の考える一貫校最大の問題は、生徒や保護者の同質化です。
同じような家庭環境、同じような保護者が集まった「同質集団」になりがちです。

P82
 大切なのは、(住人注;なにかと誘惑の多い14~15歳のときに、高校受験という大きなハードルを課せられる)このとき親が頑として子どもに「NO」と言えるか。話し合って納得させるとかではなく、「NOはNOだ」と言い切れるか。

P84
 そして僕が問題だと思っているのは、読み書きそろばん的な学力の低下より、エンプロイアビリティ(雇われる力)が下がっていることです。

藤原和博

 

40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
モーニング編集部 (編集), 朝日新聞社 (編集)
講談社 (2010/7/23)

40歳の教科書: ドラゴン桜公式副読本 「16歳の教科書」番外編 親が子どものためにできること

40歳の教科書: ドラゴン桜公式副読本 「16歳の教科書」番外編 親が子どものためにできること

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/07/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

「中学校受験というのは、結局国語力の優劣で決まるんだよ。国語ができる子は、ほかの科目の勉強をしても成績が伸びるんだ。高校受験、大学受験となると、覚えこんだ知識量も重要になってくるんだけど、中学校受験では結局、その子がどのくらい大人っぽく成長しているかの、おませ度を測っている面があり、国語ができるというのは、そういう知恵があるってことなんだ」
 清水義範の弟(塾講師)

はじめてわかる国語
清水 義範 (著) , 西原 理恵子 (イラスト)
講談社 (2002/12)
P34

はじめてわかる国語 (講談社文庫)

はじめてわかる国語 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/01/12
  • メディア: Kindle版

五倫五常

P24
私が教えの道を志した動機から話そう。「孟子」(籐文公(とうぶんこう)上篇)に、こんな言葉がある。

「人には人としての道が備わっている。だが、飽きるほどたらふく食べ、ぬくぬくとした衣服を着るといった自堕落な暮らしを続けて、何の教えも受けないのは、鳥や獣に近い生き方である。
民がそのようになるのを憂慮した古(いにしえ)の伝説の聖人舜(しゅん)は、重臣の一人である契(せつ)に命じて人としての「五倫の道」を教えさせた。
五倫とは、父子間の親愛、君臣間の礼儀、夫婦間の区別、長幼間の順序、盟友間の信義を指す」(人の道あるや。胞食煖衣(だんい)、逸居(いつきょ)して教え無ければ、則と禽獣(禽獣)に近し。
聖人これを憂うることありて、契(せつ)をして司徒(しと)たらしめ、教ふるに人倫を以てす。父子親あり、君子義あり、夫婦別あり、長幼序あり、盟友信あり)
 これら五つの人倫の道をわきまえるようになるのが、学問の功徳なのだ。
このことから、古の人たちの学問に対する取り組む姿勢を知るとよい。「君子は、本(もと)を務(つと)む」(君子は、物事の根本を理解しようと努力する)と、「論語」(学而(がくじ)篇)にあるように、学問では根本を重視して学ぶことが大切である。
 ※五倫 「五常」と合せて「五倫五常」と表現されることも多い。本文にあるように、①父子間の親愛、②君臣間の礼儀、③夫婦間の区別、長幼間の順序、⑤盟友間の信義から成る「五倫」に対し、「五常」は①仁、②義、③礼、④智、⑤信で、「五徳」という場合もある。
徳目が重なっているように思えるが、五倫は対象を絞り、五常は対象を絞っていない点が異なる。
滝沢馬琴の小説「南総里見八犬伝」では「五常」の順を少し変え、三つ加えて「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌(てい)」の八つとした。

P25
人倫の道は、その大本(おおもと)を天に発し、仁・義・礼・智という四つの徳(良心)が中心で、「それ以外に学問の道はない。失ってしまった徳を求めるだけだ」(学問の道は他なし。その放心(ほうしん)を求むるのみ)と「孟子」(告子(こくし)上篇)は説明している。
この心を胸に深く刻んで、聖人の行った足跡を見聞し、手本とすることが大事である。

石田梅岩『都鄙問答』 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ14)
石田梅岩 (著), 城島明彦 (翻訳)
致知出版社 (2016/9/29)

石田梅岩『都鄙問答』 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ14)

石田梅岩『都鄙問答』 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ14)

  • 出版社/メーカー: 致知出版社
  • 発売日: 2016/09/29
  • メディア: 単行本

本物のリーダー

1、人柄・・・本物のリーダーに共通する特徴がいくつかある。 一つめは、自信と謙虚さの両方を兼ね備えていること。~中略~ 二つ目は、自然体であること。~中略~ 三つめは、聞きて上手であること。

2、仕事・・・リーダーの仕事リストの最初にあるのは、「人材を引き寄せ、育てる」ことだ。~中略~

3、手法・・・リーダーは、部下たちに「指針」を与えるが、「答え」は与えない。~中略~

4、遺産・・・前略~ 本物のリーダーは、どんな財産を残すだろう?  まず、仕事への情熱、会社への愛、そして、就任前より健全で強力な会社にした功績だろう。それから、有能なチーム。これらが残れば、あなたは仕事をやり終えた本物のリーダーだと言える。

