P52
わが師ブッダよ。ただ今ここに戻りなさいというあなたの教えを知ってはいても、必ずしも私は、今ここにゆるぎなく解き放たれていられるわけではありません。
目の前の出来事に心を奪われ、自分を見失うこともあるでしょう。私がほかに心を引かれ、安定と自由とを失っても、マインドフルネスがそれを気づかせてくれます。
私はときには、今ここに起っていることから逃げ出したり、それにしがみついたりします。どちらの場合も、自分を見失っています。
マインドフルネスの実戦によって、私は執着も嫌悪ももたずに、今起こっている事実を認めることができます。自分の中とまわりに起こっていることを、ありのままに認識する実践ができるのです。
それによって、私の心には安定と自由がもたらされます。
わが師ブッダよ。あなたは、安定と自由こそ涅槃の基本的な要素だと説きました。
私は毎日、ありのままの認識する瞑想とマインドフルネスをたゆまず実践していきます。
私は、手を洗っていることに気づきながら、手を洗います。私は、茶碗をもっていることに気づきながら、茶碗をもちます。
イライラという思いのかたちがあらわれたときには、イライラがあらわれたことに気づきます。
執着という思いのかたちがあらわれたときには、執着があらわれたことに気づきます。私は、未来に対する心配や、人に対する優越感・劣等感や同等意識などをもたずに、今ここに起るあらゆることを認めてほほえみます。
P186
53頁―同等意識 同等意識の観念は、自分は他者と同等の価値を持つのだから、人と同様に扱われ、認められていいという強い思いである。しかし現実には、一人ひとりに違った性格や力や弱点がある。~後略
P188
3頁―マインドフルネス 今ここに意識を置き、思考による判断をせずに、注意深く、入念に、現象のありのままの様子をとらえること。つねにその意識を忘れず保持することも含む。
大地に触れる瞑想―マインドフルネスを生きるための46のメソッド
ティク・ナット・ハン (著), 島田 啓介 (翻訳)
医学書院 (2013/4/5)
大地に触れる瞑想―マインドフルネスを生きるための46のメソッド
- 出版社/メーカー: 新泉社
- 発売日: 2015/04/03
- メディア: 単行本
P124
「マインドフルネス」とは「自分がしていることを十分に理解し、判断や評価なしにいまの瞬間をできるかぎり受け入れるようにすること」です。
「いま、ここ」に焦点をあて、やっていることを体感し、好き嫌いにかかわらず湧きあがる感情を味わっていることがマインドフルな状態です。
マインドフルネス瞑想は物事を受け入れる練習です。~中略~
マインドフルネス瞑想そのものは簡単ですが、これを定期的に行うことは決して簡単ではありません。ですが、瞑想によって生活の質を大きく向上させるためには、定期的に行うことが大切です。
P127
「マインドフルネスとは、あなたが経験するよいこと、悪いこと、そして醜いこと、そんなすべての瞬間に完全に「自分のもの」にすることだ」
心身医療研究者 ジョン・カバットジン
ハーバードの人生を変える授業
タル・ベン・シャハー(著), 成瀬 まゆみ (翻訳)
大和書房 (2015/1/10)
P110
最近、世界の注目を集めている呼吸法があります、
「マインドフルネス瞑想」というもので、ベトナム人僧侶のテイク・ナット・ハンが提唱した、ブッダの呼吸法だそうです。
P111
ブッダの教えた呼吸法の源泉は、「アーナパーナ・サティ・スートラ」という、パーリー語で書かれた経典で、(アーナパーナ・サティ・スートラ)とは、「呼吸について心がけること」という意味です)、それが中国に入って「大安般守意経」と訳されました。
「ダイアンパンシュイキョウ」などというと、とても難解なことが書いてある経典に思えますが、内容は、とてもシンプルで理解しやすいものです。
「息を吸うときには、息を吸っている自分に気づこう(意識を集中させよう)。吐いているときには、吐いている自分に気づこう。歓びを感じながら息をしよう。心を感じつつ心を静めて呼吸しよう。心を安定させ、心を自由にとき放つように息をしよう。
そして、無常さを感じ、生の消滅を感じ、自己を手放すことを意識しよう」
要約すれば、これが悟りを得るための、ブッダの呼吸法と瞑想法の教えです。
百歳人生を生きるヒント
五木 寛之 (著)
日本経済新聞出版社 (2017/12/21)
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