P157
手術の数だけでは、その歯科医師が”慣れ”ているかどうかが分かるにすぎません。
~中略~
問われているのは、「数」ではなく「質」です。その歯科医師が、さまざまなリスクを考慮しながら、安全な治療を行なっているかどうかは、症例数だけでは分からないのです。
ニュースになるほど重篤な医療事故を起こした歯科医師も、1990年代は、あるインプラントメーカーの世界一のヘビーユーザーだったと言われています。
P159
また、海外の有名大学での研修会や教育プログラムへの参加を、「肩書き」として記載している場合もあります。 アメリカやヨーロッパの大学では、「教育」を大学や講座の収入源として予算化していることろが多数あり、経済力のある日本や韓国の歯科医師が、そのターゲットとなっています。
国内外を問わず、多くの研修会や勉強会に参加していることは、その歯科医師の「やる気」を見る上では役立つでしょうが、それらの研修会から得た知識や技術をいかに真剣に自分のものとし、患者さんに還元できているのかは不明なのです。
P160
他の歯科医院では見たこともないような、最新と思われる器材が並んでいると、それだけで「この人は優秀な歯科医師である」と勘違いをしてしまう患者さんも多いのではないかと思います。
しかし当然のことながら、歯科医師の実力は、設備や器材でははかることはできません。
たとえ豪華な手術室を完備した歯科医院であっても、歯科医師やスタッフが清潔行と不潔域を明確に分けていなければ、汚染した器具で手術が行われかねません。立派な手術室なくても、清潔・不潔の知識を十分に活用して準備した、通常の歯科用チェアでの手術の方が、はるかに安全で信用に値すると思われます。
歯科大教授が明かす 本当に聞きたい! インプラントの話 角川SSC新書
矢島 安朝 (著)
角川マガジンズ(角川グループパブリッシング) (2013/3/9)
歯科大教授が明かす 本当に聞きたい!インプラントの話 (角川SSC新書)
- 作者: 矢島 安朝
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2013/05/09
- メディア: Kindle版
近藤(住人注: 近藤誠) 「教授」に手術してもらいたい患者さんが多いけど、危ないですよ。 研究室にこもって実験をして、研究論文をいろいろ書かないとえらくなれないから、教授には臨床経験の浅い人が多い。~中略~ 「あんまり血管をブチブチ切るから、外で血管外科の医者が待機していたとか、「教授が有名人を手術した」ことになっているけど、実際は関連病院の医者がやってたとか。そういう話はゴロゴロしています。
別冊宝島2000号「がん治療」のウソ
別冊宝島編集部 (編集)
宝島社 (2013/4/22)
P35
別冊宝島2000号「がん治療」のウソ (別冊宝島 2000)
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2013/04/22
- メディア: 大型本
いちばん基本に、医療者がプラセボ反応を十全に発揮させるものは何かと言うと、ここに書いている雰囲気なんです。
「B.」のところに「データ」とい書いてありますが、データもまた雰囲気なんだね。 「A.」の三行目にプラセボ効果は治療者との絆によって発動される」と書いています。
「絆」は別な言葉で言えば、「信じること」です。信じることによって、自然治癒力は発動します。
だから神社仏閣を信仰することで病気が治った例がいっぱいあります。それは神社仏閣がすばらしいんじゃなくて、その病気の人が一所懸命、信仰することが、自然治癒力にとってプラスの効果を持つからです。
それを「鰯の頭も信心から」って言います。
何でもいいの。信じて「これでよくなるんだ」と思えば、それによって自然治癒力が保護されて、よくなる。
だから「あなたのお医者さんを信じなさい」という話をよく聞きますが、治療者と信頼関係があるとよくなる。それはそうなの。
だけど残念ながら、今は「信じる者はだまされる」世の中になっていて、だまされるのね。
神田橋條治 医学部講義
神田橋 條治 (著), 黒木 俊秀 (編集), かしま えりこ (編集)
創元社; 初版 (2013/9/3)
P066
0 件のコメント:
コメントを投稿