そして本物のリーダ―は、たくさんのリーダーを育てる。つまり、「リーダーを増やした人が本物のリーダー」なのだ。

魂を売らずに成功する-伝説のビジネス誌編集長が選んだ 飛躍のルール52
アラン・M・ウェバー (著), 市川裕康 (翻訳)
英治出版 (2010/2/25)

P206
魂を売らずに成功する-伝説のビジネス誌編集長が選んだ 飛躍のルール52

魂を売らずに成功する-伝説のビジネス誌編集長が選んだ 飛躍のルール52

  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2010/02/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

P215
四 ~略~


君子の道に貴ぶ所の者三つ。
容貌を動かしては斯( すなわ )ち暴慢に遠ざかる。顔色を正しては斯ち信に近づく。
辞気を出だしては斯ち鄙倍( ひばい )に遠ざかる。

~中略~


君子たるものは、日ごろ生活に三つのことを心がけねばなりません。
第一に、立ち居振舞にお気を付けられること、さすれば暴力と軽侮は自然に遠ざかりましょう。>
第二に、顔つきを厳然となされること、さすれば人の信頼が自然と集まるでしょう。
第三に、発言なされるときは語気に注意されること、さすれば野卑で不合理なことばは、自然に耳にはいらなくなりましょう。
泰伯篇

 

P378

二五 子曰わく、君子は事( つか )え易( やす )くして説( よろこ )ばすに道を以てせざれば、説ばざるなり。 その人を使うに及びてや、これを器( うつわ )とす。小人は事え難くして説ばせ易きなり。
これを説ばすに道を以てせずと雖( いえど )も説ぶなり。
その人を使うに及びてや、備わらんことを求む。

~中略~

先生がいわれた。
「 君子のもとで働くのはたやすいが、心から喜ばせることはむつかしい。なぜなら正しい道によって喜ばせなければ、けっして喜んではくれないからだ。
しかも、君子が人を使うにあたっては、器具と同じように、それぞれの役目が果たされるだけで満足する。小人のもとで働くのはむつかしいが、その心を喜ばせるのはたやすい。なぜなら、正当な道によらないで喜ばせても、じゅうぶん喜んでくれるからだ。
しかも、小人が人を使うにあたっては、すべての点でその人が完全無欠な人間であることを要求するのである 」
>衛霊公篇

P444 二一 子曰わく、君子は諸( これ )を己に求め、小人は諸を人に求む。
衛霊公篇


       論語

  孔子 (著), 貝塚 茂樹

  中央公論新社 (1973/07)

 

論語 (中公文庫)

論語 (中公文庫)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1973/07/10
  • メディア: 文庫

 本当の宰相は共通して、宰相たることに淡々としておる。満足とか得意とか、いわんや誇りとか名誉とかそういう主観を持っておらん。
極めて自然であって、そして余裕があり、どこか一抹の寂しさを持っている。難しく言えば、虚無的なものがある。満足とか得意といったことを意識しない
東洋人の本能というのだろうか、多くの人々は本能でそういう宰相に共鳴する。

酔古堂剣掃「人間至宝の生き方」への箴言集
安岡 正篤 (著)
PHP研究所 (2005/7/1)
P69

酔古堂剣掃(すいこどうけんすい) 「人間至宝の生き方」への箴言集 (PHP文庫)

酔古堂剣掃(すいこどうけんすい) 「人間至宝の生き方」への箴言集 (PHP文庫)

  • 作者: 安岡 正篤
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2005/07/01
  • メディア: 文庫

P35
多少時間がかかってもトップに寄りかからず、自分で責任をもってやる幹部を養成するのが、会社百年の計だ。~中略~
 権限を委譲すること自体はたやすいが、委譲を守り通すことはむずかしい。委譲とは、ノドまででかかった言葉をがまんして飲みこむようなしんどい行為なのだ。
 結果の責任をとるのはたやすいが、事を完遂する責任はむずかしい。責任とは、いったん決めたことは石にかじりついてもやりぬくきびしい行為なのだ。

P95
前略~すぐれた管理者とは、期待された仕事をより少ない部下で達成できる人、部下を早く一人前に育て次々に放出できる人、自分の後継者をつくりあげ、自分はいつでもでられるようにしている人だといえよう。

経営の行動指針―土光語録
土光 敏夫 (著), 本郷 孝信 (編集)
産能大出版部; 新訂版 (2009/10/15)

経営の行動指針―土光語録

経営の行動指針―土光語録

  • 出版社/メーカー: 産能大出版部
  • 発売日: 2009/10/15
  • メディア: 単行本

最も優れた管理者とは、計画遂行にふさわしい人材を選び出す見識と、
彼らのやることに干渉しない自制力を備えた人間である。
[セオドア・ルーズベルト] 第26代米国大統領 | 853-1919

人生はワンチャンス! ―「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法
水野敬也 (著), 長沼直樹 (著)
文響社 (2012/12/11)
P11

