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ほんとうに数えられたわけではないのですが、どの本を見ても、私たちの体はおよそ200種類にして約60兆個の細胞からできていると書いてあります。
何十年も前から200種類と書かれていますが、学問が進んでいろいろなことがわかってきているので、分け方にもよりますが、いまや250~300種類というのが正しいところでしょう。
細胞の数についてきちんと計算してみると、もっと少なくて37兆二千万個くらいではないか、という論文が出されたりしています。体重によっても違いますから、難しいのですが、おおよそ数十兆個、というところなのでしょう。少し意外な感じがするかもしれませんが、なんとそのうちの6割以上が赤血球です。
いろいろな状況に応じて、そんなにたくさんの細胞が、それぞれの役割をはたしながら、さらには協調して、できるだけ健康を保てるように一人一人の人間を形作っている思うと、なんだかものすごく不思議な気持ちになりませんか?
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細胞はかなりの頑張り屋さんです。我々が死にたくないと思うのを感じとって、というわけではないのですが、日々、いろいろなストレスや異常な条件にさらされても、なんとか生き延びようとします。
細胞にだっていろんなストレスがかかるのです。負担をかけられたり、刺激を与えられたり、兵糧攻めにされたり。いってみれば、いじめられているといったところでしょうか。
細胞たちは、そんな状況に適応しながら、なんとか生きていこうとするのですから、なかなかけなげなものです。 残念ながら、いつまでも耐えきれる細胞ばかりではありません。いろいろな刺激や状況に負けて死んでいく細胞もでてきます。
こわいもの知らずの病理学講義
仲野徹 (著)
晶文社 (2017/9/19)
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