十戒 とはあくまで、特定の神との関係においのみ意味を持つものなのです。
しかし、これは逆に考えると、ほかの神との関係を想定していることでもあります。
~中略~
つまりほかの神々に心を奪われるなと言っているのです。これは、十戒を与えた神がほかの神々を強く意識していたことにほかなりません。
大城 信哉 (著)
あらすじと解説で『聖書』が一気にわかる本
永岡書店 (2010/4/10)
P95 旧約聖書
神は嫉みぶかいものだといわれる。
「旧約聖書」の神エホバ(ヤーヴェ)は、自分以外の神をおがむことをイスラエルの民に禁じて、その教えに人々がそむくと、ノアの大洪水を起こして人類を滅ぼそうとしたり、ソドムとゴモラの町を火で焼きはらったりした。
ギリシャの神々は、イスラエルの神ほど絶対の権力を持たないし、道徳的にも厳しくなかったようだが、それでもやっぱり時々人々を罰している。
その罰しかたは、あまりに勝手で、気まぐれで、しかもあまりに残忍に見えるような場合もある。しかし、それはたいてい、人間があまりに自分の力や能力を誇って、神をないがしろにし、神と力をくらべようと試みる場合だ。そういう人間の不遜な行為や考えは、神にとっては辛抱できないものだったのであろう。
山室 静 (著)
ギリシャ神話―付・北欧神話
社会思想社; 再版版 (1962/07)
P56
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