人生はワンチャンス!   ―「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法

人生はワンチャンス! ―「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法

  • 出版社/メーカー: 文響社
  • 発売日: 2012/12/11
  • メディア: 単行本

 クーパー氏(住人注;シュルツィ氏の後任として社長になったサイモン・クーパー氏)はこうも言っています。
「リーダーの力量は、自分が引き継いだ時よりも、さらに競争力のある組織にして、次世代に引き渡せるかどうかで決まる。私のミッションは、私が社長に就任したときよりも進化した状態で、リッツ・カールトンを後継者に引き渡すことに他ならない」

一流の男は「気働き」で決める
高野 登 (著)
かんき出版 (2014/4/23)
P045

一流の男は「気働き」で決める

一流の男は「気働き」で決める

  • 作者: 高野 登
  • 出版社/メーカー: かんき出版
  • 発売日: 2014/04/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

P192
 マイクロソフトで創業者ビル・ゲイツの腹心を務め、現在は同社のCEOであるスティーブ・バルマーもまた強烈なリーダーだ。彼のすごいところは、世界中から超がつくほど優秀な人々が集まる同社で、社員たちを駄馬のごとく徹底的に働かせているところにある。
「ビルが天国を語り、スティーブが地獄に叩き落とす」という比喩でよく知られる人物である。
黎明期のマイクロソフトで創業者のビルゲイツは、従業員によく、パソコンを通じて社会にどれだけ自分たちが貢献できるか、夢や理想を語っていた。
企業活動の根管にそうした夢や理念があることは非常に重要なことだが、現実はそれだけでは人は動かない。
 マイクロソフトという会社があそこまで大きくなった理由は、コンピューター業界において「こうあるべきだ」という正しい理想の姿を実現するために、必要な事業活動を猛スピードで実行し、さらに競合となる企業を徹底的に叩き潰してきたことにある。
つまり同社には、理想論を語るビル・ゲイツとは別に、冷徹で時に残酷な決断を躊躇なくできる人物が必要だった。そして、スティーブ・バルマーがその役割を担ったのである。

P197
 日本人の多くは、謙虚ですばらしい人格を持ったリーダーを好むが、そういう人は実際にはリーダーにはなれないのである。歴史に名を残すレベルの企業を作ったようなリーダーというのは、みなある種の「狂気の人」であることが多いのだ。

P199
 以前、ある若い社会企業家がジョン・ウッド(住人注;現在、世界中で一番成功している社会企業家、アメリカの非営利団体、「ルーム・トゥ・リード」の創始者)に「メンバーのやる気が足りないのですが、どうしたら良いでしょうか?」という質問をした。そのとき彼の答えは次のようなものだった。
「簡単なことだ。自分自身が結果を出し続ければ良い。リーダーが結果を出せばみんなついてくる。あなたが結果を出していないからダメなんだ。まずは結果を出してください」

P203
 いろいろな経営者の自叙伝を読むと、人格的に優れており「なるほど、この人のもとで働きたい」と思うようなすばらしい人物像が描かれているが、はっきり言ってそのほとんどは、編集者とライターと広報担当者が合作した「虚像」にすぎない。
 実際のところ革命的なことを成し遂げるリーダーの多くは、ある種の人格破綻者であるか、あるいは新興宗教の教祖のような自己愛の塊である。そして、そうした強烈なリーダーが率いるからこそ、組織は成功するのである。

P205
 長年ビジネスの世界で生き残っている経営者には、やたらと謙虚さを強調したり、慈善事業をしていることをさりげなく主張したがる人も多い。
おそらくそれは、自分の中のダークサイドとのバランスをとろうとしているのである。そして、そのバランスを維持できるだけの精神力を持っている人だけが生き残るのである。

僕は君たちに武器を配りたい
瀧本 哲史 (著)
講談社 (2011/9/22)

武器としての決断思考 (星海社新書)

武器としての決断思考 (星海社新書)

  • 作者: 瀧本 哲史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/09/22
  • メディア: 新書

過ちて改めざる、是を過ちと謂う

三〇 子曰わく、過ちて改めざる、是を過ちと謂う。


衛霊公篇


        論語

           孔子 (著), 貝塚 茂樹

          中央公論新社 (1973/07)

          P450

論語 (中公文庫)

論語 (中公文庫)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1973/07/10
  • メディア: 文庫


→過てば則ち改むるに憚ること勿かれ

二一 子貢曰わく、君子の過ちや、日月の蝕するが如し。過つや人皆これを見る。更( あらた )むるや人皆これを仰ぐ。


子張篇

                       P552

論語 (中公文庫)

論語 (中公文庫)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1973/07/10
  • メディア: 文庫


男時・女時

  時分にも恐るべし。去年さかりあらば、今年は花なかるべき事を知るべし。
時の間にも、男時・女時とてあるべし。
能にも、よき時あれば、かならず悪きことまたあるべし。これ力なき因果なり

~中略~
この男時・女時とは、一さいの勝負に、定めて、一方色めきてよき時分になることあり。
これを男時と心得べし。
勝負の物数久しければ、両方へ移り変はり移り変はりすべし。

世阿弥 (著), 竹本 幹夫 (翻訳)
風姿花伝・三道 現代語訳付き
角川学芸出版 (2009/9/25)
P285

風姿花伝・三道 現代語訳付き (角川ソフィア)

風姿花伝・三道 現代語訳付き (角川ソフィア)

  • 作者: 世阿弥
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2009/09/25
  • メディア: 文庫


人が世の中に処して行くのには、形勢を観望して気長に時期の到来を待つということも、決して忘れてはならぬ心掛けである。処世と信条

渋沢栄一 (著)
論語と算盤
角川学芸出版 (2008/10/25)
P35

論語と算盤 (角川ソフィア文庫)

論語と算盤 (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 渋沢 栄一
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2008/10/24
  • メディア: 文庫




 

若しくは也(また)惰性煩労し、事由寂寞として、強いて自ら催逼(さいひつ)すれば、徒(いたずら)に辛苦を成す。
翰(ふで)を韜(おさめ)筆を屏(しりぞ)けて、
以て後図を須(ま)ち、心慮の更に澄むのを待ちて、方(は)じめて連緝(れんしゅう)を事とするには若かず。
止(た)だに作文の至術のみには非ず、抑(そもそ)も亦た養生の大方なるのみ。
文鏡秘府論 南

もしあなたが思索することに疲れて文章が上手くまとまらないときは、いくら強引に書こうとしてみても、辛く苦しいだけです。
そんなときはいっそペンをおいて後で考えることにし、心が澄んでくるのを待って、態勢を整えてから創作に臨むのがよいでしょう。
これは単に文章作法のコツだけでなく、人生に通じる大切な法則でもあるのです。

空海 人生の言葉
川辺 秀美 (著)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/12/11)
詩と文章について一一六

空海 人生の言葉 (ディスカヴァー携書)

空海 人生の言葉 (ディスカヴァー携書)

  • 作者: 川辺秀美
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2014/10/16
  • メディア: 新書


わるい時がすれば、よい時は必ず来る。
おしなべて、事を成す人は、必ず時の来るのを待つ。
[松下幸之助] 松下電器創業者 | 1894-1989

人生はワンチャンス! ―「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法
水野敬也 (著), 長沼直樹 (著)
文響社 (2012/12/11)


人生はワンチャンス!   ―「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法

人生はワンチャンス!   ―「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法

  • 作者: 水野敬也
  • 出版社/メーカー: 文響社
  • 発売日: 2012/12/11
  • メディア: 単行本




【大橋佐平】(一八三六~一九〇一)―時機―

 植木を移すに必ず時あり。時を失すればその木枯るることあり。これ労して益なし。

 越後長岡藩といえば河井継之助が有名。しかしこの藩でもっとも物事が見えていたのは河井ではない。大橋佐平であった。~中略~
 ところが大橋は一念発起して五〇歳で上京。出版社「博文館」をはじめた。これが大成功 ~中略~
 事業の秘訣をこう語っている。〈事を起すに順序あり。物を扱うに機会あり〉〈もし機会を失すれば如何に骨折りするも無駄骨に過ぎず、世に処するもの大に心せよ〉。~中略~〈機会は自ら作るべし、時の来るのを待つというは迂遠(うえん)なり。自ら思い立つ時が即ち機なり〉(坪谷善四郎「大橋佐平翁伝」とも書き加えている。

日本人の叡智
磯田 道史 (著)
新潮社 (2011/04)
P112

日本人の叡智 (新潮新書)

日本人の叡智 (新潮新書)

  • 作者: 磯田 道史
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/04/16
  • メディア: 単行本





義に喩(さと)る

凡そ事を為すには、当に先ず其の義の如何を謀( はか)るべし。


便宜を謀ること勿れ。


便宜も亦義の中( うち)に在り。

                       「 言志耋録」第九六条


                       佐藤 一斎 著

                       岬龍 一郎 編訳

                       現代語抄訳 言志四録

                       PHP研究所(2005/5/26)

                       P215

 

何かやるときは、先ず最初にそのことが道理に合っているかどうかを、
よく考えなければならない。
また、自分に都合よく考えてはならない。
その都合のよさも道理に適っているかどうかに含まれている。

君子は義に喩り、小人は利に喩る
                 論語

 

[現代語抄訳]言志四録

[現代語抄訳]言志四録

  • 作者: 佐藤 一斎
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2005/05/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


P244
いつでも事業に対する時は、利に喩らず義に喩ることにしておる。
多数の人より資本を寄せ集むるには、事業より利益の挙がるようにせねばならぬ。
利益を度外におくことを許さぬは勿論である。
「論語講義(二)」里仁第四
P242
人情の弱点として、利欲の念よりややもすれば富を先にして道義を後にする弊を生じ、
加重の結果、金銭万能のごとく考えて、大切なる精神上の問題を忘れて、
物質の奴隷になりやすいものである。
「論語と算盤」仁義と富貴

渋澤 健 (著)
巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」
講談社 (2007/4/19)

 

巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」 (講談社BIZ)

巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」 (講談社BIZ)

  • 作者: 渋澤 健
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/04/19
  • メディア: 単行本



 

「知恵を研ぎ、社会の正と不正とをよくわきまえ、物ごとの善と悪とを知り、諸芸その道その道を経験し、世間の人からだまされぬようになってから、はじめて兵法の智恵が身についてくるのである」
(兵法心持のこと)
兵法の智恵(洞察・決断力)には社会全般に対する智恵が先に立っていなければならない、という説である。

 この文章の前に「身分の高い者も低い者も、心をまっすぐにして、わが身のひいきをしないように心がけることが必要だ」
というところがある。

奈良本 辰也 (著)
宮本武蔵 五輪書入門
学習研究社 (2002/11)
P108


宮本武蔵 五輪書入門 (学研M文庫)

宮本武蔵 五輪書入門 (学研M文庫)

  • 作者: 奈良本 辰也
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 文庫


義を明らかにして利を図らず。
(理財論)

山田方谷のことば―素読用
山田方谷に学ぶ会 (編集)
登龍館 (2007/07)
P7

 

山田方谷のことば (サムライスピリット)

山田方谷のことば (サムライスピリット)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 登龍館
  • 発売日: 2015/05/01
  • メディア: 単行本

友と交わるには、須らく三分の俠気を帯ぶべし

友と交わるには、須らく三分の俠気を帯ぶべし。


人と形( な )りは、一点の素心を存するを要す。


            洪自誠 

               守屋 洋 ( 著 ), 守屋淳 ( 著 )

               菜根譚の名言 ベスト100

                PHP研究所 (2007/7/14)

                P157

友人とは、三分の俠気をもって交わり、人間としては、純粋な心を失わずに生きたい。
俠気とは、強気をくじき、弱きを助ける義侠心、困っているなら助けてやるぞという男気である。
友に対しては、これが三分はほしいのだという。八分も九分もとなると、往々にして共倒れになる恐れがある。
逆にゼロだと、もはや友とは言えない

 

菜根譚の名言 ベスト100

菜根譚の名言 ベスト100

  • 作者: 守屋 洋
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2007/07/14
  • メディア: 新書


友を得る法を学ぶには、わざわざ本書を読むまでもなく、世のなかでいちばん優れたその道の達人のやり方を学べばいいわけだ。
その達人とはーわれわれは毎日路傍でその達人に出合っている。こちらが近づくと尾を振りはじめる。立ち止まって、なでてやると、夢中になって好意を示す。何か魂胆があって、このような愛情の表現をしているのではない。
家や土地を売りつけようとか、結婚してもらおうとかいう下心はさらにない。

 何の働きもせずに生きて行ける動物は、犬だけだ。鶏は卵を産み、牛は乳を出し、カナリヤは歌をうたわねばならないが、犬はただ愛情を人に捧げるだけで生きて行ける。

デール・カーネギー (著) 香山晶 (訳)
人を動かす
ハンディーカーネギー・ベスト 
創元社 (1986/11)
P76

 

ハンディーカーネギー・ベスト (3冊セット)

ハンディーカーネギー・ベスト (3冊セット)

  • 作者: ドロシー カーネギー
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 1986/11
  • メディア: 文庫


P70
友情には絶えず怠らぬ修繕が必要である。
 サミュエル・ジョンソン

P76 朋友の間、悪しきこと、過ちあらば、面前でいうべし、
陰でそしるべからず、うしろめたく聞こゆ。
ただし、その善は陰でほむべし。
貝原益軒

P71
なるほど。友達というのは”作る”というより”なっている”もの、か。
 「らき☆すた」

大山 くまお (著)
名言力 人生を変えるためのすごい言葉 
ソフトバンククリエイティブ (2009/6/16)


名言力 人生を変えるためのすごい言葉 (SB新書)

名言力 人生を変えるためのすごい言葉 (SB新書)

  • 作者: 大山 くまお
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2009/06/16
  • メディア: 新書


P147
 ここでひとつ君に注意してもらいたいのが、友だちと交友仲間はちがうということだ。一緒にいると楽しいからといって、良い友人とは限らない。いや、むしろ反対に、友人としてふさわしくない人物であったり、ためにならない人物であったりすることが結構あるのだ。
~中略~
けれどそこで注意しなくてはならないのは、不道徳な人物や愚かな人物が近寄ってきた場合、気づかれないように身をかわすのは当然としても、必要以上に冷たくあしらって、敵をつくってはいけないということだ。
友達になりたくない人はごまんといるだろうが、彼らを敵に回すのは得策ではない。

P239
親しい間柄では、くつろいだ気分になっていい。また、そうなるのが当然である。そういう関係が、私生活に安らぎを与えることもたしかだ。
 ただし、だからといって、ふつうだったら絶対に踏み込んではならない領域まで踏み込んでいい、というわけではない。
言いたい放題に、好き勝手なことばかりしゃべっていると、親しい仲間との楽しい語らいも、すぐにいろあせてしまう。

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章
フィリップ・チェスターフィールド (著), 竹内 均 (翻訳)
三笠書房 (2011/3/22)

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章 (知的生きかた文庫)

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章 (知的生きかた文庫)

  • 作者: フィリップ・チェスターフィールド
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2011/03/22
  • メディア: 文庫


 親しくなれば相手の私事に立ち入ってもかまわないと考えているような種類の人間とは、決してつきあわないことだ。
~中略~
 友人関係の場合でも、互いを混同しないような気遣いと配慮はたいせつだ。そうしないと、友人でいることもできなくなる。
「漂泊者とその影」

超訳 ニーチェの言葉
白取 春彦 (翻訳)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/1/12)
081

 

超訳 ニーチェの言葉

超訳 ニーチェの言葉

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2010/01/12
  • メディア: 単行本


二三 子貢、友を問う。子曰わく。忠をもて告げ善をもてこれを導く。


不可なれば則ち止む。自ら辱(はずかし)むることなかれ


顔淵篇


        論語

           孔子 (著), 貝塚 茂樹

           中央公論新社 (1973/07)

           P348

 

論語 (中公文庫)

論語 (中公文庫)

  • 作者: 孔子
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1973/07/10
  • メディア: 文庫




友人のために僕ができることは、ただ彼の友達でいることである。―「日記」一八四一年二月七日

ソロー語録
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(著), 岩政 伸治 (翻訳)
文遊社 (2009/10)
P56

 

ソロー語録

ソロー語録

  • 作者: ヘンリー・デイヴィッド・ソロー
  • 出版社/メーカー: 文遊社
  • 発売日: 2009/10/01
  • メディア: 単行本




不当な非難は賛辞である

  不当な非難は、しばしば偽装された賛辞であることを忘れてはならない。
死んだ犬を蹴飛ばすものはいないことを思い出そう。

デール・カーネギー (著) 香山晶 (訳)
道は開ける
ハンディーカーネギー・ベスト 
創元社 (1986/11)
P290

 

ハンディー・カーネギー・ベスト

ハンディー・カーネギー・ベスト

  • 作者: D. カーネギー
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 1986/10/01
  • メディア: 文庫

まずは信頼を得よ

「君子は人民に信頼されるようになってから、はじめて人民を夫役(ぶやく)に使う。信頼されないうちに使うと人民は自分たちを悩ますと思う。
君子は主君に信頼を得てから、はじめて主君を諫める。まだ信頼を得ていないで諫めると、主君は自分の悪口をいっていると思うものだ」
子張篇


                  論語
          孔子 (著), 貝塚 茂樹
          中央公論新社 (1973/07)
                       P544

論語 (中公文庫)

論語 (中公文庫)

  • 作者: 孔子
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1973/07/10
  • メディア: 文庫

 

 リーダーの役職を拝命するだけでなく、チームの部下一人ひとりに「自分のリーダーはこの人だ」と認められることによって、初めてそこが「自分のチーム」となり、本当のリーダーになることができるのです。
 それはひと言でいえば「信頼されるリーダー」になるということ。
 部下に信頼されていないリーダーがどれだけがんばったところで、部下を育てることも、部下のモチベーションを高めることもできません。

メンタルトレーニング実践講座
田中ウルヴェ京 (著)
PHP研究所 (2009/7/18)
P92

メンタルトレーニング実践講座 (PHPビジネス新書)

メンタルトレーニング実践講座 (PHPビジネス新書)

  • 作者: 田中ウルヴェ京
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2009/07/18
  • メディア: 新書

知ッテ聞クハ禮ナリ

大山元帥の逸話
大将3年3月10日の陸軍記念日にお孫さんが問うた。
「おじいさん、総司令官というものは、どんな心がけで戦(いくさ)をするものですか?」
73歳の老将軍はいたずらっ子のように微笑して答えた。
「うーん。知っちょっても、知らんふりをすることよ」
(立野信之「新名将言行録」5)

会田 雄次 (著)
日本人の意識構造―風土・歴史・社会 (講談社現代新書 293)
講談社 (1972/01)
P87

日本人の意識構造―風土・歴史・社会 (1972年) (講談社現代新書)

日本人の意識構造―風土・歴史・社会 (1972年) (講談社現代新書)

  • 作者: 会田 雄次
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1972
  • メディア: 新書


  知らないふりをするということは、往々にして大変役に立つ知恵ではないだろうか。
たとえば、誰かが何かを話そうとするとき、知らないふりをする。その人が言う。「こんな話ご存知ですか」。君は答える。
「いいえ」。
たとえ知っていても、そのまましゃべり続けてもらう。
~中略~
君が「こんな話ご存知ですか」と尋ねられた時、「ええ」と答えてしまったら、そういう人を失望させてしまうだろう。そして、結局は、「気の利かない人」とけむたがられてしまう。
~中略~
 このように、いつも何も知らないということにしておけば、ひょんなことから、本当に知らなかった情報が完璧な形で入ってくることもあるだろう。そして実は、これが情報を集める最高の方法でもあるのだ。
~中略~
 そういう時、知らないふりを装うと、情報が得られること以外にも、得なことがある。情報を入手することに無関心と見なされ、その結果、陰謀や悪巧みには無縁の人物のように思われることだ。
~中略~
 知らないふりをするのと反対に、当然すべてを知っているというふりをするのも、時には効果がある。
~中略~
 こういった、生活の知恵のようなものを上手に使いこなすには、常時自分にも身の回りに注意を注ぎ、冷静でなければならない。

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章
フィリップ・チェスターフィールド (著), 竹内 均 (翻訳)
三笠書房 (2011/3/22)
P255

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章 (知的生きかた文庫)

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章 (知的生きかた文庫)

  • 作者: フィリップ・チェスターフィールド
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2011/03/22
  • メディア: 文庫


   いつも敏感で鋭くある必要はない。特に人との交わりにおいては、相手のなんらかの行為や考えを見抜いていてもしらぬふうでいるような、一種の偽りの鈍さが必要だ。
 また、言葉をできるだけ好意的に解釈することだ。
「人間的な、あまりに人間的な」

超訳 ニーチェの言葉
白取 春彦 (翻訳)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/1/12)
082

超訳 ニーチェの言葉

超訳 ニーチェの言葉

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2010/01/12
  • メディア: 単行本


五 曽子曰わく、能を以て不能に問い、多きを以て寡( すくな)きに問い、有れども無きが若く、実つれども虚しきが若く、犯されて校(むく)いず。
昔者( むかし)吾が友、嘗( かつ)て斯( ここ)に従事せり。


~中略~


曽先生がいわれた。
「ゆたかな才能をもちながら、鰓嚢のとぼしいものにも質問し、ひろい知識を貯えていながら、無知な人にも質問し、あってもないように、充実していても空虚なように自分を見せ、他人から仕掛けられても反抗しない。
私の旧友たちはみな、こんなふううにつとめていたものだ」


                  論語

           孔子 ( 著), 貝塚 茂樹

                       中央公論新社 ( 1973/07)

                       P216

論語 (中公文庫)

論語 (中公文庫)

  • 作者: 孔子
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1973/07/10
  • メディア: 文庫


人の一生は、重きを背負うて遠き路を行くが如し。急ぐべからず。

人の一生遭う所には、険阻( けんそ )有り、坦夷有り、安流有り、驚瀾( らん )有り。


是れ気数の自然にして、竟( つい )に免るる能わず。即ち易理なり。


人は宜しく居って安んじ、玩( もてあそ )んで楽しむべし。


若し之を趨避( すうひ )せんとするは、達者の見に非ず。

                       「言志後録」第二五条


                       佐藤 一斎 著

                       岬龍 一郎 編訳

                       現代語抄訳 言志四録

                       PHP研究所(2005/5/26)

                       P97

 

人の人生は、道にたとえれば、険しいところもあり、平らかなところもある。
また水路にたとえれば、静かな流れもあり、激流もある。
これは自然の姿であってどうすることもできない。
つまり易でいうところの道理である。
だから、人は自分の居るところに安穏の場を求め、これを楽しめばよいのである。
これを走ったり、避けようとするのは、人生を楽しむ上での達人とはいえない。

東照宮遺訓
一、人の一生は、重きを背負うて遠き路を行くが如し。急ぐべからず。
一、不自由を常と思えば不足なし。
一、心に望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
一、堪忍は無事長久の基。
一、怒りを敵と思え。
一、勝つことばかり知りて負くるを知らざれば、害その身に至る。
一、己を責めて、人と責めるな。
一、及ばざるは過ぎたるに勝れり。

人の世を渡るは行旅の如く然り。

途に険夷有り。
日に晴雨有りて、畢竟( ひっきょう )避くるを得ず。
只だ宜しく処に随( したが )い相( あい )緩急すべし。
速やかならんことを欲して以て災を取ること勿れ。
猶予して以って期に後るること勿れ。
是れ旅に処するの道にして、即ち世を渡るの道なり。

                     「言志後録」第七〇条

                      佐藤 一斎 著

                      岬龍 一郎 編訳

                      現代語抄訳 言志四録

                      PHP研究所(2005/5/26)

                       P110

[現代語抄訳]言志四録

[現代語抄訳]言志四録

  • 作者: 佐藤 一斎
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2005/05/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


丸山敏雄最後の言葉

急ぐな
先のことを心配するな
自然にまかせて処置をとれ
これでよい
喜べ

丸山 敏秋 (著), 倫理研究所
幸せになる法則を発見した人 丸山敏雄伝
近代出版社 (2001/11)
P7

幸せになる法則を発見した人 丸山敏雄伝

幸せになる法則を発見した人 丸山敏雄伝

  • 作者: 丸山 敏秋
  • 出版社/メーカー: 近代出版社
  • 発売日: 2001/11
  • メディア: 単行本


自分は、何のためにこの世に生まれてきているのか、ということを考えたとき、私はこうおもっているんです。
「人生は遊行だ」
要するに、自分は、この世に遊びに来ているんだ、という観念でいるんです。だから、私にとっては、仕事も遊びです。人生すべてが遊びなんです。
遊びなんだから、おもしろくて、楽しくなくてはいけないんだ、と。じゃあ、どうしたら、面白くて楽しくなれるのか。そういうことを、いつも考えていたんです。

斎藤 一人 (著)
ツイてる!
角川書店 (2004/8/7)
P19

ツイてる! (角川oneテーマ21)

ツイてる! (角川oneテーマ21)

  • 作者: 斎藤 一人
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2004/08/07
  • メディア: 新書



 

真に大志有る者は、克( よ )く小物を勤め、

七 曽子曰わく、士は以て弘毅ならざるべからず。任重くして道遠し。
仁以て己れが任となす、亦( また )おもからずや。
死して後已( や )む、亦遠からずや。


~中略~

                     

曽先生が言われた。 「士、つまり志をいだく男子は、堅固な意志をもたねばならぬ。その任務は重く、目的までの道程は遠いからだ。 仁徳の完成を自己の任務とするのだ、重くないとどうしていえよう。 仁の完成は死ぬまで努力しつづけて終わるのだ。その道程は遠くないとどうしていえよう」
~中略~
曽子が問題とした士の原義は、周代の列国つまり諸都市国家の自由民、つまり貴族階級の成年男子の通称であった。
~中略~
孔子の時代には、新興階級としての士の身分意識がまだはっきりしていなかったので、古い時代に編纂された「 論語 」のなかでは、孔子はおもに「 君子 」を理想人格として論じ、あまり士について論じていない。
曽子が士を問題にしているのは、時代が下がり、新興階級としての士の位置が明確になってきたからである。
~中略~
徳川家康は林羅山を用いて「 論語 」「 孟子 」「 大学 」「 中庸 」の四書の朱子新注の定本を印刷し、日本近世儒教の再興の基礎を作った。
家康の、「 人の人生は重荷を負うて遠き道をゆくがごとし・・・・ 」に始まる遺訓は、この「任重くして道遠し」の句から発想されたものである。
徳川時代における日本の近世武士道の形成にあたって、中国の古代における新興士階級の道徳を提唱した曽子の思想が影響をあたえたことはけっして偶然ではない。


        論語

           孔子 (著), 貝塚 茂樹

           中央公論新社 (1973/07)

           P217

論語 (中公文庫 D 3)

論語 (中公文庫 D 3)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1973/07/10
  • メディア: 文庫





山の頂上に立つ喜びは、もしそこへ至るまでに超えるべき
暗い谷間が一つもなければ、半減されるでしょう。
[ヘレン・ケラー] 米国の社会福祉活動化 | 1880-1968

人生はクローズアップで見れば悲劇、
ロングショットで見れば喜劇。
[チャールズ・チャップリン] イギリスの喜劇役者 | 1889-1977

 真の偉大さは喜びの中でも苦難の中でも
楽しむ力があることで見分けがつく。
[ロマン・ロラン] フランスの作家 | 1866-1944

人生はワンチャンス! ―「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法
水野敬也 (著), 長沼直樹 (著)
文響社 (2012/12/11)
61


人生はワンチャンス!   ―「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法

人生はワンチャンス!   ―「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法

  • 作者: 水野敬也
  • 出版社/メーカー: 文響社
  • 発売日: 2012/12/11
  • メディア: 単行本


2024年11月28日木曜日

順中の逆、逆中の順

人の一生には、順境あり。逆境あり。
消長の数、怪しむ可き者無し。
余又自ら検するに、順中の逆あり。逆中の順有り。
宜しく其の逆に処して、敢えて易心を生ぜず、
其の順に居りて、敢えて惰心を作( おこ)さざるべし。
惟( ただ)一の敬の字、以て逆順を貫けば可なり。

                 「言志晩録」第一八四条

                       佐藤 一斎 著

                       岬龍 一郎 編訳

                       現代語抄訳 言志四録

                       PHP研究所(2005/5/26)

                       P168

人生には順境もあれば逆境もある。
これは栄枯盛衰の自然の法則で、少しも不思議ではない。
だが、順境、逆境といっても、順境の中にも逆境があり、逆境の中にも順境がある。
だから、逆境になっても不満や自暴自棄の気持ちを起こさず、
順境にあっても慢心や怠け心を起こしてはいけない。
ただ、敬の一字をもって終始一貫すればよい。

[現代語抄訳]言志四録

[現代語抄訳]言志四録

  • 作者: 佐藤 一斎
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2005/05/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


恩裡に由来害を生ず。


故に快意の時は、須らく早く頭を回( めぐ)らすべし。


敗後に或いは反って功をなす。


故に払心の処は、便( たやす)く手を放( はな)つなかれ。


                  洪自誠 

                       守屋 洋 ( 著), 守屋淳 ( 著)

                       菜根譚の名言 ベスト100

                        PHP研究所 (2007/7/14)

                       P191

菜根譚の名言 ベスト100

菜根譚の名言 ベスト100

  • 作者: 守屋 洋
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2007/07/14
  • メディア: 新書


成功は常に苦辛(苦心)の日にあり、敗事は多く得意の時に因る

論語に学ぶ
安岡 正篤 (著)
PHP研究所 (2002/10)
P172

論語に学ぶ (PHP文庫)

論語に学ぶ (PHP文庫)

  • 作者: 安岡 正篤
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2002/10/01
  • メディア: 文庫


名を成すは毎(つね)に窮苦の日にあり。事を敗るは多くは志を得るの時に因る。

酔古堂剣掃「人間至宝の生き方」への箴言集
安岡 正篤 (著)
PHP研究所 (2005/7/1)
P158

酔古堂剣掃(すいこどうけんすい) 「人間至宝の生き方」への箴言集 (PHP文庫)

酔古堂剣掃(すいこどうけんすい) 「人間至宝の生き方」への箴言集 (PHP文庫)

  • 作者: 安岡 正篤
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2005/07/01
  • メディア: 文庫